雨上がりに僕らは駆けていく Part1

平木明日香

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第一次タイムクラッシュ

第270話

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 リックライダーは早くからコンピューティングに興味を持っていた。

 ヴァネヴァー・ブッシュと同様、リックライダーのインターネットへの貢献は具体的な発明ではなく概念的なものである(これが誰の言葉かは不明だが、ブッシュの功績には微分解析機など、電子式デジタルコンピュータ以前のコンピューティングなどに具体的な成果があるのを見落としてはいる)。

 彼は簡単なユーザーインターフェースを持つネットワーク接続されたコンピュータの必要性を予測していた。

 デジタル時代にコンピューティングの種を植えた人物であり、現代のパーソナルコンピュータやインターネットをもたらすことになった研究を考案し、出資し、管理するという大きな役目を果たした。

 彼の論文 「人間とコンピュータの共生」は対話型コンピューティングを予見したもので、タイムシェアリングシステムとそのアプリケーション開発に早くから尽力した。

 彼はまたダグラス・エンゲルバートに助言と資金を与え、それによってエンゲルバートはスタンフォード研究所内にAugmentation Research Centerを設立し、有名なNLS(oN-Line System)を開発した。
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