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663混乱
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『しかし、こんな奴までハイオークになる短剣を持っているとは。
やはり全員、短剣を持っていると考えておいた方が良いじゃろう。』
身ぐるみを剥いだ時、ハイオークになる短剣もアイテムボックスに収納された。
敵全員がハイオークになってしまったら、バラン将軍でも手に負えないかもしれない。
とにかく、ここを抜けだすのが先決だ。
「剣君、シュミト公爵を頼む。」
「任せろ。」
敵がやってきたので、浩司はシュミト公爵、俺はドレーヌ夫人とべータさんを掴んでエアウォークで2階の通路に飛び移る。
ドレーヌ夫人とベータは驚いていたが、声は出さずに静かにしてくれていた。
塔から少しは離れたが、エアウォークを使うのはかなり厳しい。
国王と逃げた道は敵に塞がれていたので、そのまま2階の廊下を進もうとしたが
「剣君、斧ちゃん、この先は広間で敵が集まっている可能性が高い。」
周囲を探索魔法で調べてみたが、この城、デカイ癖に逃げ道が有りそうで無い。
とりあえず、気配を消したまま広間を見ると、4,50人程の人。
ここが作戦本部なのか、敵の半分近くが集まっていた。
『拓、劇薬を放り込んでやるにゃ。全員地獄行きにゃ。』
バラン将軍達が攻め込んでこの部屋まで来る可能性を考えると毒を巻くのは得策ではない。
水晶の玉に溜めておいた濁った気も使い切ってしまった。
しかし、ここで騒ぎが起きれば脱出ルートを使って逃げられるかもしれない。
「どうする。俺がデカイのを一発放つか。」
「未だ完全に魔法を使える状態じゃないからな。俺達の居る場所がバレるだけだよ。相手が短剣を持っていると考えると危険だな。」
『部屋全体を霧か何かで見えなくするのはどうにゃ。』
確かに、そうなれば敵を混乱させる事はできるか。
「ドレーヌ夫人、シュミト公爵、べータさん。3人が使える魔法を教えてください。」
ドレーヌ夫人、シュミト公爵は風魔法。べータさんは土魔法が使えるらしい。
3人に俺の考えを伝えると
「面白い考えね。これでも魔力は有る方なのよ。任せて。」
「任せて貰おう、絶対に成功させてみせる。」
「分かりました。全力を尽くします。」
3人は同意してくれた。
******(逆賊)
突然、部屋に白い粉が撒かれた。
「何も見えないぞ、どうなっている。」
「小麦粉です。大量の小麦粉で部屋に舞っています。」
「敵が風魔法で小麦粉をばら撒いているんだ。」
「敵の奇襲だ。」
何処で魔法を使っているのかも分からず、
敵と言っても、目の前が真っ白で敵か味方かの区別もつかない。
「ギャ~」「イテ~」
との声と共に、
「敵が攻撃を仕掛けて来たぞ。」
との声が上がり、広間で混乱が起きた。
******
ドレーヌ夫人、シュミト公爵が部屋一面に風を起こして小麦粉を舞わし、べータさんが適当に石礫を放っている。
3人は強い魔法は使わず、俺とヤマトが闇魔法で隠しているので、この状態なら場所がばれる事は無いだろう。
『良い状態じゃな。ここまで混乱しているのなら、浩司が魔法を放っても何とかなるじゃろう。』
「なら、俺もやるか。いくぞファイヤーランス。」
大量の火の槍を下の階に向かって投げた時
『拓、シールドを張るんじゃ。急げ。』
グリムに言われて反射的にシールドを張ると同時に、部屋で大爆発が起きた。
やはり全員、短剣を持っていると考えておいた方が良いじゃろう。』
身ぐるみを剥いだ時、ハイオークになる短剣もアイテムボックスに収納された。
敵全員がハイオークになってしまったら、バラン将軍でも手に負えないかもしれない。
とにかく、ここを抜けだすのが先決だ。
「剣君、シュミト公爵を頼む。」
「任せろ。」
敵がやってきたので、浩司はシュミト公爵、俺はドレーヌ夫人とべータさんを掴んでエアウォークで2階の通路に飛び移る。
ドレーヌ夫人とベータは驚いていたが、声は出さずに静かにしてくれていた。
塔から少しは離れたが、エアウォークを使うのはかなり厳しい。
国王と逃げた道は敵に塞がれていたので、そのまま2階の廊下を進もうとしたが
「剣君、斧ちゃん、この先は広間で敵が集まっている可能性が高い。」
周囲を探索魔法で調べてみたが、この城、デカイ癖に逃げ道が有りそうで無い。
とりあえず、気配を消したまま広間を見ると、4,50人程の人。
ここが作戦本部なのか、敵の半分近くが集まっていた。
『拓、劇薬を放り込んでやるにゃ。全員地獄行きにゃ。』
バラン将軍達が攻め込んでこの部屋まで来る可能性を考えると毒を巻くのは得策ではない。
水晶の玉に溜めておいた濁った気も使い切ってしまった。
しかし、ここで騒ぎが起きれば脱出ルートを使って逃げられるかもしれない。
「どうする。俺がデカイのを一発放つか。」
「未だ完全に魔法を使える状態じゃないからな。俺達の居る場所がバレるだけだよ。相手が短剣を持っていると考えると危険だな。」
『部屋全体を霧か何かで見えなくするのはどうにゃ。』
確かに、そうなれば敵を混乱させる事はできるか。
「ドレーヌ夫人、シュミト公爵、べータさん。3人が使える魔法を教えてください。」
ドレーヌ夫人、シュミト公爵は風魔法。べータさんは土魔法が使えるらしい。
3人に俺の考えを伝えると
「面白い考えね。これでも魔力は有る方なのよ。任せて。」
「任せて貰おう、絶対に成功させてみせる。」
「分かりました。全力を尽くします。」
3人は同意してくれた。
******(逆賊)
突然、部屋に白い粉が撒かれた。
「何も見えないぞ、どうなっている。」
「小麦粉です。大量の小麦粉で部屋に舞っています。」
「敵が風魔法で小麦粉をばら撒いているんだ。」
「敵の奇襲だ。」
何処で魔法を使っているのかも分からず、
敵と言っても、目の前が真っ白で敵か味方かの区別もつかない。
「ギャ~」「イテ~」
との声と共に、
「敵が攻撃を仕掛けて来たぞ。」
との声が上がり、広間で混乱が起きた。
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ドレーヌ夫人、シュミト公爵が部屋一面に風を起こして小麦粉を舞わし、べータさんが適当に石礫を放っている。
3人は強い魔法は使わず、俺とヤマトが闇魔法で隠しているので、この状態なら場所がばれる事は無いだろう。
『良い状態じゃな。ここまで混乱しているのなら、浩司が魔法を放っても何とかなるじゃろう。』
「なら、俺もやるか。いくぞファイヤーランス。」
大量の火の槍を下の階に向かって投げた時
『拓、シールドを張るんじゃ。急げ。』
グリムに言われて反射的にシールドを張ると同時に、部屋で大爆発が起きた。
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