710 / 744
710武道大会
しおりを挟む
「拓が勝って、今回も懐が潤ったな。」
「正直、ガゼルス将軍の攻撃力を知っていたからな。
拓に賭けるのは一瞬ためらったが、問題なかった。」
試合が終わり、ガゼルス将軍と俺の体をピース医師に診察してもらい皆の所に戻ってきた時のロウガさんとジークさんの言葉。
ヨギ魔導士がまた胴元となって、賭けを行っていたみたいだ。
普段の俺達の特訓を見ていた兵士達はガゼルス将軍に賭けていたらしい。
やはり、オリハルコンを這わしたガゼルス将軍の持つ剣の威力を見ていればそうなるだろう。
「しかし、土魔法で強い攻撃を連続で行った割には、また嫌らしい小細工をしていたな。」
ガラもわざわざ、嫌らしいという言葉を使わなくても良いと思うが・・・
「ガラ殿、あの様な嫌らしい・・・ではなく、芸の細かい攻撃が有るから強い攻撃が生きてくる。
しかし、またしても拓殿には負けてしまった。
まだまだ、特訓が足らないですね。
浩司殿、次の特訓で私に強い魔法の集中攻撃を行ってくれませんか。」
ガゼルス将軍は、更に強くなる為の特訓を行うみたいだ。
『今回は、連続で繰り出すロックウォールの威力に押されて拓を見失ったからな。
強い攻撃に対応できれば、もっと面白い試合になっておったじゃろう。
春までにやれる事はまだまだ有るぞ。』
グリムの言う通りだ。
後悔はしたくない。限られた時間の中で出来る限りの事をやっておこう。
そして、バラン将軍の第3騎士団とブルネリ公爵の私兵の混在の武道大会が始まった。
驚くのは戦闘力が数段上がっている。
この短期間でどれだけの訓練を行ってきたのだろうか。
本当に心強く感じる。
ただ、強い攻撃力に合わせて、怪我の状態も酷い。
俺とピース医師は怪我人の手当てに追われていた。
そして、浩司は試合中に放たれた魔法が周囲に当たらないように、外れた魔法を魔法で打ち消していた。
当然
『浩司、あの威力の攻撃にその無駄な魔力量は何だ。』『攻撃の中心を狙うんじゃ。』
と気の抜けない、グリムによる特訓の場となっていた。
2日間の大会を終え、優勝したのはベータ騎士だった。
優勝した時、彼には珍しく「やったー、勝った、勝ったぞ。」と大声で叫んでいた。
それだけ2日目の代表者の試合は、誰が勝ってもおかしくない接戦だった。
優勝賞品の5得ナイフを受け取ったベータ騎士は、自分の持っている治癒の魔道具を準優勝のシュンという獣人の兵士に渡していた。
その後パーティとなったが、浮かれている者は誰も居なく、皆が試合での戦いの反省会をしていた。
俺は、それとは関係なく食事を楽しんでいたのだが・・・
「拓殿、浩司殿、私の戦いは如何でしたでしょうか。」
ベータ騎士が俺と浩司に籠城していた礼を言った後、何故か自分の戦いについての意見を求めてくる。
正直、魔法なら何とか答えられるのだが武術については適切なアドバイスは出来ない。
とりあえず、仮にベータ騎士と戦うことになったらどう攻めるかという観点で話をすると
「ありがとうございます。拓殿はどの様に相手の攻撃に対応しているのですか。」
「そうですね。俺は相手の魔力や気の流れで察知しているかな。」
「気の流れ?」
「感覚的なものですが、人は動く時に筋肉だけでなく気の流れが起きるんですよ。
普通に言えば、気配とかそういうもの。」
「そんな奥義を習得されているのですか。」
「「「お~~」」」
ベータ騎士の驚きの言葉に合わせて、俺達の会話を聞いていた騎士や兵士達から声が上がる。
俺の場合、それをオーラという形で見ているので、奥義とは程遠いのだが。
後はアークやクリームに任せて席を外し、浩司とヤマトと少し離れて食事を楽しんだ。
「正直、ガゼルス将軍の攻撃力を知っていたからな。
拓に賭けるのは一瞬ためらったが、問題なかった。」
試合が終わり、ガゼルス将軍と俺の体をピース医師に診察してもらい皆の所に戻ってきた時のロウガさんとジークさんの言葉。
ヨギ魔導士がまた胴元となって、賭けを行っていたみたいだ。
普段の俺達の特訓を見ていた兵士達はガゼルス将軍に賭けていたらしい。
やはり、オリハルコンを這わしたガゼルス将軍の持つ剣の威力を見ていればそうなるだろう。
「しかし、土魔法で強い攻撃を連続で行った割には、また嫌らしい小細工をしていたな。」
ガラもわざわざ、嫌らしいという言葉を使わなくても良いと思うが・・・
「ガラ殿、あの様な嫌らしい・・・ではなく、芸の細かい攻撃が有るから強い攻撃が生きてくる。
しかし、またしても拓殿には負けてしまった。
まだまだ、特訓が足らないですね。
浩司殿、次の特訓で私に強い魔法の集中攻撃を行ってくれませんか。」
ガゼルス将軍は、更に強くなる為の特訓を行うみたいだ。
『今回は、連続で繰り出すロックウォールの威力に押されて拓を見失ったからな。
強い攻撃に対応できれば、もっと面白い試合になっておったじゃろう。
春までにやれる事はまだまだ有るぞ。』
グリムの言う通りだ。
後悔はしたくない。限られた時間の中で出来る限りの事をやっておこう。
そして、バラン将軍の第3騎士団とブルネリ公爵の私兵の混在の武道大会が始まった。
驚くのは戦闘力が数段上がっている。
この短期間でどれだけの訓練を行ってきたのだろうか。
本当に心強く感じる。
ただ、強い攻撃力に合わせて、怪我の状態も酷い。
俺とピース医師は怪我人の手当てに追われていた。
そして、浩司は試合中に放たれた魔法が周囲に当たらないように、外れた魔法を魔法で打ち消していた。
当然
『浩司、あの威力の攻撃にその無駄な魔力量は何だ。』『攻撃の中心を狙うんじゃ。』
と気の抜けない、グリムによる特訓の場となっていた。
2日間の大会を終え、優勝したのはベータ騎士だった。
優勝した時、彼には珍しく「やったー、勝った、勝ったぞ。」と大声で叫んでいた。
それだけ2日目の代表者の試合は、誰が勝ってもおかしくない接戦だった。
優勝賞品の5得ナイフを受け取ったベータ騎士は、自分の持っている治癒の魔道具を準優勝のシュンという獣人の兵士に渡していた。
その後パーティとなったが、浮かれている者は誰も居なく、皆が試合での戦いの反省会をしていた。
俺は、それとは関係なく食事を楽しんでいたのだが・・・
「拓殿、浩司殿、私の戦いは如何でしたでしょうか。」
ベータ騎士が俺と浩司に籠城していた礼を言った後、何故か自分の戦いについての意見を求めてくる。
正直、魔法なら何とか答えられるのだが武術については適切なアドバイスは出来ない。
とりあえず、仮にベータ騎士と戦うことになったらどう攻めるかという観点で話をすると
「ありがとうございます。拓殿はどの様に相手の攻撃に対応しているのですか。」
「そうですね。俺は相手の魔力や気の流れで察知しているかな。」
「気の流れ?」
「感覚的なものですが、人は動く時に筋肉だけでなく気の流れが起きるんですよ。
普通に言えば、気配とかそういうもの。」
「そんな奥義を習得されているのですか。」
「「「お~~」」」
ベータ騎士の驚きの言葉に合わせて、俺達の会話を聞いていた騎士や兵士達から声が上がる。
俺の場合、それをオーラという形で見ているので、奥義とは程遠いのだが。
後はアークやクリームに任せて席を外し、浩司とヤマトと少し離れて食事を楽しんだ。
40
お気に入りに追加
180
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます
無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 ウィルベル
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
追放シーフの成り上がり
白銀六花
ファンタジー
王都のギルドでSS級まで上り詰めた冒険者パーティー【オリオン】の一員として日々活躍するディーノ。
前衛のシーフとしてモンスターを翻弄し、回避しながらダメージを蓄積させていき、最後はパーティー全員でトドメを刺す。
これがディーノの所属するオリオンの戦い方だ。
ところが、SS級モンスター相手に命がけで戦うディーノに対し、ほぼ無傷で戦闘を終えるパーティーメンバー。
ディーノのスキル【ギフト】によってパーティーメンバーのステータスを上昇させ、パーティー内でも誰よりも戦闘に貢献していたはずなのに……
「お前、俺達の実力についてこれなくなってるんじゃねぇの?」とパーティーを追放される。
ディーノを追放し、新たな仲間とパーティーを再結成した元仲間達。
新生パーティー【ブレイブ】でクエストに出るも、以前とは違い命がけの戦闘を繰り広げ、クエストには失敗を繰り返す。
理由もわからず怒りに震え、新入りを役立たずと怒鳴りちらす元仲間達。
そしてソロの冒険者として活動し始めるとディーノは、自分のスキルを見直す事となり、S級冒険者として活躍していく事となる。
ディーノもまさか、パーティーに所属していた事で弱くなっていたなどと気付く事もなかったのだ。
それと同じく、自分がパーティーに所属していた事で仲間を弱いままにしてしまった事にも気付いてしまう。
自由気ままなソロ冒険者生活を楽しむディーノ。
そこに元仲間が会いに来て「戻って来い」?
戻る気などさらさら無いディーノはあっさりと断り、一人自由な生活を……と、思えば何故かブレイブの新人が頼って来た。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる