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733王都にて

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******(ヨギ魔導士)

「国王陛下、こんな時に何故私を城に呼んだのですか。」
「ヨギよ。お前の魔法と拓殿と浩司殿の魔法を比べたらどうなんだ?」

やはり、国王は拓と浩司の事を知っていたか・・・

「私なんぞ足元にも及びません。」
「お前ほどの魔導士にそこまで言わせる魔導士なのだろ。
 ならば、サポートは剣士のバラン将軍とオリバー大隊長の方が適任だろう
 お前はお前に出来る事をしろ。直ぐにドレーヌもやって来る。」

皆が最後の戦いへと向かう時、私は国王陛下に呼び出された。
一体、ドレーヌ夫人と何をさせようというのだ。
ドレーヌ夫人が来られると、挨拶もそこそこに国王に呼び出された理由を問う。

「この城の塔になっている巨大魔道具は、『導きの塔』という名が付いている。」

ヨギ魔導士もドレーヌ夫人も初めて聞く名前だった。

「王には予言とも言われる言葉が伝わっている。
 『全てを終らせ始まりの場所より帰る者に、導きの光を照らす』
 4本指が全てが始まりし場所に居るというのなら
 拓殿、浩司殿はその場所に行くのだろう。
 2人には、その導きの光を灯す手伝いをしてもらいたい。」

国王陛下の話では、王家は預言者の血筋を引いているらしい。
今のはマクニス7世の予言として伝わっている。

「国王陛下も預言者としての力を持っているのでしょうか?」
「いや、残念ながら無い。王家の者で預言者としての力を持っていたのは他にマクニス1世だけだと聞いている。
 もはや、必要とされぬ力なのかも知れないな。」
「そうですか。しかし、その導きの光とは何なのでしょうか?」
「それは余にも分からない。だからこそ2人の力を借りたい。協力してくれるか?」
「微力ながら協力させて頂きます。」
「私も協力させて頂きます。しかし、どうやって塔を動かせば良いのでしょうか?」

ドレーヌ夫人にたずねられると、国王陛下は1冊の本を取り出した。

「この書物の通りに操作するしかない。ドレーヌなら古代文字は読めるだろう。
 操作についてはかなりの魔力が必要になるらしい。ヨギ、期待しているぞ。」

直ぐにドレーヌ夫人が本に目を通し始めたのだが・・・

「陛下、これを2人で行うのですか?」
「いや、余と王子2人を含め5人だ。大変なのは分かるが、これ以上の人間を塔に入れる訳にはいかない。」
「分かりました。」

ドレーヌ夫人によると、数日で対応できる内容では無いらしい。

直ぐに塔の扉を開き中に入った。

「これが塔の中・・・」

王家の血を継ぐドレーヌ夫人、王子達は入った事が有るみたいだが、始めて入った私には驚きの光景だった。
巨大な魔道具。
天地見聞録に出て来る柱

一体、古代文明とはどれだけの技術を持っていたのかというのだろうか・・・
4本指がこの技術を手に入れているとすると、我々に勝ち目は有るのだろうか・・・
考え込んでしまった私に、国王陛下から声が掛かる。

「気持ちはわかるが、時間を無駄にするわけにはいかない。直ぐに作業を始めるぞ。」

国王が壁に手を付くと、光の線が走り操作パネル等が現れる。

「この様な仕組みになっていたのですね。」

ドレーヌ夫人は驚きながらも書物に目を通し、何をすれば良いのか指示を出し始めた。
しかし、中には大量の魔力を使う作業もある。
私であっても、全力で魔力を放出しなければならない作業も有る。
本来であればガリウム鉱石、パラライトを使った魔道具を使って操作をするのだろうが
国王陛下は今回の戦いで全ての魔道具を渡してしまっている。
我々の魔力で対応するしかなかった。
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