Pink 〜世界を滅ぼすために生み出された人造兵器は、王国騎士御用達の酒場を営んでいる〜


人類の魂を養分とする“ヴィジランテ“という「種族」は、『原始のスープ』と呼ばれるオリュンポスの海底に数千年も前から住んでいた。

彼らは人間を“製造”し、種族として成長させ、生物の肉体の元となる「魂=精神エネルギー」のレベルを引き上げることを目的としていた。

成長させた人間たちの遺伝情報を集め、「生物種」としての成長を遂げるため、『魂の器』と呼ばれる“ドライバー”を製造、育成していた。

全ては、“星の運命”に抗うための、壮大な計画の一部だった。


ドライバーと呼ばれる者たちは人間と同じような姿形をしているが、そのままでは「自我」を持たず、「魂」を持たない。

そのかわりエネルギーを入れるための容量が他の生物たちとは異なっており、その能力も人間たちとは一線を画す。

しかし、無数のドライバーを製造する過程で、突然変異種と呼ばれる「アンチ・ドライバー」が生まれたのは、オリュンポスの12柱の1人、『クロノス』の想定していなかった出来事だった。

クロノスはドライバーの「肉体」を作る役目を担っていたが、アンチ・ドライバーの生まれた原因を突き止めることができず、一時製造の中止を余儀なくされてしまう。

アンチ・ドライバーは人間と同じように自我を持ち、「自由意志」と呼ばれる反乱因子を持つ”失敗作”だった。

アンチ・ドライバーとして生まれた“ニッキー・ヴェストフェルト”は、自らの存在が消されることを恐れ、オリュンポスから逃げ出していた。

反逆者として人間界に紛れる傍ら、王国の騎士たちがこよなく愛する酒場、『フリーダム』の2代目の店主として、「人」として生きていくための生計を立てていた。

彼女の住む西の大国、サンシティに、とある危機が迫っていることも知らずに。
24h.ポイント 0pt
0
小説 195,786 位 / 195,786件 ファンタジー 45,219 位 / 45,219件

あなたにおすすめの小説

はめられて強制退学をくらった俺 ~迷い込んだ(地獄の)裏世界で魔物を倒しまくったら、表世界で最強魔導士になっていました~

せんぽー
ファンタジー
 エリートが集うゼルコバ魔法学園。  この学園には、筆記試験、技術試験の合計点が基準に2回満たなかった場合、強制退学になってしまうという決まりがある。  技術において落ちこぼれのネルは、筆記試験でなんとか点数を取り、高等部まで進学していた。  しかし、高等部に上がって初めての期末テスト。ネルの点数は基準点以下になっていた。  「お兄様、あのお水に何が入っていたか知っていますか? 私特製の『特定記憶抹消薬』が入っていたんですよ? お気づきになりませんでした?」  義妹にはめられ裏切られ、強制退学をくらってしまい、学園を追い出されたネル。  彼はトランク1つ手に持ち、フラフラと街を歩いていると、ある女性から宝石を渡される。彼はそれを手にすると、気を失ってしまった。目を覚ますと広がっていたのは、見知らぬ地。赤い空、不気味な森があった。  「ここは………裏世界?」  裏世界。世間では幻とされる世界。    そこへ行くには、自身のレベルを8000にするか、魔石オラクルを使い、大量の魔力を注ぎ込む方法2択。どちらの選択も、Lv.12のネルには到底無理なこと。  そのため裏世界の魔物はLv.8000ものばかり。即死間違いなしだ。  しかし、なぜか彼は、平気に裏世界の魔物を倒せていた。  これは落ちこぼれ扱いされていた少年が2つの世界で最強になる話。  ※更新は基本夜です。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

〈完結〉毒を飲めと言われたので飲みました。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。 国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。 悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

魔物の森のソフィア ~ある引きこもり少女の物語 - 彼女が世界を救うまで~

広野香盃
ファンタジー
魔物の森で精霊に育てられた少女ソフィア。生まれつき臆病な性格の彼女は、育ての親である精霊以外とは緊張して上手く話せない。しかし、人間であるソフィアはこのままでは幸せになれないと考えた精霊により、魔物の森を半ば強制的に追い出されることになる。気弱でコミュ障な少女ソフィアであるが精霊から教えられた精霊魔法は人間にとって驚異的なものであった。目立たず平穏に暮らしたいと願うソフィアだが、周りの誤解と思惑により騒ぎは大きくなって行く。 小説家になろう及びカクヨムにも投稿しています。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました

空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが当たり前になった世界。風間は平凡な会社員として日々を暮らしていたが、ある日見に覚えのないミスを犯し会社をクビになってしまう。その上親友だった男も彼女を奪われ婚約破棄までされてしまった。世の中が嫌になった風間は自暴自棄になり山に向かうがそこで誰からも見捨てられた放置ダンジョンを見つけてしまう。どことなく親近感を覚えた風間はダンジョンで暮らしてみることにするが、そこにはとても可愛らしいモンスターが隠れ住んでいた。ひょんなことでモンスターに懐かれた風間は様々なモンスターと暮らしダンジョン内でのスローライフを満喫していくことになるのだった。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

処理中です...