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タバコはないか?
第1話
しおりを挟む——ゴースト・プロトコル。
アタシたちはそう呼ばれている。
特別機動警備隊1課、通称、『ドラゴンファング』。
東の大陸にあるダイバーシティの管轄内でのことだった。
偵察任務の業務を終え、街の郊外にあるエネルギーハウスでひと休憩をしていたところだった。
店内でコーヒーを注ぎ、モーターバイクにエネルギーを補充している間、私たち隊員はソファの上でのんびり寛いでいた。
出勤しているのは私を含めて3人。
ドッグと、スノウ。
帰りにプァレリア海岸沿いを走ろうかと談義しているところだった。
人通りの少ないエネルギーショップのドアが、カランカランと鳴った。
赤いジャケットに、特殊戦闘用のスーツ。
ドアの先にいたのは、西の地方都市レガリアの基地防空隊のヤツらだった。
ダイバーシティのアタシらとは古くから犬猿の仲で、金のためならなんでもするようなヤツらだ。
ヤツらの基地はアタシらの管轄境界付近にある。
境界付近には郊外を拠点にする野良のレンジャー(傭兵)どもがウヨウヨしていて、国境警備隊の整備も十分に行き届いていない無法地帯だった。
防空隊のヤツらはレンジャーどもと内密に“取引”をしてるって噂だった。
境界付近の自治領ベペラナは麻薬の密輸中継地といわれており、麻薬絡みの犯罪も多発している。
殺人や強盗、短時間誘拐等の凶悪犯罪が昼夜、場所を問わず発生している場所だった。
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