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650誕生日パーティー1

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******(サリナ姫)

「皆、大丈夫かしら。」
「あれだけのメンバーが揃っているなら大丈夫だ。」

ヨハン王子はそう言うが、心配で仕方が無い。
私とヨハン王子、そしてガゼルス将軍、リチャード魔道師、ハンナ騎士はブルネリ公爵の屋敷に居る。
夜中の内に、浩司さんがハングライダーという乗り物を使って運んでくれた。

拓ちゃんが、自分達を囮にして敵を誘き寄せる為に、バラン将軍が遺跡探索の許可を取り付け、ガラさん達がギルド内に遺跡探索を行う話をそれとなく流した。
それなら、王族で有る私が囮になるのが最も良いと思っていたが

「相手がサリナお姉さんが居ると思えば良いだけで、実際に居る必要は無いですよ。
 むしろ、騙されたと精神的にも叩き潰した方が面白いですから。」

と拓ちゃんは言っていたが、自分達がその場に居れば足手まといになる事は分かっていた。
皆がブルネリ公爵邸に戻って来た時

「皆、大丈夫?」

心配で、声を掛けたのだが

「空振りだったよ。残念ながら破壊された遺跡見学で終わってしまいました。」

私達の心配を他所に何時も通りの拓ちゃんと、元気そうな他のメンバー。
今まで心配で堪らなかった分、体の力が抜けてしまった。


これからの行動をどうするか考えていると、私とバラン将軍に手紙が届けられバラン将軍から内容を皆に伝える。

「今度、第一王子の誕生日のパーティを開く連絡が入った。
 王子、王女は全員戻る様にとの通達だ。」

貴族達はジレット王国の戦争も回避され、4本指も手出しが出来ないと考えているのだろう。
次は、国民に安全だと示すためにも、第一王子の誕生日パーティを盛大に開く。

「4本指の攻撃で騎士団にあれだけのダメージを与えられたと言うのに、楽観的だな。」

と拓ちゃんが呆れているが、姫として参加するしかない。

「サリナ姫とヨハン王子をマクニス王国まで護衛し、
 パーティが終わるまで騎士団の寄宿舎に留まるという事で良いでしょうか。」

ガラが今後の護衛についてバラン将軍に確認し、同意を得ていた。
パーティは7日間。
拓ちゃんは、そんな長い間 何をするのかと疑問に思っていたので、
貴族や力の有る商人が1人1人王子に挨拶を行うのに5日、
そして最後の2日間に舞踏会が開かれると教えてあげると、驚いていた。

「それなら、サリナお姉さんは最後の舞踏会だけの参加になるの。」

と聞いて来るが、残念ながら貴族の挨拶の時にも同席しなければならない。
ヨハン王子は、最後の舞踏会だけだが出席をしてくれる。

「ヨハンさんは、王子なのにマクニス王国にずっといて大丈夫なんですか。」
「流石に、大事な儀式の時には帰るさ。
 だが、今は婚約者が大変な時だと言って断っている。
 我がグランザム王国としても、マクニス王国と親交を深めたいと考えているので問題ない。」

拓ちゃんの質問に答えるヨハン王子の言葉。照れてしまうけど、凄くうれしい。
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