異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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702小包

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******(サリナ姫)

「お久しぶりです。サリナ様。」
「ドレーヌ様、お久しぶりです。イルミネーションに顔を出すなんて珍しいですね。」
「そうですね。サリナ様、ヨハン様、剣君と斧ちゃんに連絡が取れないでしょうか。」

私はヨハン王子と顔を合わせてしまった。
どうしたものか考えたけど、拓ちゃんと浩司さんの事は言う訳にはいかない。

「私達の方から連絡を付ける事は出来ません。彼等に何を伝えたいのですか。」

ドレーヌ夫人は小包を取り出した。

「もし、彼等に会う事が有ればこれを渡してください。」
「これは?」
「きっと彼等にとって役に立つ情報です。」
「分かりました。必ず彼等に渡します。」

中身が気になったが、伺うのは躊躇われた。
どうやら、この小包を渡す為にやって来たみたいだ。
確かに表向き剣君、斧ちゃんとの接点は私とヨハン王子しか居ない。
彼等と連絡を取るなら私達以上に適任者は居ないだろう。

ドレーヌ婦人は、私達が剣君、斧ちゃんと連絡が取れると確信しているのだろう。
私に小包を渡せて安心してくれたみたい。
緊張が解けたのが分かる。

その後、暫く城での立てこもりの時の話をしていたが、ドレーヌ夫人はここまでの馬車での移動で疲れているためパーティが始まるまで少し休むことにした。


ドレーヌ夫人から受け取った小包を直ぐに拓ちゃんに渡したのだが

「ちょっと、その包みは1人の時に開けなさいよ。
 ドレーヌ夫人が他の人に知られない様に持って来たんだから。」

拓ちゃんが目の前で包みを開けようとするので止めておく。
正直、中身が気になるけど、ドレーヌ夫人が自ら持って来た物。
自分だけで見た方が良いと思う。
拓ちゃんは素直に従い、包みをアイテムボックスに収納した。

「ところで、怪しい人は居なかった?」
「見ていた分には大丈夫かな。それにしても、護衛の人数が多過ぎませんか。」

やって来た貴族全員が護衛を連れて来ては、屋敷の警備に当てている。

「流石に人数が多過ぎる様で、町の巡回にも当てるらしい。」

ヨギ魔道師が教えてくれるが、拓ちゃんは少し考えてしまう。
大方、ここに来ている護衛だとそれなりの立場の人達になる。
それが、町の巡回に当てられて不満が起きないのだろうか。
と心配しているのだろう。

「不満が出ないか心配か。
 全員がこのイルミネーションの重要性を理解している。
 連れて来れる人数も限られるのなら、最も信頼出来る者を選んでいるはずだ。安心しろ。」

拓ちゃんの顔を見てヨギ魔導士が説明するが、拓ちゃんは何故分かったのかと驚いている。
拓ちゃんって自分がどれだけ分かり易いか自覚が無いのだろうか?


暫くすると、護衛の人達が3人組になってが町の巡回へと出発し始めた。
拓ちゃんはその姿を眺めていたが、何か納得した様で安心していた。
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