730 / 744
730ナターシャ2
しおりを挟む
******(ヤマト)
後ろから巨大な魔力の放出を感じたガゼルス将軍が視線を移すと、ヤマトが闇に飲み込まれ闇が膨れていくのが見えた。
その闇から現れたのは5mはある巨大な魔獣。その額に金色の模様が描かれた美しい漆黒の猫。
アダンダラの成体の姿だった。
『先程、拓の魔力を受け取り元の姿に戻る事が出来た。退けハイオーガ。』
元の姿に戻った私は風魔法が放を放ちヨハン王子と戦っていたハイオーガを吹き飛ばす。
やはりこの姿に戻ると、扱える魔力量が違う。
久しぶりの全力を試させてもらうぞ。
私は魔力を練ると、全身の毛が逆立つ。
「サリナ様伏せて。アダンダラの雷魔法は周囲に対する放電です。」
ポトリ教授はサリナ姫に飛びついて、地面に伏せる。
心配無用だ。私には拓が作った魔道具がる。
私の魔力は魔道具に集約されハイオーガ1体に雷を落とした。
やはり強いな、完全に倒す事は出来ないか。
「ヨハン王子、止めを。」
リッチに言われ、雷で焦げたハイオーガの口に炎帝剣を突き立てた。
私は続けてリッチが押さえつけているハイオーガにも雷を落とそうとしたが、先に強力な火と風の魔法の攻撃を受けてしまう。
後ろにはリッチやサリナ姫、ポトリ教授が居る。
この程度の魔法・・・私は強力な風を纏い攻撃魔法を避けずに受け止める。
『リッチ。全力で縛り上げろ。一気に倒す。』
リッチの魔力が上がり、ハイオーガの動きを完全に封じ込めた所に雷を放った。
1体は力を無くしリッチのダークマインドで体を支えられていたが、もう1体は風魔法で防いでいた。
『もう一発行くぞ。』
魔力を練ろうとすると、体から力が抜けていく。
『にゃんで、こんな事に。』
『拓殿の魔力を体に馴染ませる前に、無理に成体へと変化したためだろう。』
プリティでキュートな姿に戻ってしまったにゃ。
今は可愛らしさより力が必要だというのに・・・
『十分だ。サリナ姫とポトリ教授を頼む。』
「ヨハン王子、行けますか?」
リッチに言われ、ヨハン王子が残った1体に向かって走り出す。
ハイオーガはリッチとヨハン王子に向かって風魔法を使うが、リッチはダークマインドで体の自由を奪い狙いを定めさせない。
ヨハン王子の剣が炎を纏い攻撃を仕掛けようとすると、ハイオーガは体に風を纏ってヨハン王子を吹き飛ばす。
「大丈夫です。未だ行けます。」
立ち上がったヨハン王子は剣を構え直すと、再びハイオーガに向かう。
「小賢しいわね。そのままくたばってしまいなさいよ。」
ナターシャはハイオーガの魔法攻撃をヨハン王子へ集中させる。
近付けば流石にリッチのダークマインドでも魔法攻撃を逸らすのは難しいが、ヨハン王子はギリギリのところで避けていた。
「飾り物の雑魚の癖に。なら、これで終わりよ。」
ハイオーガに強力な魔法を使わせようとした瞬間、強力な雷魔法がナターシャを襲う。
一瞬できた隙にヨハン王子は一気に距離を詰めた。
全ての魔力を剣に込めると、炎帝剣は青白い炎に包まれる。
そして剣を振りかぶると、ハイオーガの頭を叩き割った。
リッチがダークマインドを外すと、そのまま倒れるハイオーガ。そしてヨハン王子は膝をつき、吾輩は魔力が枯渇してその場に倒れてしまう。
「この黒狸。良くも邪魔をしてくれたわね。」
『吾輩は、拓と浩司を守らなければならないのにゃ。』
吾輩は立ち上がろうとしたが、ナターシャの攻撃魔法で吹っ飛ばされ意識を失った。
後ろから巨大な魔力の放出を感じたガゼルス将軍が視線を移すと、ヤマトが闇に飲み込まれ闇が膨れていくのが見えた。
その闇から現れたのは5mはある巨大な魔獣。その額に金色の模様が描かれた美しい漆黒の猫。
アダンダラの成体の姿だった。
『先程、拓の魔力を受け取り元の姿に戻る事が出来た。退けハイオーガ。』
元の姿に戻った私は風魔法が放を放ちヨハン王子と戦っていたハイオーガを吹き飛ばす。
やはりこの姿に戻ると、扱える魔力量が違う。
久しぶりの全力を試させてもらうぞ。
私は魔力を練ると、全身の毛が逆立つ。
「サリナ様伏せて。アダンダラの雷魔法は周囲に対する放電です。」
ポトリ教授はサリナ姫に飛びついて、地面に伏せる。
心配無用だ。私には拓が作った魔道具がる。
私の魔力は魔道具に集約されハイオーガ1体に雷を落とした。
やはり強いな、完全に倒す事は出来ないか。
「ヨハン王子、止めを。」
リッチに言われ、雷で焦げたハイオーガの口に炎帝剣を突き立てた。
私は続けてリッチが押さえつけているハイオーガにも雷を落とそうとしたが、先に強力な火と風の魔法の攻撃を受けてしまう。
後ろにはリッチやサリナ姫、ポトリ教授が居る。
この程度の魔法・・・私は強力な風を纏い攻撃魔法を避けずに受け止める。
『リッチ。全力で縛り上げろ。一気に倒す。』
リッチの魔力が上がり、ハイオーガの動きを完全に封じ込めた所に雷を放った。
1体は力を無くしリッチのダークマインドで体を支えられていたが、もう1体は風魔法で防いでいた。
『もう一発行くぞ。』
魔力を練ろうとすると、体から力が抜けていく。
『にゃんで、こんな事に。』
『拓殿の魔力を体に馴染ませる前に、無理に成体へと変化したためだろう。』
プリティでキュートな姿に戻ってしまったにゃ。
今は可愛らしさより力が必要だというのに・・・
『十分だ。サリナ姫とポトリ教授を頼む。』
「ヨハン王子、行けますか?」
リッチに言われ、ヨハン王子が残った1体に向かって走り出す。
ハイオーガはリッチとヨハン王子に向かって風魔法を使うが、リッチはダークマインドで体の自由を奪い狙いを定めさせない。
ヨハン王子の剣が炎を纏い攻撃を仕掛けようとすると、ハイオーガは体に風を纏ってヨハン王子を吹き飛ばす。
「大丈夫です。未だ行けます。」
立ち上がったヨハン王子は剣を構え直すと、再びハイオーガに向かう。
「小賢しいわね。そのままくたばってしまいなさいよ。」
ナターシャはハイオーガの魔法攻撃をヨハン王子へ集中させる。
近付けば流石にリッチのダークマインドでも魔法攻撃を逸らすのは難しいが、ヨハン王子はギリギリのところで避けていた。
「飾り物の雑魚の癖に。なら、これで終わりよ。」
ハイオーガに強力な魔法を使わせようとした瞬間、強力な雷魔法がナターシャを襲う。
一瞬できた隙にヨハン王子は一気に距離を詰めた。
全ての魔力を剣に込めると、炎帝剣は青白い炎に包まれる。
そして剣を振りかぶると、ハイオーガの頭を叩き割った。
リッチがダークマインドを外すと、そのまま倒れるハイオーガ。そしてヨハン王子は膝をつき、吾輩は魔力が枯渇してその場に倒れてしまう。
「この黒狸。良くも邪魔をしてくれたわね。」
『吾輩は、拓と浩司を守らなければならないのにゃ。』
吾輩は立ち上がろうとしたが、ナターシャの攻撃魔法で吹っ飛ばされ意識を失った。
27
お気に入りに追加
180
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます
無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
放置された公爵令嬢が幸せになるまで
こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる