上 下
719 / 738

719クリーム1

しおりを挟む
******(ジーク)

オリバー隊長と別れてから、俺達は森の奥へと進む。

「拓ちゃん、このまま目的地まで行けると思うか。」
「敵が見逃してくれると嬉しいけどね。」

浩司と拓が軽口を叩いていると、残念ながら拓の探索魔法に待ち伏せする敵が引っ掛かった。
わざわざ、俺達の事を森の途切れた広場で待っている。その事を皆に伝えると、ガラが聞いてくる。

「拓、敵の人数は分かるか。」
「30人位ですね。相手も俺達が来るのを分かっているみたいです。」

俺はフードを被った2人にサリナ姫とポトリ教授を守る様にお願いする。
待ち構えているのは逃げた囚人の残りだろうか。
俺達の前に立ちはだかると言う事は、目指す目的地が正しいと言う事だ。
目的地にナターシャ達が居るとすると、こいつらを後方に放置して進むのは危険だ。

「面倒だが、倒すしかないな。」

ガラが剣の柄を握りしめて前を向くが

「いや、ここは俺達に任せて貰おう。絶対にお前達の後を追わせることはさせない。」

俺がそう言うと、クリームのメンバーが頷いている。
ここはアークの方が良いのではとロウガが提案してくるが

「この先にいる敵の親玉からOZを守るならアークの方が適任だ。
 良いか、戦いが始まったら、俺達以外のメンバーは一気に先へと進め。
 こんな所で、力を消耗させるんじゃないぞ。
 あいつ等を倒したら、直ぐに俺達も後を追う。」

敵がハイオーガになるのならと、拓が考えていた対策案と必要な道具を渡してくれた。

「拓らしいと言うか、嫌らしいと言うか・・・とにかく、やってみよう。」
「何が有っても、確実に生き残ることを優先させてください。」

俺の嫌らしいという言葉に拓に反論される・・・しかし、その通りだ。
全員で生き残る。その為に用意してくれた拓の道具は有難く使わせてもらうつもりだ。

森を抜けると、王都を逃げ出した人達が待ち構えていた。

「いくぞ。雷よ、我が刃となり汝の敵を襲え、ライトニング」
「清流よ、強き力を纏いて敵を貫かん、ウォーターカッター」
「炎よ槍と化せ、ファイヤーランス。」

俺、ジェニファー、ロビンが攻撃魔法を放、それに合わせトムが光魔法で目くらましを行う。
敵の包囲網が崩れた間に、俺達は森の奥へと走り抜けた。

「待ちやがれ。」

敵が拓達を追おうとするが、その前に俺達クリームのメンバーが立ち塞がる。

「追わせるわけないだろう。」
「Aランク冒険者のクリームか。
 バランが居ないのが残念だが、最大戦力を潰して残りの奴らを追いかけてやる。」
「俺達が最大戦力だと。残念だが、この中では俺達が最低戦力だよ。
 しかし、貴様等ごときを倒すなら十分だ。」

俺はそれだけを言うと、ジェニファーとロビンが水と火の魔法攻撃を行い戦いが始まった。

敵の中でハイオーガになったのは10人、残りは人の姿のままで攻撃を仕掛けてきた。
ジェニファーとロビンはハイオーガの足止めを行い、攻撃はトムが防いでいた。

「雷よ、我が刃となり汝の敵を襲え、ライトニング」

ハイオーガにならずに攻撃を仕掛けてくる敵に対し、俺は雷魔法を放った。
そして、ニコラスが魔道具で姿を消して俺の攻撃を避けた相手に剣による攻撃を行うと
敵はニコラスを感知することも出来ず、潰れていく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【修正中】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜
ファンタジー
「こんなハズレ勇者など、即刻摘み出せ!!!」  某大学に通う俺、如月湊(きさらぎみなと)は漫画や小説とかで言う【勇者召喚】とやらで、異世界に召喚されたらしい。  お約束な感じに【勇者様】とか、【魔王を倒して欲しい】だとか、言われたが--------  ステータスを開いた瞬間、この国の王様っぽい奴がいきなり叫び出したかと思えば、いきなり王宮を摘み出され-------------魔物が多く生息する危険な森の中へと捨てられてしまった。  後で分かった事だが、どうやら俺は【生産系のスキル】を持った勇者らしく。  この世界では、最下級で役に立たないスキルらしい。    えっ? でも、このスキルって普通に最強じゃね?  試しに使ってみると、あまりにも規格外過ぎて、目立ってしまい-------------  いつしか、女神やら、王女やらに求婚されるようになっていき…………。 ※前の作品の修正中のものです。 ※下記リンクでも投稿中  アルファで見れない方など、宜しければ、そちらでご覧下さい。 https://ncode.syosetu.com/n1040gl/

異世界転移の特典はとんでも無いチートの能力だった。俺はこの能力を極力抑えて使わないと、魔王認定されかねん!

アノマロカリス
ファンタジー
天空 光(てんくう ひかる)は16歳の時に事故に遭いそうな小学生の女の子を救って生涯に幕を閉じた。 死んでから神様の元に行くと、弟が管理する世界に転生しないかと持ち掛けられた。 漫画やゲーム好きで、現実世界でも魔法が使えないかと勉強をして行ったら…偏った知識が天才的になっていたという少年だった。 そして光は異世界を管理する神の弟にあって特典であるギフトを授けられた。 「彼に見合った能力なら、この能力が相応しいだろう。」 そう思って与えられた能力を確認する為にステータスを表示すると、その表示された数値を見て光は吹き出した。 この世界ではこのステータスが普通なのか…んな訳ねぇよな? そう思って転移先に降り立った場所は…災害級や天災級が徘徊する危険な大森林だった。 光の目の前に突然ベヒーモスが現れ、光はファイアボールを放ったが… そのファイアボールが桁違いの威力で、ベヒーモスを消滅させてから大森林を塵に変えた。 「異世界の神様は俺に魔王討伐を依頼していたが、このままだと俺が魔王扱いされかねない!」 それから光は力を抑えて行動する事になる。 光のジョブは勇者という訳では無い。 だからどんなジョブを入手するかまだ予定はないのだが…このままだと魔王とか破壊神に成りかねない。 果たして光は転移先の異世界で生活をしていけるのだろうか? 3月17日〜20日の4日連続でHOTランキング1位になりました。 皆さん、応援ありがとうございました.°(ಗдಗ。)°.

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第二章シャーカ王国編

勇者パーティーを追放された俺は腹いせにエルフの里を襲撃する

フルーツパフェ
ファンタジー
これは理不尽にパーティーを追放された勇者が新天地で活躍する物語ではない。 自分をパーティーから追い出した仲間がエルフの美女から、単に復讐の矛先を種族全体に向けただけのこと。 この世のエルフの女を全て討伐してやるために、俺はエルフの里を目指し続けた。 歪んだ男の復讐劇と、虐げられるエルフの美女達のあられもない姿が満載のマニアックファンタジー。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~

ぐうのすけ
ファンタジー
高校生で18才の【黒野 速人】はクラス転移で異世界に召喚される。 城に召喚され、ステータス確認で他の者はレア固有スキルを持つ中、速人の固有スキルは呪い扱いされ城を追い出された。 速人は気づく。 この世界、俺がやっていたエロゲ、プリンセストラップダンジョン学園・NTRと同じ世界だ! この世界の攻略法を俺は知っている! そして自分のステータスを見て気づく。 そうか、俺の固有スキルは大器晩成型の強スキルだ! こうして速人は徐々に頭角を現し、ハーレムと大きな地位を築いていく。 一方速人を追放したクラスメートの勇者源氏朝陽はゲームの仕様を知らず、徐々に成長が止まり、落ちぶれていく。 そしてクラス1の美人【姫野 姫】にも逃げられ更に追い込まれる。 順調に強くなっていく中速人は気づく。 俺達が転移した事でゲームの歴史が変わっていく。 更にゲームオーバーを回避するためにヒロインを助けた事でヒロインの好感度が限界突破していく。 強くなり、ヒロインを救いつつ成り上がっていくお話。 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』 カクヨムとアルファポリス同時掲載。

ゲームの中に転生したのに、森に捨てられてしまいました

竹桜
ファンタジー
 いつもと変わらない日常を過ごしていたが、通り魔に刺され、異世界に転生したのだ。  だが、転生したのはゲームの主人公ではなく、ゲームの舞台となる隣国の伯爵家の長男だった。  そのことを前向きに考えていたが、森に捨てられてしまったのだ。  これは異世界に転生した主人公が生きるために成長する物語だ。

妻がエロくて死にそうです

菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。 美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。 こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。 それは…… 限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常

処理中です...