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運命の交差点

第154話

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 「キーちゃん、ごめん!ちょっと行ってくる!」

 「行くってどこに!?」


 最悪だ。

 最悪なことが起きた。


 電話の向こうの亮平は、高速道路にいると言った。

 救急車が鳴っていたんだ。

 きっと事故に遭った。

 未来の亮平も言っていたじゃないか。

 事故に遭って、…植物状態になって…って。


 今起きていること。

 かかって来た電話。


 なんでもっと早くに気づかなかったんだ。

 
 …最悪


 最悪最悪!!!



 学校を飛び出て母さんに電話した。

 車を出してもらおうと思ったからだ。

 車に乗って、急いで高速道路に向かおうと思った。


 早く、…早く行かないと…!


 気が急いて、頭が回らない。

 だけど向かう場所は1つだ。

 場所はわかってる。


 亮平から聞いてた。

 淡路島へと続く道。

 神戸淡路鳴門自動車道。



 事情を聞いた母さんが須磨駅まで来てくれた。

 何が何だかわからない感じで最初は戸惑っているようだったけど、私の雑な説明になんとか理解を示してくれて、急いでアクセルを踏んでくれた。

 インターの入り口から制限速度超過いっぱいまでメーターを上げ、目的地に向かった。

 その間に何度も電話をかけた。

 でも、…出なかった。
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