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俺の話を聞いて全員が考え込んでしまう中、リッチは納得していた。
「私は人間とリッチと言う2つの種族を体験しているので、拓の言う話は何となくだが納得できる。
確かにリッチになってから呪文の必要は無くなり、体内の魔力の流れが変わっている。」
リッチの言葉を聞いて、皆が俺を見る。
「拓ちゃんって凄いわね。将来は研究者や学者になれるんじゃない?」
「研究者や学者は推測を深堀して立証しないといけないから、俺は無理ですよ。」
色々と想像するのは楽しいが、そこにドップリと浸かるのは好きでなければ出来ないだろう。
それよりも、俺と浩司が何故無詠唱で魔法を使えるのかも気になる。
俺と浩司は人間の形をした魔獣と言う事は無いだろうか?
これ以上、推測を重ねても意味が無いので、今は現状を受け入れるしかないのだが・・・
『拓、吾輩はそろそろ食事がしたいにゃ。腹が減っては戦は出来ないのにゃ。』
ヤマトに言われ、皆に食事を出す事にした。
食後はグリムに頼まれ光を照らす程度の魔法を使い、俺の体内の魔力の流れを調べられたが
確かに同じ様な魔力の流れを感じる・・・が元々の魔力量が多過ぎてハッキリは分からないらしい。
色々と試すのはここまでとし「全てが始まりし場所」へ向かうメンバーは可能な限り寝て、他のメンバーは交代で見張を行う事にした。
何も無く時間は過ぎ、モニターのカウント表示が0になった。
「用意は良いですか。敵が残っている可能性が高いので気を引き締めて。
では、いざ行かん『全てが始まりし場所』へ。」
「「「・・・」」」
俺が勢いを付けようと声を上げるが、誰も反応しない。
緊張しているのか?
皆の顔を見ると、これは呆れ顔?
変な間が有った後、全員が笑い始めた。何故?
「行きましょうか。そうよね・・・いざ行かん『全てが始まりし場所』へ。」
「「「お~」」」
サリナ姫の掛け声には反応する人達。何故?
サリナ姫、リッチ、ガラ、レオ、エチゴ、アル、浩司、俺とヤマトの8人と1匹は転移ゲートの中に入った。
中心には球体が設置され、今は光を灯している。
俺はその球体に手を置き装置を起動させた。
周囲を囲む柱が輝き、俺達は光に包まれ体が軽くなったかと思うと、一気に上がって行くのを感じる。
不思議と加速は感じられず、自分が今どこに居るのかも分からなかった。
******(ポトリ教授)
転移ゲートが動き始めると、拓さん達を囲っていた柱が輝き始めた。
そして部屋を囲っていた装置が唸り始め、部屋の温度が上がっていく。
モニターの画面は『10』が表示され、1秒づつ数字が減り、『0』になると、光が消えた。
そして周囲の装置の音が小さくなっていく。
光が消えた後には誰も残ってはいなかった。
「無事に転移ゲートが起動したみたいですね。
モニターを見るに、5日間は動かすことは出来ないようです。」
全てが始まりし場所で何か起きた時に戻って来れる様に第2陣の転送は行わないことになっている。
後は、皆が戻って来るのを待つことしか出来ない。
部屋の温度は一時的に上がっただけで、光が消えた後は上がることは無かった。
その間に、可能な限りこの遺跡を調べる事にする。
しかし、何時も拓さんと浩司さんには驚かされる。
彼等の知識は何処からきているのだろう?
キーボード、マウス、ハッキングなどの聞いた事のない言葉まで普通に使っていた。
魔道具の操作をしてみるが、感覚であそこまで使いこなせるとは思えない。
拓さんは自分が出来ると思った事と言ったが、何故こんな事が出来ると思えるのかも不思議だ。
そんな事を考えていたが、直ぐに頭を振って気持ちを切り替える。
今、私がすべきことは拓さんと浩司さんの事を考えるのではなく、この遺跡を調べる事。
先ずは部屋に有る物の確認から始めた。
「私は人間とリッチと言う2つの種族を体験しているので、拓の言う話は何となくだが納得できる。
確かにリッチになってから呪文の必要は無くなり、体内の魔力の流れが変わっている。」
リッチの言葉を聞いて、皆が俺を見る。
「拓ちゃんって凄いわね。将来は研究者や学者になれるんじゃない?」
「研究者や学者は推測を深堀して立証しないといけないから、俺は無理ですよ。」
色々と想像するのは楽しいが、そこにドップリと浸かるのは好きでなければ出来ないだろう。
それよりも、俺と浩司が何故無詠唱で魔法を使えるのかも気になる。
俺と浩司は人間の形をした魔獣と言う事は無いだろうか?
これ以上、推測を重ねても意味が無いので、今は現状を受け入れるしかないのだが・・・
『拓、吾輩はそろそろ食事がしたいにゃ。腹が減っては戦は出来ないのにゃ。』
ヤマトに言われ、皆に食事を出す事にした。
食後はグリムに頼まれ光を照らす程度の魔法を使い、俺の体内の魔力の流れを調べられたが
確かに同じ様な魔力の流れを感じる・・・が元々の魔力量が多過ぎてハッキリは分からないらしい。
色々と試すのはここまでとし「全てが始まりし場所」へ向かうメンバーは可能な限り寝て、他のメンバーは交代で見張を行う事にした。
何も無く時間は過ぎ、モニターのカウント表示が0になった。
「用意は良いですか。敵が残っている可能性が高いので気を引き締めて。
では、いざ行かん『全てが始まりし場所』へ。」
「「「・・・」」」
俺が勢いを付けようと声を上げるが、誰も反応しない。
緊張しているのか?
皆の顔を見ると、これは呆れ顔?
変な間が有った後、全員が笑い始めた。何故?
「行きましょうか。そうよね・・・いざ行かん『全てが始まりし場所』へ。」
「「「お~」」」
サリナ姫の掛け声には反応する人達。何故?
サリナ姫、リッチ、ガラ、レオ、エチゴ、アル、浩司、俺とヤマトの8人と1匹は転移ゲートの中に入った。
中心には球体が設置され、今は光を灯している。
俺はその球体に手を置き装置を起動させた。
周囲を囲む柱が輝き、俺達は光に包まれ体が軽くなったかと思うと、一気に上がって行くのを感じる。
不思議と加速は感じられず、自分が今どこに居るのかも分からなかった。
******(ポトリ教授)
転移ゲートが動き始めると、拓さん達を囲っていた柱が輝き始めた。
そして部屋を囲っていた装置が唸り始め、部屋の温度が上がっていく。
モニターの画面は『10』が表示され、1秒づつ数字が減り、『0』になると、光が消えた。
そして周囲の装置の音が小さくなっていく。
光が消えた後には誰も残ってはいなかった。
「無事に転移ゲートが起動したみたいですね。
モニターを見るに、5日間は動かすことは出来ないようです。」
全てが始まりし場所で何か起きた時に戻って来れる様に第2陣の転送は行わないことになっている。
後は、皆が戻って来るのを待つことしか出来ない。
部屋の温度は一時的に上がっただけで、光が消えた後は上がることは無かった。
その間に、可能な限りこの遺跡を調べる事にする。
しかし、何時も拓さんと浩司さんには驚かされる。
彼等の知識は何処からきているのだろう?
キーボード、マウス、ハッキングなどの聞いた事のない言葉まで普通に使っていた。
魔道具の操作をしてみるが、感覚であそこまで使いこなせるとは思えない。
拓さんは自分が出来ると思った事と言ったが、何故こんな事が出来ると思えるのかも不思議だ。
そんな事を考えていたが、直ぐに頭を振って気持ちを切り替える。
今、私がすべきことは拓さんと浩司さんの事を考えるのではなく、この遺跡を調べる事。
先ずは部屋に有る物の確認から始めた。
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