異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
722 / 759

722アニス1

しおりを挟む
「この状況で、そんな質問しても意味が無いよ。大気よ振るえ、我が刃となりて敵を滅ぼせ、エアスラッシュ」

アニスが風魔法で攻撃を仕掛けて来るのを、シールドを張って防ぐ。
それと同時にギリス教の人間が攻めてきた。

「お前が毒魔人かよ。ガキが神殿を毒で汚しやがって。神殿でやられた借りは返してやる。」
「本当にこんな子供が私達の聖地を汚したとは・・・」

ギリス教の男が剣を振るって迫ってくる。合わせて後ろからファイヤーランスが放たれた。

「こいつ等の相手は頼む。2人はサリナお姉さんとポトリ教授の護衛を。」

俺はフードを被った2人に護衛を頼むと、大量のレイアローを打ち込んだ。
一瞬出来た隙に姿を消してエアウォークでアニスの所へ駆け抜ける。
もし、ナターシャの呪いを受けて操られているのなら・・・

「アニス、目を覚ませ。」

アニスに向けて闇の魔力を放ち、魔法をジャミングして呪いを断つ。
しかし、アニスは再び風魔法で俺を攻撃してくる。

「もしかして、僕が呪いでも掛けられていると思っているの?
 拓って、こんな状態になっても現実を理解できていないんだね。
 これだけの力を持っているのに、何で実験体の肩を持つのか僕には理解できないよ。」

俺はダークバインドでアニスを抑え込もうとしたが、アニスの周りに強力な風の壁が発生し全てを打ち砕く。
今までとは違う強力なアニスの魔法。もしかして力を隠していた?
一度距離を取り、柱状のロックウォールでアニスを攻撃。
岩の柱は風の壁を貫きアニスに直撃する。

「やっぱり凄いね。僕じゃ全く歯が立たないや。」

アニスが口から血を吐き出すと、ペンダントにしている銀の笛を口に咥える。
俺は嫌な感じがし、そのペンダントに向けてレイアローを放つが、風の壁で防がれてしまう。

「どうしたヤマト。」
『にゃんだ、これは・・・頭が・・・頭が・・・』

ヤマトが地面でのた打ち回ると、いきなり俺に向けてエアカッターを放ってきた。

「止めろ。どうしたんだ。」

俺が叫んでも、ヤマトの攻撃は続く。攻撃を避けながら闇の魔力でヤマトを囲んでみたが効果が無い。
笛、ヤマト・・・

「浩司、アニスの笛を狙え。」

俺がシールドを張ってアニスの風の壁に穴を開けると、浩司が放ったフレイムアローが笛に直撃しアニスが後ろへと吹っ飛ばされる。

『どういう事じゃ?ヤマトに一体何が起きたんじゃ?』

「音だよ。人間には聞こえない高い音を出して魔獣を操っていたんだ。ヤマト、戻ってこい。」

しかし、ヤマトからの攻撃が止むことは無かった。

「僕の洗脳がそう簡単に溶ける訳無いだろ。」

ゆっくりと立ち上がるアニス。

「もう止めるんだ、アニス。これ以上、何もするんじゃない。」
「もう遅いよ。僕は君等を殺す。」

アニスの胸には禍々しい短剣が刺さっていた。
拓が止める間もなく、アニスの体が巨大化し緑のハイオーガに変身する。

アニスだった緑のハイオーガだけでも大変だというのに、そこにヤマトの攻撃が加わる。
せめてもの救いは、ヤマトが連携を取らず今まで培ってきた技術も使わずに攻撃を仕掛けてくる事だろうか。
もし、ヤマトが闇魔法を使ってアニスと連携を取っていたらどうなっていたか・・・

『拓、諦めるんじゃ。先ずはヤマトを元に戻すんじゃ。』

そんな事を言われても、どうすれば良いのか何も思いつかない。

『ヤマトは体に埋め込まれた魔石によって拓と魔力的に繋がっておる。
 それを使って、一気に強力な魔力を流し込むんじゃ。過剰な魔力を受ければ動く事も出来なくなる。』

「そんな事、出来るのか?」

『召喚魔法の時と同じじゃ。浩司、時間を稼げ。』

確かにヤマトに召喚魔法を掛けた時、大量の魔力によってヤマトは動けなくなっていた。
浩司がアニスだった緑のハイオーガに対し魔法の集中砲火を行い俺への攻撃が無くなり、俺はかすかな魔力の繋がりをたどりガリウム鉱石で作った腕輪に貯めている魔力をヤマトへ一気に送った。

「にゃ~~~」

ヤマトは叫ぶと体を痙攣させ、その場に倒れた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

筋トレ民が魔法だらけの異世界に転移した結果

kuron
ファンタジー
いつもの様にジムでトレーニングに励む主人公。 自身の記録を更新した直後に目の前が真っ白になる、そして気づいた時には異世界転移していた。 魔法の世界で魔力無しチート無し?己の身体(筋肉)を駆使して異世界を生き残れ!

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

異世界を服従して征く俺の物語!!

ネコのうた
ファンタジー
日本のとある高校生たちが異世界に召喚されました。 高1で15歳の主人公は弱キャラだったものの、ある存在と融合して力を得ます。 様々なスキルや魔法を用いて、人族や魔族を時に服従させ時に殲滅していく、といったストーリーです。 なかには一筋縄ではいかない強敵たちもいて・・・・?

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...