異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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722アニス1

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「この状況で、そんな質問しても意味が無いよ。大気よ振るえ、我が刃となりて敵を滅ぼせ、エアスラッシュ」

アニスが風魔法で攻撃を仕掛けて来るのを、シールドを張って防ぐ。
それと同時にギリス教の人間が攻めてきた。

「お前が毒魔人かよ。ガキが神殿を毒で汚しやがって。神殿でやられた借りは返してやる。」
「本当にこんな子供が私達の聖地を汚したとは・・・」

ギリス教の男が剣を振るって迫ってくる。合わせて後ろからファイヤーランスが放たれた。

「こいつ等の相手は頼む。2人はサリナお姉さんとポトリ教授の護衛を。」

俺はフードを被った2人に護衛を頼むと、大量のレイアローを打ち込んだ。
一瞬出来た隙に姿を消してエアウォークでアニスの所へ駆け抜ける。
もし、ナターシャの呪いを受けて操られているのなら・・・

「アニス、目を覚ませ。」

アニスに向けて闇の魔力を放ち、魔法をジャミングして呪いを断つ。
しかし、アニスは再び風魔法で俺を攻撃してくる。

「もしかして、僕が呪いでも掛けられていると思っているの?
 拓って、こんな状態になっても現実を理解できていないんだね。
 これだけの力を持っているのに、何で実験体の肩を持つのか僕には理解できないよ。」

俺はダークバインドでアニスを抑え込もうとしたが、アニスの周りに強力な風の壁が発生し全てを打ち砕く。
今までとは違う強力なアニスの魔法。もしかして力を隠していた?
一度距離を取り、柱状のロックウォールでアニスを攻撃。
岩の柱は風の壁を貫きアニスに直撃する。

「やっぱり凄いね。僕じゃ全く歯が立たないや。」

アニスが口から血を吐き出すと、ペンダントにしている銀の笛を口に咥える。
俺は嫌な感じがし、そのペンダントに向けてレイアローを放つが、風の壁で防がれてしまう。

「どうしたヤマト。」
『にゃんだ、これは・・・頭が・・・頭が・・・』

ヤマトが地面でのた打ち回ると、いきなり俺に向けてエアカッターを放ってきた。

「止めろ。どうしたんだ。」

俺が叫んでも、ヤマトの攻撃は続く。攻撃を避けながら闇の魔力でヤマトを囲んでみたが効果が無い。
笛、ヤマト・・・

「浩司、アニスの笛を狙え。」

俺がシールドを張ってアニスの風の壁に穴を開けると、浩司が放ったフレイムアローが笛に直撃しアニスが後ろへと吹っ飛ばされる。

『どういう事じゃ?ヤマトに一体何が起きたんじゃ?』

「音だよ。人間には聞こえない高い音を出して魔獣を操っていたんだ。ヤマト、戻ってこい。」

しかし、ヤマトからの攻撃が止むことは無かった。

「僕の洗脳がそう簡単に溶ける訳無いだろ。」

ゆっくりと立ち上がるアニス。

「もう止めるんだ、アニス。これ以上、何もするんじゃない。」
「もう遅いよ。僕は君等を殺す。」

アニスの胸には禍々しい短剣が刺さっていた。
拓が止める間もなく、アニスの体が巨大化し緑のハイオーガに変身する。

アニスだった緑のハイオーガだけでも大変だというのに、そこにヤマトの攻撃が加わる。
せめてもの救いは、ヤマトが連携を取らず今まで培ってきた技術も使わずに攻撃を仕掛けてくる事だろうか。
もし、ヤマトが闇魔法を使ってアニスと連携を取っていたらどうなっていたか・・・

『拓、諦めるんじゃ。先ずはヤマトを元に戻すんじゃ。』

そんな事を言われても、どうすれば良いのか何も思いつかない。

『ヤマトは体に埋め込まれた魔石によって拓と魔力的に繋がっておる。
 それを使って、一気に強力な魔力を流し込むんじゃ。過剰な魔力を受ければ動く事も出来なくなる。』

「そんな事、出来るのか?」

『召喚魔法の時と同じじゃ。浩司、時間を稼げ。』

確かにヤマトに召喚魔法を掛けた時、大量の魔力によってヤマトは動けなくなっていた。
浩司がアニスだった緑のハイオーガに対し魔法の集中砲火を行い俺への攻撃が無くなり、俺はかすかな魔力の繋がりをたどりガリウム鉱石で作った腕輪に貯めている魔力をヤマトへ一気に送った。

「にゃ~~~」

ヤマトは叫ぶと体を痙攣させ、その場に倒れた。
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