異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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今年の冬もブルネリ公爵領でイルミネーションを行う事になり、サリナ姫達も参加する事になっているのだが
俺の魔道具作りに時間が掛かり、ギリギリまで出発を遅らせてもらっていた。

何とか魔道具を作り上げ、ガラに機能を説明し身に付けてもらう。

「時間が無いけど、使いこなして。」
「任せろ。絶対にその期待に応えて見せる。」

一番大変な魔道具作りが終わり、ブルネリ公爵領への移動が始まった。
今回はシュミト公爵も呼ばれていたのだが、開拓地に残る。

「私まで、今この町を離れる訳にはいかないからな。
 サリナ様、本来であれば私も護衛として行きたい所ですが、申し訳ありません。」
「シュミト公爵、後の事は頼みます。」
「はい。サリナ様も気を付けてください。」

馬車はシュミト公爵だけでなく、開拓地に住む全員に見送られ出発した。


周囲を確認しているが特に気になる気配は無い。

「拓ちゃん、ナターシャ達が襲ってくると思うか。」
「どうだろう。もし目的を果たしたのなら襲ってくる可能性は低いと思う。
 と言っても、安心は出来ないけどね。」
「受け側に回るって事は、厳しいな。」

遠回りになる街道を使い、何事も無くブルネリ公爵領へと辿りついた。
町に入る為に長い列ができ、その人達を相手に店まで出ている。

「イルミネーションを始めて何年も経つけど、
 同じ様な事を始めようとする町が出てこないな。」
「拓さん、あれだけの量の魔道具を用意するのは厳しいですよ。」

俺の呟いた言葉に、エチゴさんが答えてくれた。
これだけ人が集まるのなら、良い収入減になると思うが…


門の警備は厳重にされ、いつも以上に厳しくチェックが行われている。
俺達は貴族が使う特別門を使うが、ここでもチェックが行われていた。
それは王族と言えども例外では無く、俺達の馬車も厳しいチェックを受けた。
確認を行ったのはブルネリ公爵の私兵の方で、
俺やヨギ魔道師のアイテムボックスの事を知っているが、そこは何も言わずに通してくれた。

一般向けのイルミネーションの公開まで、未だ一週間は有ると言うのに町の中は、祭り気分で盛り上がっていた。
既にバラン将軍達も来ており、城に籠城したベータ騎士や同じ様に第3騎士団に転属になった第1、第2騎士団の2人も居た。
3人はサリナ姫に礼をし、他のメンバーにも礼をした後、直立不動だが視線だけがせわしなく周囲を探っていた。

「どうかしましたか。何か気になる事でも有りますか。」

サリナ姫が3人に話しかけると

「申し訳ありません。剣君と斧ちゃんが居るのではないかと、周囲を伺っていました。」
「どうして、あの2人が居ると思ったのですか。」
「サリナ様が剣君と斧ちゃんと共に獣人を救ったと聞いていましたので一緒に来られているのかと思いました。」
「そうですか。残念ですが、あの2人は今は居ません。あの2人の分も警護を宜しくお願いします。」
「「「はい」」」

剣君と斧ちゃんの中身はここに居るけどね。
しかし、この世界初のゆるキャラで子供が喜ぶと思って作った存在なんだが、変な方向に広まってしまったな。
それはともかく、サリナ姫の言葉に3人は強く返事を返していた。
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