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674城の位置が交わる場所

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馬車で行けるのは途中まで。その先は、森の中を歩いて移動する事になる。
毎晩、ポトリ教授が星から現在の位置を割り出し、進む方向の調整を行ってくれた。

「ポトリ教授。ここが本当に目的地なのですか。」

昔に探索を行った名残だろうか。森の中で、そこだけ生えている木が若い。
しかし、森の中だ。まるで遺跡の有った形跡など無い。

「場所は合っています。それに何も無い事は報告書に書かれている通りですね。
 ですが、私達の目的は地上ではなく地下です。それも普通の魔力では見つけられない深い場所。
 拓殿、期待していますよ。」

ポトリ教授に言われ、早速、土魔法で地下を探索してみる。
ポトリ教授の指示される場所場所で地下深くまで探ってみるが、何も見つける事は出来なかった。

ポトリ教授は天体から何度も位置を割り出し直し
俺は範囲を広げて地下を調べ
そして他のメンバーは地上の探索を行った。

もう何日も調べ続けているが、何も発見できなかった。
俺と浩司は、エアウォークで森の中でも最も高い木に登り上から周囲を眺めている。
どれだけ目を凝らしても、見えるのは緑の絨毯。
エアウォークで更に高みから眺めても、緑の絨毯
遠くに湖や山が有るが、流石にここからは離れ過ぎている。

「やはり、場所が違うのか。城の塔は、天地見聞録に出てくる柱とは別物なのか。」

『拓。そう決めつける前に、ジレット王国の城には柱は存在しないと考えてはどうじゃ。』

4大王国 マクニス、グランザム、アスラーンそしてジレット王国の成立はほぼ同時期。
天地見聞録に出てくる柱の遺跡を元に城を建築したという考えは間違いなのだろうか。
しかし、3つの城にしか柱は存在しない。
だとすると、ジレット王国に何か有ると考える方が自然だ。

「浩司、ジレット王国に行ってみようと思う。何か発見できるかも知れない。」
「当然、俺も一緒に行くぞ。皆はどうする。」
「ジレット王国は人間至上主義のギリス教の聖地が有るから獣人差別が酷いだろ。
 それに、マクニス王国に戦争を仕掛けようともしたし。
 皆で行く訳にはいかないだろうな。」


その日の夜、皆に2人でジレット王国に行く話をすると、全員から反対された。
それでも、ナターシャ達を止める為には調べるしかない。

「大丈夫、無茶はしないし、何か有っても浩司の2人なら直ぐに逃げられる。
 それに、ナターシャ達を追うなら柱の事を放置するわけにはいかない。」

他に良い手段は無く、皆は渋々と同意してくれた。
空を飛んで行けば、時間はそれほど掛からない。
ブルネリ公爵領でのイルミネーションを皆で見ようと約束し、
一度ラグテルの町に戻ると、俺と浩司そしてグリムとヤマトはハングライダーでジレット王国へと飛び立った。
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