684 / 761
684罠
しおりを挟む
******(ジレット王国兵)
細い道を馬に乗って2列になって進んでくる兵士。
城内での毒騒動が治まり、居なくなった獣人達を追っている。
今回は、ジレット王国兵だけでなく、ギリス教の兵士もいる。
神殿に毒を撒いた賊が獣人を先導していると考えての行動だった。
彼等はしきりに、「天罰」という言葉を使い、
先導している賊を殺し、獣人達は全員生け捕りにし神へ捧げると言う。
神に捧げるという意味が分からないが、
我々は国王より、ギリス教の考えに従うよう命令を受けている。
獣人が500匹に兵400人は過剰戦力だと思うが、完全に叩き潰してやろう。
「隊長、前方に木が倒されています。」
獣人如きが小癪な事を。
我々が隊を止めると、フレイムアローが降り注ぐ。
「森の中を進む。所詮悪あがきだ。」
我々が森の中へ踏み入れた途端、「うわー」「うぇ」
丁度兵士の体の位置に細い紐が張られていて、兵士が馬から落されていく。
「散開。道から距離を取って進め。」
姑息な手を使ってくる。
こちらは馬を使っている。多少遠回りをしても獣人に追いつくのは簡単だ。
「隊長、落とし穴が」
仕掛けられた落とし穴の底には尖った岩が突きだしており落ちた馬や兵は深い傷を負わされた。
「全軍止まれ。ここから先は紐を切りながら進むぞ」
スピードが落ちるが、仕方が無い。
既に、50人以上の兵が怪我を負ってしまった。
しかし、紐を切りながら進んでいたのだが、「うわっ」またしても足元に落とし穴が仕掛けられていた。
一度、道に戻ると、今度は空から岩が降ってきた。
「全員、馬から降り森の中に入れ。」
「何が有った。敵は獣人か。」
「分かりません。突然、切りつけられ敵を確認する事も出来ませんでした。」
治癒魔法を使い怪我を治すが傷は深くこれ以上怪我人が出れば魔力も底をついてしまう。
我々は周囲を警戒しながら、森の中を10人程のグループに分かれて進む事にした。
それでも、至る所から槍が飛んで来て兵士達が傷付く。
10人のグループが、次第に大きくなり今では50人程の集まりになっていた。
すると突然、1つのグループを取り囲むように火の手が上がる。
直ぐに水魔法を使おうとしたが、槍が兵士を襲う。
未だ火の手が回っていない場所があり、1人の兵がそこへ走りだすと
他の兵も釣られて走りだしたのだが、またしても落とし穴が・・・
ポーションも薬も使い果たし、治癒魔法を使える者は魔力が枯渇した。
******
『にゃんで、敵を殺さないのにゃ。』
「人数が多い上に、俺も浩司もかなり疲れているからね。
雨が降った後で火攻めも出来ないなら、精神的に追い込もうと思って。」
敵を囲った火も、俺がアイテムボックスにしまっていた木に浩司が火を付けた。
周囲の木は濡れていて、流石に燃やすのは厳しい状態だ。
「そろそろ、小細工は止めて叩きのめすよ。」
俺はエアウォークで空へと駆け上がり気配を消して50人程の集団の中に飛び込むと
闇魔法で煙幕を張り、手当たり次第に敵兵を切りつけいった。
暗闇の中、同士打ちが始まり、中には魔法を放つ兵士まで居た。
他の集団には、ヤマトが気配を消した浩司のフレイムアローが兵士を襲う。
兵士の中には事前にフレイムアローの気配を察知した者も居たが
周囲の兵に動きを阻まれ、逃げる事は出来なかった。
「一か所に固まるな。数人でグループを作って散開しろ。」
残り2つの集団を襲う前に兵士達がバラけてしまい、倒せたのは半分。
それでも、怪我を負った兵士が足枷になり、進軍を諦めると思っていたのだが
「負傷した兵は捨てて先に進め。今こそ我々の信仰を見せる時だ。」
俺には理解出来ない信者の言葉で、仲間を見捨てて獣人討伐を優先した。
浩司がその狂信者にライトニングを放って倒したが、進行は止まらない。
細い道を馬に乗って2列になって進んでくる兵士。
城内での毒騒動が治まり、居なくなった獣人達を追っている。
今回は、ジレット王国兵だけでなく、ギリス教の兵士もいる。
神殿に毒を撒いた賊が獣人を先導していると考えての行動だった。
彼等はしきりに、「天罰」という言葉を使い、
先導している賊を殺し、獣人達は全員生け捕りにし神へ捧げると言う。
神に捧げるという意味が分からないが、
我々は国王より、ギリス教の考えに従うよう命令を受けている。
獣人が500匹に兵400人は過剰戦力だと思うが、完全に叩き潰してやろう。
「隊長、前方に木が倒されています。」
獣人如きが小癪な事を。
我々が隊を止めると、フレイムアローが降り注ぐ。
「森の中を進む。所詮悪あがきだ。」
我々が森の中へ踏み入れた途端、「うわー」「うぇ」
丁度兵士の体の位置に細い紐が張られていて、兵士が馬から落されていく。
「散開。道から距離を取って進め。」
姑息な手を使ってくる。
こちらは馬を使っている。多少遠回りをしても獣人に追いつくのは簡単だ。
「隊長、落とし穴が」
仕掛けられた落とし穴の底には尖った岩が突きだしており落ちた馬や兵は深い傷を負わされた。
「全軍止まれ。ここから先は紐を切りながら進むぞ」
スピードが落ちるが、仕方が無い。
既に、50人以上の兵が怪我を負ってしまった。
しかし、紐を切りながら進んでいたのだが、「うわっ」またしても足元に落とし穴が仕掛けられていた。
一度、道に戻ると、今度は空から岩が降ってきた。
「全員、馬から降り森の中に入れ。」
「何が有った。敵は獣人か。」
「分かりません。突然、切りつけられ敵を確認する事も出来ませんでした。」
治癒魔法を使い怪我を治すが傷は深くこれ以上怪我人が出れば魔力も底をついてしまう。
我々は周囲を警戒しながら、森の中を10人程のグループに分かれて進む事にした。
それでも、至る所から槍が飛んで来て兵士達が傷付く。
10人のグループが、次第に大きくなり今では50人程の集まりになっていた。
すると突然、1つのグループを取り囲むように火の手が上がる。
直ぐに水魔法を使おうとしたが、槍が兵士を襲う。
未だ火の手が回っていない場所があり、1人の兵がそこへ走りだすと
他の兵も釣られて走りだしたのだが、またしても落とし穴が・・・
ポーションも薬も使い果たし、治癒魔法を使える者は魔力が枯渇した。
******
『にゃんで、敵を殺さないのにゃ。』
「人数が多い上に、俺も浩司もかなり疲れているからね。
雨が降った後で火攻めも出来ないなら、精神的に追い込もうと思って。」
敵を囲った火も、俺がアイテムボックスにしまっていた木に浩司が火を付けた。
周囲の木は濡れていて、流石に燃やすのは厳しい状態だ。
「そろそろ、小細工は止めて叩きのめすよ。」
俺はエアウォークで空へと駆け上がり気配を消して50人程の集団の中に飛び込むと
闇魔法で煙幕を張り、手当たり次第に敵兵を切りつけいった。
暗闇の中、同士打ちが始まり、中には魔法を放つ兵士まで居た。
他の集団には、ヤマトが気配を消した浩司のフレイムアローが兵士を襲う。
兵士の中には事前にフレイムアローの気配を察知した者も居たが
周囲の兵に動きを阻まれ、逃げる事は出来なかった。
「一か所に固まるな。数人でグループを作って散開しろ。」
残り2つの集団を襲う前に兵士達がバラけてしまい、倒せたのは半分。
それでも、怪我を負った兵士が足枷になり、進軍を諦めると思っていたのだが
「負傷した兵は捨てて先に進め。今こそ我々の信仰を見せる時だ。」
俺には理解出来ない信者の言葉で、仲間を見捨てて獣人討伐を優先した。
浩司がその狂信者にライトニングを放って倒したが、進行は止まらない。
50
お気に入りに追加
215
あなたにおすすめの小説
転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!
nineyu
ファンタジー
男は絶望していた。
使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。
しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!
リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、
そんな不幸な男の転機はそこから20年。
累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる