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653潜入
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「俺も中の状況を調べてくる。」
「拓ちゃん、俺も行く。ヤマト、俺の気配を消してくれ。」
『任せるにゃ。』
走りだそうとする俺と浩司をブルネリ公爵が捕まえ地面に城の中の地図を提示してくれた。
逃げだす事が出来ない場合は、城の中央に在る塔での籠城となる。
他にも、魔法対策が施されていた。
今の状態だと中央の塔の近くでは魔法を使おうとすると魔力が塔に吸収されてしまうらしい。
「魔法が使えないとなると、籠城しているとなると厳しいな。」
「もしかしたら2人なら力技で何とかなるかも知れないが、離れた所への魔法は使えないと思っておいた方が良い。」
とりあえず強化魔法とアイテムボックスが使えるのなら何とかなるだろう。
「では、行ってきます。」
俺と浩司が城に向かって走り出そうと
「拓、浩司。俺も連れて行ってくれ。」
ヨハン王子が俺達を呼び止める。気持ちは分かるが
「申し訳ありませんが、ヨハン王子を連れていく訳にはいきません。」
「足手まといか。」
「はい」
申し訳ないが、ハッキリを答えさせてもらった。
「これを持って行ってくれ。俺にはこんな事しか出来ないが、サリナさんを頼む。」
ヨハン王子から渡されたのは、グランザムの王家の紋章が入ったペンダント。
これから国王と会う可能性を考えると助かる。
「ありがとうございます。では、行ってきます。」
俺達は気配を消して城内に忍び込んだ。
******(サリナ姫)
一体、どうなっているの。
警備兵に連れられ逃げ出そうとするけど、逃げ道の全てに敵が居る。
それも王族しか知らない抜け道にまでも・・・
「中央の塔に向かいます。付いて来てください。」
護衛に従い塔へと向かう。こうなっては籠城し時間を稼いで、助けを待つしかない。
逃げる間、城に居た貴族も合流する。その中にはバラキエ公爵まで・・・
既に、追手と戦い警備の兵士が怪我をしている。中には大怪我をしている兵士も。
この状態では、籠城も難しい。せめて敵を足止めする何かをしないと。
塔へ向かう扉を開け階段が続いているけど、これ以上進むと魔法が使う事が出来なくなる。
「水魔法を使える人は、水球を出して。」
それなら、ここで少しでも私に出来る事をした方が良い。
「サリナ様は何をしているのです。こんな所で時間を無駄に出来ません。」
私の言葉に耳も傾けた事も無い貴族達が、我先に階段を駆け上がっていく。
それでも水魔法を使える兵士達が水球を生み出してくれたので、ウェストポーチから薬を取り出して水球に混ぜる。
「水が固まったのか。」
水球の変化に兵士が驚く。
拓ちゃんが用意してくれたポーチを身に着けておいて良かった。
こんな形で水を固める薬を使う事になるなんて思わなかったけど。
「これで、入口を塞ぎます。」
直ぐに次の水球が作られ、入口を厚い水の塊で塞ぐ事が出来た。
巨大な水の塊は、剣でついても刺さりはするが、直ぐにくっつき元に戻ってしまう。
これで少しは時間稼ぎが出来る。
手伝ってくれた兵士と共に、塔の上へと登り続けた。
「拓ちゃん、俺も行く。ヤマト、俺の気配を消してくれ。」
『任せるにゃ。』
走りだそうとする俺と浩司をブルネリ公爵が捕まえ地面に城の中の地図を提示してくれた。
逃げだす事が出来ない場合は、城の中央に在る塔での籠城となる。
他にも、魔法対策が施されていた。
今の状態だと中央の塔の近くでは魔法を使おうとすると魔力が塔に吸収されてしまうらしい。
「魔法が使えないとなると、籠城しているとなると厳しいな。」
「もしかしたら2人なら力技で何とかなるかも知れないが、離れた所への魔法は使えないと思っておいた方が良い。」
とりあえず強化魔法とアイテムボックスが使えるのなら何とかなるだろう。
「では、行ってきます。」
俺と浩司が城に向かって走り出そうと
「拓、浩司。俺も連れて行ってくれ。」
ヨハン王子が俺達を呼び止める。気持ちは分かるが
「申し訳ありませんが、ヨハン王子を連れていく訳にはいきません。」
「足手まといか。」
「はい」
申し訳ないが、ハッキリを答えさせてもらった。
「これを持って行ってくれ。俺にはこんな事しか出来ないが、サリナさんを頼む。」
ヨハン王子から渡されたのは、グランザムの王家の紋章が入ったペンダント。
これから国王と会う可能性を考えると助かる。
「ありがとうございます。では、行ってきます。」
俺達は気配を消して城内に忍び込んだ。
******(サリナ姫)
一体、どうなっているの。
警備兵に連れられ逃げ出そうとするけど、逃げ道の全てに敵が居る。
それも王族しか知らない抜け道にまでも・・・
「中央の塔に向かいます。付いて来てください。」
護衛に従い塔へと向かう。こうなっては籠城し時間を稼いで、助けを待つしかない。
逃げる間、城に居た貴族も合流する。その中にはバラキエ公爵まで・・・
既に、追手と戦い警備の兵士が怪我をしている。中には大怪我をしている兵士も。
この状態では、籠城も難しい。せめて敵を足止めする何かをしないと。
塔へ向かう扉を開け階段が続いているけど、これ以上進むと魔法が使う事が出来なくなる。
「水魔法を使える人は、水球を出して。」
それなら、ここで少しでも私に出来る事をした方が良い。
「サリナ様は何をしているのです。こんな所で時間を無駄に出来ません。」
私の言葉に耳も傾けた事も無い貴族達が、我先に階段を駆け上がっていく。
それでも水魔法を使える兵士達が水球を生み出してくれたので、ウェストポーチから薬を取り出して水球に混ぜる。
「水が固まったのか。」
水球の変化に兵士が驚く。
拓ちゃんが用意してくれたポーチを身に着けておいて良かった。
こんな形で水を固める薬を使う事になるなんて思わなかったけど。
「これで、入口を塞ぎます。」
直ぐに次の水球が作られ、入口を厚い水の塊で塞ぐ事が出来た。
巨大な水の塊は、剣でついても刺さりはするが、直ぐにくっつき元に戻ってしまう。
これで少しは時間稼ぎが出来る。
手伝ってくれた兵士と共に、塔の上へと登り続けた。
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