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キミがいる街
第382話
しおりを挟む「…うーん、なーんかね」
「…なんだよ」
顔の構造は一緒なんだけどなぁ…
笑ってみて?と言ったが、それは断られた。
笑顔くらい安いもんだろ。
しかめっ面の彼。
どこか微笑ましくも見えなくはない。
が、ちょっと変。
だから言ってやった。
「そんなんじゃ、教えてあげられんな」
「はぁ?なんでや!」
キーちゃんのことを知りたいなら、あんたが亮平だっていうことを証明しなきゃ。
「…証明と言われましても」
「進学校に行ってるあんたなんて想像できん」
「どういう意味、それ…?」
「バカッて意味や」
「失礼なやつやな」
だって実際そうだし。
オセロで私に1勝もできなかったやつがだぞ??
亮平の部屋に灘高のピンバッジがある世界線なんて、想像もできない。
この世界の「私」も、岡山の公立校に通ってる。
でも偏差値で言えば圧倒的に灘高の方が高い。
79。
そんな数字を、目の前の男の脳みそで扱えるなんて、…そんなバカなことが…
「教えてくれよ」
「うーん。まあ、いいか。でも疑わない?」
「…うん」
「歯切れの悪い返事やな」
「信じます」
「よし。じゃあ耳を傾けろ」
私の知っている「日常」を、洗いざらい話した。
交差点での事故のことも含めて。
案外、彼は真面目に聞いてくれた。
最初からそうしろと言いたくなったが、余計なことは言わないでおこうと思った。
話してるうちに、眠気はどこかに消えた。
時々あくびが出てしまう私とは裏腹に、彼は最初から最後まで真剣に聞いてた。
理解してるのかしてないのかは、よく分からなかったが。
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