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666転属

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「ドレーヌ夫人、シュミト公爵、剣君に斧ちゃん、そして兵士の方も。」

サリナ姫、ヨハン王子達と合流した俺達は再会の挨拶をし、直ぐに状況を教えて貰ったのだが
未だ城の中に入れず、入口で乱戦状態が続いているらしい。
逆賊達がハイオーガに変わり城への侵入を阻まれている。
驚いたのは、国王の兄が出て来て王座を渡せと言った事だ。
この国、本当に大丈夫なのか心配になる。
俺達が外の状態を聞いていると

「これはドレーヌ様。無事に脱出できて何よりです。
 お前達は、何時までそんなのを被っているんだ。いい加減にしろ。」

城の中で偉そうにシャシャリ出てきた貴族のやってきた。
そして、俺の被り物に手を掛けようとするので、浩司が風魔法で吹っ飛ばした。

「きっ貴様。貴族であるこの私に魔法を放つとは。」

この貴族の護衛らしき兵士が俺達に向けて剣を構える。
こいつ等を土に埋めてしまおうと考えた俺の前に、ベータさんや籠城していた兵士が立ち塞がる。

「ドレーヌ様を助けた2人に剣を向けるとはどういうつもりだ。
 ましてや、サリナ姫、ヨハン王子の御前にも関わらず。剣を収めろ。」

ベータさん達の気迫に兵士達は、剣を鞘にしまった。
そこに片腕を失ったバラキエ侯爵が未だに怒りが収まらない貴族に話しかける。

「落ち着きください。この様な着ぐるみ、本気になる程の相手では無いでしょう。」

流石に自分達を守るために片腕を失ったバラキエ侯爵の言葉を無下にすることは出来ず、貴族は渋々と怒りを抑え込んだ。

「それにしても、彼等はサリナ姫に忠誠を誓っているみたいです。
 ならば、所属を第三騎士団にしてあげては如何ですか。
 バラン将軍の元なら、より護衛に力が入る事でしょう。」

「栄誉ある第一騎士団から第三騎士団への転属か。
 面白い、お前の忠誠に免じて今の事は無かった事にし
 更に、私がお前達の忠誠心を尊重して第三騎士団へ転属させてやろう。」

バラキエ侯爵の考えが気に入ったのか貴族はニヤリと笑い、サリナ姫に頭を下げバラキエ侯爵に連れられ何処かへと去った。
俺には分からないが第一騎士団から第三騎士団への移動は降格となるみたいだ。
サリナ姫が兵士達に声を掛けようとするが、

「「「サリナ様。護衛を出来る事を光栄に思います。」」」

先に兵士達に頭を下げられてしまった。

「成程、そういう事か。」

シュミト公爵が今の流れを見て、1人で何か納得したみたいだ。
俺達は、その場を離れて着ぐるみを脱ぐと、OZ、アーク、クリームに合流した。

「2人共、無事で良かった。」

ガラに髪をクシャクシャにされる。
再び、バラン将軍達の援護に向かおうとするとガラに引き留められ

「少しは休め。バラン将軍達なら大丈夫だ。
 兵士はバラン将軍の指示で問題無く戦えている。
 ハイオーガは強いが、バラバラに戦っているなら問題ない。
 食事をしながら、中での話しを教えて貰えないか。」

サリナ姫、ヨハン王子が戻ってきた所で、俺達の籠城生活、広間での粉塵爆発や塔の制御室、そしてパーツが盗まれた痕跡があり、塔の内部の空間が円柱では無く四角だった事を簡単に説明した。
爆発の原因については敵が何かしたと話しておいたが・・・

「ナターシャ達が襲ったのは、この城が勇者の遺産を示す柱だからか。
 もしかして、塔の上の方に浮かんでいる球体が遺産じゃないのか。」

アルが興奮するが、それは違うと思う。
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