685 / 761
685戦力差
しおりを挟む
「まさか負傷者を切り捨てるとは・・・
怪我人を増やした方が行動を阻害すると思っていたのに。」
『そんな事を言っても始まらんぞ。
拓、浩司、獣人達の元に戻るんじゃ。
儂等の勝利条件は、敵を滅ぼす事では無い。全獣人を守る事じゃ。』
グリムに言われ、俺達はこの場を撤退する事にした。
エアウォークで森を掛け抜け、山の方へと向かったが、山道には列をなす獣人達の姿がある。
体力の無い者に体力の有る者が手を貸しているが、俺達が作った時間だけでは足らなかった。
「拓ちゃん、ドーピング剤なんて持ってないか。」
「持っていたら既に使っているよ。着ぐるみ姿でなければ、キスでやる気が出たと思うけど。」
「それ、俺も思っていた。」
そんな話をしていると、森の中から敵兵がゾロゾロと現れた。
ご丁寧に塊でなく横に広がっている。
「ふざけた格好をしているが、お前達が邪魔してくれたのか。」
先頭に立つ兵士が俺達を見て叫んでいる。
「そのふざけた格好をした者に、兵を半分以下にさせられた気分はどんなものだ。」
「おまけに、同士打ちまでして人数を減らしていたしな。」
俺と浩司は怒りを自分達に向ける様に挑発を行っていたのだが
「お前達の実力は認めよう。
城や神殿を襲ったのもお前達なのだろう。
しかし、たった2人で500匹もの獣人を守りきれるとでも思っているのか。
天罰を与えてやる。いけ。」
半分が俺達に攻撃をしかけ、残り半分の敵兵は、獣人達の方へ向かって行った。
「フレイムアロー」「ロックランス」
俺達が攻撃を仕掛けたが、敵が多くバラけて動くので対処しきれない。
その上直ぐに距離を取って俺を包囲すると、魔法を放って来た。
防御に集中させて、攻撃をさせないつもりか。
それ以外の兵士は獣人達の方へと向かって行く。
「ここは俺が引き受ける。浩司は獣人を頼む。」
俺は、浩司への攻撃もシールドを張って全て防ぎ切る。
浩司が獣人達を守るなら、気配を消して接近戦に持ち込むか。
俺が行動に移そうとした時、
「ウォーターカッター」「ロックランス」
攻撃魔法が放たれ、敵を倒す。
敵兵は背後からの攻撃に対応しようと、魔法を放った者を見ると
「お前等の様な下等生物まで何故・・・」
自分達の目が信じられないといった状態になっていた。
そして、魔法攻撃を行いながら切り込んでくる相手に翻弄され陣形は簡単に崩れた。
「まるで、正義のヒーローだな。」
『隠れて出るタイミングを測っていたんじゃないか。』
本当に、カッコ良過ぎるだろう。
それならば、このままサポートを行いながら敵を殲滅させてやる。
******(浩司)
「フレイムアロー」
敵の人数が多過ぎる。
獣人に攻撃魔法を放とうとする兵士達を見て、もう駄目だと思った時
『エアカッターにゃ』
ヤマトが敵兵を倒した。
『しっかりするにゃ。吾輩も居るにゃ。』
拓ちゃんに任されたんだ。俺がしっかりしないでどうする。
エアウォークで山道を一気に駆け上がり敵兵と対峙する。
「ヤマト、行くぞ。フレイムアロー」
『エアカッターにゃ』
敵を近づけさせない様に量を優先している為、俺では狙いが甘く倒しきれない。
これだけの敵から、皆を守りきる事が出来るか・・・
俺が弱気になった時、敵の魔法攻撃が獣人に向かって放たれた。
畜生、間に合わない。その時
「シールド」「ロックウォール」
攻撃魔法が防がれた。
拓ちゃんは前の方で戦っている。一体誰が。
「こんなタイミングで現れるなんて、ずるいだろ。」
『来るのが遅いにゃ。』
獣人を守ってくれるのなら、敵を確実に倒してやる。
よくも拓ちゃんに攻撃をしてくれたな。
「ファイヤーランス」
天罰だと。貴様等は地獄に堕ちろ。
******
「どうして、こんな所に。」
敵兵を倒した所で
俺と浩司はガラやレオ、エチゴさん、アル、そしてアークのメンバーとの再会を喜んでいた。
「拓と浩司が毒をばら撒き、獣人を連れてグランザム王国を出国したと聞いてな。」
「これでも急いで来たんだぜ。」
「まさか、これだけの人数で山を越えるとは思わなかったからな。」
「でも、間に合って良かったですよ。」
グランザム王国に潜入していたバラン将軍の部下が、俺達の行動を報告していた。
報告と言っても、神殿と城で毒がばら撒かれ、武器が盗まれ、獣人達が国から脱出したとの事実だけだ。
状況を知ったオリバー隊長が、俺達の仕業だと確信したらしい。
年配の方も居るので、山越えをせず平地を選ぶと考えていた為、ギリギリの合流になってしまったそうだ。
サリナ姫達もマクニス王国の領地側に待機してくれている。
クリームは他の道の方へ向かているらしい。
詳しい話は後にし、敵兵200人ほどが負傷して森の中に放置されている事を伝え
後始末を任せて、俺と浩司は剣君、斧ちゃんとして獣人達と山越えを優先させる事にした。
怪我人を増やした方が行動を阻害すると思っていたのに。」
『そんな事を言っても始まらんぞ。
拓、浩司、獣人達の元に戻るんじゃ。
儂等の勝利条件は、敵を滅ぼす事では無い。全獣人を守る事じゃ。』
グリムに言われ、俺達はこの場を撤退する事にした。
エアウォークで森を掛け抜け、山の方へと向かったが、山道には列をなす獣人達の姿がある。
体力の無い者に体力の有る者が手を貸しているが、俺達が作った時間だけでは足らなかった。
「拓ちゃん、ドーピング剤なんて持ってないか。」
「持っていたら既に使っているよ。着ぐるみ姿でなければ、キスでやる気が出たと思うけど。」
「それ、俺も思っていた。」
そんな話をしていると、森の中から敵兵がゾロゾロと現れた。
ご丁寧に塊でなく横に広がっている。
「ふざけた格好をしているが、お前達が邪魔してくれたのか。」
先頭に立つ兵士が俺達を見て叫んでいる。
「そのふざけた格好をした者に、兵を半分以下にさせられた気分はどんなものだ。」
「おまけに、同士打ちまでして人数を減らしていたしな。」
俺と浩司は怒りを自分達に向ける様に挑発を行っていたのだが
「お前達の実力は認めよう。
城や神殿を襲ったのもお前達なのだろう。
しかし、たった2人で500匹もの獣人を守りきれるとでも思っているのか。
天罰を与えてやる。いけ。」
半分が俺達に攻撃をしかけ、残り半分の敵兵は、獣人達の方へ向かって行った。
「フレイムアロー」「ロックランス」
俺達が攻撃を仕掛けたが、敵が多くバラけて動くので対処しきれない。
その上直ぐに距離を取って俺を包囲すると、魔法を放って来た。
防御に集中させて、攻撃をさせないつもりか。
それ以外の兵士は獣人達の方へと向かって行く。
「ここは俺が引き受ける。浩司は獣人を頼む。」
俺は、浩司への攻撃もシールドを張って全て防ぎ切る。
浩司が獣人達を守るなら、気配を消して接近戦に持ち込むか。
俺が行動に移そうとした時、
「ウォーターカッター」「ロックランス」
攻撃魔法が放たれ、敵を倒す。
敵兵は背後からの攻撃に対応しようと、魔法を放った者を見ると
「お前等の様な下等生物まで何故・・・」
自分達の目が信じられないといった状態になっていた。
そして、魔法攻撃を行いながら切り込んでくる相手に翻弄され陣形は簡単に崩れた。
「まるで、正義のヒーローだな。」
『隠れて出るタイミングを測っていたんじゃないか。』
本当に、カッコ良過ぎるだろう。
それならば、このままサポートを行いながら敵を殲滅させてやる。
******(浩司)
「フレイムアロー」
敵の人数が多過ぎる。
獣人に攻撃魔法を放とうとする兵士達を見て、もう駄目だと思った時
『エアカッターにゃ』
ヤマトが敵兵を倒した。
『しっかりするにゃ。吾輩も居るにゃ。』
拓ちゃんに任されたんだ。俺がしっかりしないでどうする。
エアウォークで山道を一気に駆け上がり敵兵と対峙する。
「ヤマト、行くぞ。フレイムアロー」
『エアカッターにゃ』
敵を近づけさせない様に量を優先している為、俺では狙いが甘く倒しきれない。
これだけの敵から、皆を守りきる事が出来るか・・・
俺が弱気になった時、敵の魔法攻撃が獣人に向かって放たれた。
畜生、間に合わない。その時
「シールド」「ロックウォール」
攻撃魔法が防がれた。
拓ちゃんは前の方で戦っている。一体誰が。
「こんなタイミングで現れるなんて、ずるいだろ。」
『来るのが遅いにゃ。』
獣人を守ってくれるのなら、敵を確実に倒してやる。
よくも拓ちゃんに攻撃をしてくれたな。
「ファイヤーランス」
天罰だと。貴様等は地獄に堕ちろ。
******
「どうして、こんな所に。」
敵兵を倒した所で
俺と浩司はガラやレオ、エチゴさん、アル、そしてアークのメンバーとの再会を喜んでいた。
「拓と浩司が毒をばら撒き、獣人を連れてグランザム王国を出国したと聞いてな。」
「これでも急いで来たんだぜ。」
「まさか、これだけの人数で山を越えるとは思わなかったからな。」
「でも、間に合って良かったですよ。」
グランザム王国に潜入していたバラン将軍の部下が、俺達の行動を報告していた。
報告と言っても、神殿と城で毒がばら撒かれ、武器が盗まれ、獣人達が国から脱出したとの事実だけだ。
状況を知ったオリバー隊長が、俺達の仕業だと確信したらしい。
年配の方も居るので、山越えをせず平地を選ぶと考えていた為、ギリギリの合流になってしまったそうだ。
サリナ姫達もマクニス王国の領地側に待機してくれている。
クリームは他の道の方へ向かているらしい。
詳しい話は後にし、敵兵200人ほどが負傷して森の中に放置されている事を伝え
後始末を任せて、俺と浩司は剣君、斧ちゃんとして獣人達と山越えを優先させる事にした。
51
お気に入りに追加
223
あなたにおすすめの小説

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!!
僕は異世界転生してしまう
大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった
仕事とゲームで過労になってしまったようだ
とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた
転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった
住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる
◇
HOTランキング一位獲得!
皆さま本当にありがとうございます!
無事に書籍化となり絶賛発売中です
よかったら手に取っていただけると嬉しいです
これからも日々勉強していきたいと思います
◇
僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました
毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる