異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
659 / 759

659地下通路

しおりを挟む
魔力が吸収される中、浩司が力づくで放ったライトニングの音と魔力に惹かれ、追手が集まって来る。

「国王だ、籠城していた奴等が逃げ出したぞ。」

良い感じに敵が注目してくれている。
そして、シュミト公爵とバラキエ侯爵のお陰で、後ろからの攻撃は抑えられている。

「こっちだ。」

バラン将軍が先頭に立ち地下道を目指した。
しかし、貴族達が邪魔だ。
戦う事もせず、兵士達を盾にして文句ばかり言っている。
こいつ等をここに置いて行けば、敵が後始末をしてくれるのではないかと何度考えてしまった事か・・・

地下道に入ると俺は毒を投げつけ追撃を振り切り、王族の後を付いて行く。
地下道は完全に迷路だ。それも立体的に出来ていて、もう道が全く分からない。
驚いたのは、サリナ姫ですらこの地下道を覚えていると言う事だ。
伊達に姫をやっている訳ではないみたいだ。
そんな事を考えていると、通路は行き止まり。
どうするのかと見ていると、国王が壁を触れ壁が開き始めた。

「王族の血を引く者のだけが、この扉を開ける事が出来る。」

そう言って出た所は、何処かの地下室。
直ぐにバラン将軍が階段を駆け上がり、安全を確認した所で俺達も地上に出た。
そこは、貴族街の外れに在る屋敷だった。

兵士達が屋敷の周囲を確認し、無事に城の周囲を囲んでいた騎士団に合流できた。

「国王陛下、良くぞ御無事で。」
「戦況はどうなっている。」
「入口をハイオークが守っていますが、国王が脱出できたのでしたら一気に攻め込みます。」

王族も脱出し、バラン将軍が加わるなら問題ないだろう。
バラキエ侯爵は、無事に脱出したところで倒れ、そのまま治療室へと連れていかれた。


サリナ姫との再会を喜ぶヨハン王子にペンダントを返した所で、もう一働きだ。
この騒動の中なら姿を消せば、再び城に忍び込むのは可能だろう。
OZの皆は、剣君と斧ちゃんの着ぐるみの俺達を見て近付いて来ないが、無事に戻ってきて安心しているのが分かる。
心配かけて申し訳ないが、もう少しだけ勝手をさせてもらう。
ドレーヌ夫人と兵士が心配で直ぐに駆け付けたい所だが、先に瓦礫をアイテムボックスに収納する。
作業をしている俺達に、シュミト公爵が話しかけて来た。

「剣君、斧ちゃん、戻るつもりか。
 それなら、俺を連れて行ってくれ。それなりに腕は立つ。邪魔になるなら、捨てて貰って構わん。」

服の所々が血で赤黒くなっているが、既に治療を受け終わっていた。

「何故、シュミト公爵は危険な場所に戻るのですか。」
「ドレーヌ様は俺の初恋の方だからだ。それに、あの人を守ると誓ったからな。」
「連れて行こう。シュミト公爵の腕は確かだ。」

浩司にも言われ、俺達3人と

『こうにゃると思ってたにゃ。また吾輩が浩司の姿を消してやるにゃ。』

姿を消している1匹で城に忍び込む事にした。

地下道を脱出するのに時間も掛かっている。
ドレーヌ夫人と兵士が無事でいてくれることを祈るしかなかった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

筋トレ民が魔法だらけの異世界に転移した結果

kuron
ファンタジー
いつもの様にジムでトレーニングに励む主人公。 自身の記録を更新した直後に目の前が真っ白になる、そして気づいた時には異世界転移していた。 魔法の世界で魔力無しチート無し?己の身体(筋肉)を駆使して異世界を生き残れ!

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...