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703魔道具

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来客は全員来た所で、夜のパーティの準備でそれぞれの部屋に戻る事にした。
俺と浩司は同じ部屋を用意してもらっている。
部屋に戻るとドレーヌ夫人からの小包を開く。
中から出てきたのは、紙の束。
浩司と手分けして読み始めると

「これって、城の遺跡についてまとめた物だよな。」
「そうだね。俺達が入った内部についてまとめてくれているみたいだ。」

浩司と一緒に資料を見ながら、遺跡の中で撮った写真と比べる。
細かい事は分からないが、図と大まかな機能が記載されていた。
周囲に設置されていた色々なパーツの中で、空になっていた場所には

「どうやら、盗まれた部品は魔力を制御する為の魔道具みたいだね。それも何個も。」

同じ機能の魔道具が残っているという事は、呪いをこじ開けて必要な分は手に入れたという事か。
ドレーヌ夫人はこの事を教える為にこの資料をまとめてくれたのだろう。

「盗まれた魔道具の絵は、ジャポの町にあった賢者の遺跡で見つけた魔道具に似ているな。」

浩司に言われ、アイテムボックスから魔道具を取り出すと確かに似ている。
ただ、絵はドレーヌ夫人が模写したものらしく、同じ物か判断はつかなかった。
勇者が持っていた大量の魔力制御を行う為の魔道具。
浩司、グリム、そしてリッチで話し合ってみたが、ナターシャ達の目的は推測出来なかった。

皆で悩んでいると、扉がノックされる。
アイテムボックスに紙を仕舞い、扉を開くと

「未だ用意をしていないのですか。そろそろパーティの時間ですよ。」 

エチゴさんがレムと一緒に迎えに来てくれていた。
カイはアークとして警備についているそうだ。

直ぐに服を着替えて、俺達はパーティに参加した。


パーティの会場は華やかだが、今までと違い空気が重い。
誰もがマクニス王国で争いについて話している。
しばらくして、ブルネリ公爵が入って来ると、部屋の明かりが少し暗くなり
ホールへの入口が開き、サリナ姫とヨハン王子が入場してきた。

俺達は後ろの方にいて見えなかったが、貴族達からざわめきが聞こえてくる。
しばらくすると、サリナ姫とヨハン王子が貴族達の中から姿を現した。

「部屋を暗くしたのは、この為でしたか。」

エチゴさんが感心して2人を眺めていた。
サリナ姫は俺が作った光るドレスを着てくれていた。
2人が会場の中央まで来ると音楽が流れ踊り始めた。
光るドレスの色を変えながら優雅に舞うサリナ姫は本当に美しく、思わず目を奪われてしまう。

音楽が終わると2人に向けて拍手が凄い。そして、ドレスの裾を軽く摘まんでお辞儀をするサリナ姫。
勿論、俺達も力いっぱい拍手を送った。
踊りの後、ブルネリ公爵の挨拶でパーティが始まったが、先ほどの雰囲気は一掃され、いつも通りの楽しい空間になっていた。
サリナ姫、ヨハン王子の周りには終始人が集まり、休む暇は無さそうだった。


ガラとアルが前のスペースで料理を作り提供を行い、忙しそうに貴族と話すサリナ姫を見ながら俺達は美味しい料理を楽しんでいた。
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