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712集結
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いよいよ、雪が解け始める季節になった。
OZ、アーク、クリームの他に、どこで聞きつけたのか、ゴルゴ達にギルトマスターのバルクまでが合流してきた。
「一体どうして、それにバルクさんはギルドマスターの仕事はどうしたんですか。」
「ギルドマスターの情報網をなめるなよ。
俺が居なくてもギルドは問題ない。今のあいつらなら大丈夫だ。
それに何かあった時、冒険者が役に立つ時がある。」
俺達と一緒に来るらしい。ただ、カイは連れて行かない。
本人は悔しがっているが、カイには残ってもらい妹のレムを守ってもらう。
道崎案内人としてポトリ教授が買って出てくれた。
これからの行動は一部の者しか知らない事になっている。
朝早く、俺達は町を出た。
初めの目的地は街道を10日ほど歩いた場所にある広場だ。
「俺達が一番乗りみたいだな。」
ガラの言う通り、俺達以外に人は居なかった。
途中、皆で自転車を使って移動したので、予定よりもずっと早く到着している。
テントを張り、野営をしていると、馬車に乗ってヨギ魔導士、オリバー隊長、
更に、サリナ姫、ヨハン王子、ガゼルス将軍、リチャード魔道師、ハンナ騎士がやって来た。
「何でサリナお姉さんと、ヨハンさんが一緒に居るのです。」
「皆に危険な所に行かせて、安全な場所で待っているなんて出来ないわ。私には王族として見届ける義務があります。」
「俺もそうだ。この先、皆が平和に暮らすための戦いだ。微力だが手伝わせてもらう。」
横で、ガゼルス将軍が頷いている。
ガゼルス将軍、リチャード魔道師、ハンナ騎士が2人の護衛として付けば問題無いだろう。
こうなったら仕方がない。皆で未来を掴み取るしかないだろう。
さすがに秘密裏の行動でバラン将軍まで来ることは出来なかった。
サリナ姫が周囲を見ているので、どうしたのかと思っていたが
「浩司さんとヤマトが居ないみたいだけど、どうしたの。」
「まさか、ついに拓が愛想をつかされてしまったのか。」
「えっ、拓ちゃんは何をしたのよ。」
「話してみろ。俺も一緒に謝ってやる。」
ついにヨハン王子は、サリナ姫に感化されて人を見る目のないダメ王子になってしまったか。
だいたい、「ついに」って人の事をどんな風に見ていたのだろう。
この2人、このまま行くと最悪のダメ王族夫婦になってしまうのではないだろうか。
横でバラン将軍とガゼルス将軍が心配そうに見ているのは、自分の仕える主を情けなく思っての事だろう。
視線が俺に向けられているようにも見えるが気のせいだ。
「浩司は、別件でヤマトと行動をしています。後で合流しますよ。」
俺が溜息交じりに応えると、後ろの方で皆が笑っている。
これから敵の本拠地に行くというのに、一気に緊張感が無くなってしまった。
3日後、広場には
第3騎士団とブルネリ公爵の私兵の精鋭100名、そしてガゼルス将軍の信頼できるグランザム兵30名が集まっていた。
今回の行動は公にしていなく、騎士や兵士達は冒険者の格好をして参加することになった。
ただし、俺のアイテムボックスに転がっていたミスリル製の防具や剣を渡してある。
以前に作ったミスリルの盾も、布に包んで持ってきているみたいだ。
そして、バラン将軍の第3騎士団に設置していたミスリルで出来た拡張ボックスを持ってきていて、食料やポーション、薬などを大量に用意している。
『浩司がやっと戻ってきたみたいじゃな。少し離れた所に降りたぞ。』
俺が浩司の居るほうへ行くと、ハングライダーの横に浩司とフード付きのマントを被った人が2人。
「浩司、お疲れ様。2人を無事に連れてきてくれてありがとう。」
「しかし、本当に大丈夫なのか。」
「大丈夫だよ。そのままで来られると、2人とも少々問題が有るからフードを被って貰ったけどね。」
そして、2人と少し話して皆の所へ戻ると
「拓、その2人は誰だ。本当に俺達の仲間なのか。」
ガラが剣の柄に手をかけて前に立ち塞がった。
OZ、アーク、クリームのメンバーには事前に助っ人を呼んでくる話はしておいたのだが、
こんなフードを被った怪しい2人組が来れば、この反応も仕方がないだろう。
ちなみにマントは俺の作った魔道具となっていて、フードを被ると顔が分からない様に光魔法で細工がしてある。
「強力な助っ人だよ。訳があり顔を出せないけど安心して欲しい。」
俺がそう言うと、ガラは何も言わずに剣から手を外して道を譲った。
これで、全員が揃った。
いよいよ、明日は全員で目的地に向かって出発する。
OZ、アーク、クリームの他に、どこで聞きつけたのか、ゴルゴ達にギルトマスターのバルクまでが合流してきた。
「一体どうして、それにバルクさんはギルドマスターの仕事はどうしたんですか。」
「ギルドマスターの情報網をなめるなよ。
俺が居なくてもギルドは問題ない。今のあいつらなら大丈夫だ。
それに何かあった時、冒険者が役に立つ時がある。」
俺達と一緒に来るらしい。ただ、カイは連れて行かない。
本人は悔しがっているが、カイには残ってもらい妹のレムを守ってもらう。
道崎案内人としてポトリ教授が買って出てくれた。
これからの行動は一部の者しか知らない事になっている。
朝早く、俺達は町を出た。
初めの目的地は街道を10日ほど歩いた場所にある広場だ。
「俺達が一番乗りみたいだな。」
ガラの言う通り、俺達以外に人は居なかった。
途中、皆で自転車を使って移動したので、予定よりもずっと早く到着している。
テントを張り、野営をしていると、馬車に乗ってヨギ魔導士、オリバー隊長、
更に、サリナ姫、ヨハン王子、ガゼルス将軍、リチャード魔道師、ハンナ騎士がやって来た。
「何でサリナお姉さんと、ヨハンさんが一緒に居るのです。」
「皆に危険な所に行かせて、安全な場所で待っているなんて出来ないわ。私には王族として見届ける義務があります。」
「俺もそうだ。この先、皆が平和に暮らすための戦いだ。微力だが手伝わせてもらう。」
横で、ガゼルス将軍が頷いている。
ガゼルス将軍、リチャード魔道師、ハンナ騎士が2人の護衛として付けば問題無いだろう。
こうなったら仕方がない。皆で未来を掴み取るしかないだろう。
さすがに秘密裏の行動でバラン将軍まで来ることは出来なかった。
サリナ姫が周囲を見ているので、どうしたのかと思っていたが
「浩司さんとヤマトが居ないみたいだけど、どうしたの。」
「まさか、ついに拓が愛想をつかされてしまったのか。」
「えっ、拓ちゃんは何をしたのよ。」
「話してみろ。俺も一緒に謝ってやる。」
ついにヨハン王子は、サリナ姫に感化されて人を見る目のないダメ王子になってしまったか。
だいたい、「ついに」って人の事をどんな風に見ていたのだろう。
この2人、このまま行くと最悪のダメ王族夫婦になってしまうのではないだろうか。
横でバラン将軍とガゼルス将軍が心配そうに見ているのは、自分の仕える主を情けなく思っての事だろう。
視線が俺に向けられているようにも見えるが気のせいだ。
「浩司は、別件でヤマトと行動をしています。後で合流しますよ。」
俺が溜息交じりに応えると、後ろの方で皆が笑っている。
これから敵の本拠地に行くというのに、一気に緊張感が無くなってしまった。
3日後、広場には
第3騎士団とブルネリ公爵の私兵の精鋭100名、そしてガゼルス将軍の信頼できるグランザム兵30名が集まっていた。
今回の行動は公にしていなく、騎士や兵士達は冒険者の格好をして参加することになった。
ただし、俺のアイテムボックスに転がっていたミスリル製の防具や剣を渡してある。
以前に作ったミスリルの盾も、布に包んで持ってきているみたいだ。
そして、バラン将軍の第3騎士団に設置していたミスリルで出来た拡張ボックスを持ってきていて、食料やポーション、薬などを大量に用意している。
『浩司がやっと戻ってきたみたいじゃな。少し離れた所に降りたぞ。』
俺が浩司の居るほうへ行くと、ハングライダーの横に浩司とフード付きのマントを被った人が2人。
「浩司、お疲れ様。2人を無事に連れてきてくれてありがとう。」
「しかし、本当に大丈夫なのか。」
「大丈夫だよ。そのままで来られると、2人とも少々問題が有るからフードを被って貰ったけどね。」
そして、2人と少し話して皆の所へ戻ると
「拓、その2人は誰だ。本当に俺達の仲間なのか。」
ガラが剣の柄に手をかけて前に立ち塞がった。
OZ、アーク、クリームのメンバーには事前に助っ人を呼んでくる話はしておいたのだが、
こんなフードを被った怪しい2人組が来れば、この反応も仕方がないだろう。
ちなみにマントは俺の作った魔道具となっていて、フードを被ると顔が分からない様に光魔法で細工がしてある。
「強力な助っ人だよ。訳があり顔を出せないけど安心して欲しい。」
俺がそう言うと、ガラは何も言わずに剣から手を外して道を譲った。
これで、全員が揃った。
いよいよ、明日は全員で目的地に向かって出発する。
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