雨上がりに僕らは駆けていく Part1

平木明日香

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第125話

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 駅の階段を降りて街の外に出ると、雨が降っていた。

 …しまった、傘持ってきてない…

 コンビニで買うのもめんどくさいと思い、屋根を伝ってバスステーションまで走る。

 大学病院行きのバス。

 4番乗り場。

 岡山に来ることなんて、今までになかった。

 「隣の県」っていうだけで、地元じゃ田舎扱い。

 そもそも、用事がないと岡山になんて行かない。

 大阪には友達や家族とよく行ったけど、中国地方方面にはほとんど出向かない。

 広島には行ったことがあったけど。


 バスは17時15分に来た。

 『大学病院』と書かれた電光文字を追って、後ろの席に乗り込む。

 来たことがない土地だから、本当にキーちゃんの元に辿り着けるかどうか不安だった。

 そもそもなんで岡山の病院なんだろう…?

 亮平が言うには、大学病院には父親の知り合いがいたみたいだった。

 キーちゃんの父親は元々神戸大学理学部の教授だったが、岡山大学医学部の研究室とも深い関わりを持っている人だった。

 だからキーちゃんが病気に罹った時、大学病院の先生の勧めで、最先端の治療を施さないかという話があったとか、ないとか。

 詳しいことはわからないみたいだった。

 亮平は、高校生になってからは、キーちゃんとそこまで関わりを持ってなかったみたいだった。

 「私」は、相変わらず親友だったみたいだけど。
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