686 / 759
686導く者
しおりを挟む
無事に山越えをした俺達を待っていたのはサリナ姫からの説教
「無事に帰って来れたから良かったものの、何か有ったらどうするの。
2人がどれだけ凄い力を持っていても、独りで出来る事には限界が有るんでしょ。」
だからと言って、サリナ姫自身がこの場所に来るのは危険だと思ったが
「今、国が混乱していて、動けるのは私達しか居ないでしょ。
それで、拓ちゃんはこの人達をどうするつもりなの。」
正直、サリナ姫達が来てくれて助かったのも事実だ。
ラグテルの町の近くに村を開拓する話をすると、サリナ姫は少し考えた後
「私の名前を使いたいのね。出来る限りの事はするけど、私には政治的力は無いわ。
それでも、やるしか無いのよね。」
対応してくれる事を決心してくれた。
「サリナさん、俺も力になるよ。
この間の内乱で、拓と浩司の成果だが、グランザム王国が恩を売った形になっているからな。
援護は任せてくれ。」
ヨハン王子も手を貸してくれる。
場所さえ手に入れば、資金は俺のアイテムボックスに貯まっている分で何とかなるだろう。
いざとなれば、グランザム王国とギリス教に忍び込んで、資金調達をしても良い。
今まで獣人から搾り取って来た分を返してもらう。
やっと一息つける状態になった。
『拓、気を抜くのは早いぞ。全ては、村の開拓の許可を得てからじゃ。』
『そうにゃ、早く毒を用意して、邪魔になる貴族を倒しておくにゃ。』
俺もヤマトと同じ事を考えてしまったが、そんな事をしたら真っ先にサリナ姫が疑われるだろう。
その辺は、ブルネリ公爵と連携し、邪魔な相手の弱みを探り出して従わせる方向で何とかしたい。
それよりも獣人達を安心させるため、サリナ姫が話をしようと剣君、斧ちゃんと一緒に姿を現すと
獣人達のリーダがその姿を驚きとともに見つめ、膝をつき頭を下げる。そして、他の獣人達もそれに倣って膝を付いて頭を下げた。
サリナ姫は、この行動に驚いたが
「細かい話は後で話します。先ずは皆に声を掛けてください。」
斧ちゃんの姿で横に立った俺が小声で話を促し、獣人達に頭を上げさせ簡単な演説をして馬車に戻る。
先程の獣人達の態度について説明する為、獣人達を説得するのに使った光の導く者を作りだした。
「もしかして、これって私。」
「直轄領の近くで村を開拓するなら、これが一番だと思って。」
「つまり、自分達を導いた者が私だと思って膝をついたって事。」
「もしくは、導いた者がサリナお姉さんに託したと思ってかな。」
大きな溜息を吐くサリナ姫と、笑って誤魔化す俺・・・
「これで獣人の皆さんが私の話を聞いてくれるのなら良いわ。」
「サリナお姉さんなら、受け入れてくれると思ってました。」
調子の良い事を言った俺の頭に、久しぶりの姫チョップが炸裂した。
「無事に帰って来れたから良かったものの、何か有ったらどうするの。
2人がどれだけ凄い力を持っていても、独りで出来る事には限界が有るんでしょ。」
だからと言って、サリナ姫自身がこの場所に来るのは危険だと思ったが
「今、国が混乱していて、動けるのは私達しか居ないでしょ。
それで、拓ちゃんはこの人達をどうするつもりなの。」
正直、サリナ姫達が来てくれて助かったのも事実だ。
ラグテルの町の近くに村を開拓する話をすると、サリナ姫は少し考えた後
「私の名前を使いたいのね。出来る限りの事はするけど、私には政治的力は無いわ。
それでも、やるしか無いのよね。」
対応してくれる事を決心してくれた。
「サリナさん、俺も力になるよ。
この間の内乱で、拓と浩司の成果だが、グランザム王国が恩を売った形になっているからな。
援護は任せてくれ。」
ヨハン王子も手を貸してくれる。
場所さえ手に入れば、資金は俺のアイテムボックスに貯まっている分で何とかなるだろう。
いざとなれば、グランザム王国とギリス教に忍び込んで、資金調達をしても良い。
今まで獣人から搾り取って来た分を返してもらう。
やっと一息つける状態になった。
『拓、気を抜くのは早いぞ。全ては、村の開拓の許可を得てからじゃ。』
『そうにゃ、早く毒を用意して、邪魔になる貴族を倒しておくにゃ。』
俺もヤマトと同じ事を考えてしまったが、そんな事をしたら真っ先にサリナ姫が疑われるだろう。
その辺は、ブルネリ公爵と連携し、邪魔な相手の弱みを探り出して従わせる方向で何とかしたい。
それよりも獣人達を安心させるため、サリナ姫が話をしようと剣君、斧ちゃんと一緒に姿を現すと
獣人達のリーダがその姿を驚きとともに見つめ、膝をつき頭を下げる。そして、他の獣人達もそれに倣って膝を付いて頭を下げた。
サリナ姫は、この行動に驚いたが
「細かい話は後で話します。先ずは皆に声を掛けてください。」
斧ちゃんの姿で横に立った俺が小声で話を促し、獣人達に頭を上げさせ簡単な演説をして馬車に戻る。
先程の獣人達の態度について説明する為、獣人達を説得するのに使った光の導く者を作りだした。
「もしかして、これって私。」
「直轄領の近くで村を開拓するなら、これが一番だと思って。」
「つまり、自分達を導いた者が私だと思って膝をついたって事。」
「もしくは、導いた者がサリナお姉さんに託したと思ってかな。」
大きな溜息を吐くサリナ姫と、笑って誤魔化す俺・・・
「これで獣人の皆さんが私の話を聞いてくれるのなら良いわ。」
「サリナお姉さんなら、受け入れてくれると思ってました。」
調子の良い事を言った俺の頭に、久しぶりの姫チョップが炸裂した。
50
お気に入りに追加
210
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
筋トレ民が魔法だらけの異世界に転移した結果
kuron
ファンタジー
いつもの様にジムでトレーニングに励む主人公。
自身の記録を更新した直後に目の前が真っ白になる、そして気づいた時には異世界転移していた。
魔法の世界で魔力無しチート無し?己の身体(筋肉)を駆使して異世界を生き残れ!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく
霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。
だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。
どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。
でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる