137 / 698
18.44m
第136話
しおりを挟む「君ハ特別ナ存在ナノ。君ガ思ウ以上ニ」
「特別…?」
「ソウ、特別」
意味がわからなかった。
「特別」という言葉の意味も、キーちゃんが話そうとしている言葉の意図も。
「亮平ガ未来カラ来タトイウ話ハ、信ジテル…?」
「…え、あ、うん…」
「信じる」というより、信じざるを得なかった、という方が正しい。
自分自身に起こった出来事を、現実に置き換えるとするなら…
「私モ同ジ、未来カラ来テイル」
「キーちゃん…も…?」
「ソウ。「未来」カラ…。遠イ未来カラ」
「…待って、ついていけないよ…、キーちゃん」
なにから理解すればいいのか、そのアテになるものも見つからない。
未来から来ている…?
亮平は言っていた。
未来から来ているのは、「未来の自分の記憶」だと。
だから尋ねた。
自分が理解している範囲で。
「未来の人格や記憶が、ここにあるってこと…?」
「…ソウ。詳シイコトハ、彼カラ聞イテイルンダネ。楓ノ言ウ通リ、「未来カラ来テイル」トイウノハ、アクマデ記憶ニ過ギナイ。デモ、ソレヲ繰リ返シテイルノ。何百年モ、…何千回モ」
それも、“理解”はできた。
亮平から聞いた、未来で研究されていたプロジェクトは、私たちがその生命を存続できるように、未来ではなく、「過去」に記憶を受け継がせる、——というものだった。
それを何度も繰り返すことで、未来の人たちは「永遠の命」を実現しようとした。
人間という記憶、——「脳」を通じて。
…だから、キーちゃんが言った「何百年」という時間単位は、きっとそう言うことなんだと思った。
でもわからない…
未来から来たという「話」もそうだし、何百年も…なんて、どうして…
そもそも、亮平の話自体を、ほんの少ししか理解できていない。
未来のプロジェクトなんて、聞き流し程度にしか耳に入れていなかった。
亮平が未来から来ているかもしれないと言うことも、まだ、…疑う部分があった。
「未来ノ「私」ガ、選択シタコトナノ」
「…え?」
「何百年モ、時間ヲ遡ッテイルコトハ」
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる