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644ザッストリッパー
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「準備は終わりました。時間との勝負です。
静かに素早く確実にお願いします。」
俺の小さな掛け声に、ジレット王国兵を襲撃した。
ジレット王国の野営をしている兵士達は、見張りを含め全員眠っていた。
手分けをして武器や鎧を回収し、家で使っていたミスリル製の拡張ボックスに放り込む。
俺とヨギ魔道師は食料やテント等のかさばる物からアイテムボックスに収納していく。
更に、俺の必殺技
「ザッストリッパー」
着ている服だけをアイテムボックスに収納し相手を裸にする。
アイテムボックスに収納するには、収納する物を闇の魔力で覆い白磁鉱石が内包する空間へ移動させる。
毎晩、浩司相手に訓練を続けて出来る様になった新技だ。グリムには
『欲望が成せる業じゃな。拓は変態じゃが、平和な考えの持ち主で良かった。』
と言われて笑われたが、人生何が役に立つかは分からないものだ。
残念ながら、服を着た状態で下着だけの収納は出来なかった。
服の下や閉じた箱の中だけを収納するのは不可能なのかも知れない。
俺は、陣の中心に居る地位の高い人間から裸にしていく。
無駄に高級な装備の人が多い。
裸にしても楽しむ時間も無く、機械的に行う。
半分以上裸にした頃には、他の兵士達の武器や防具の回収が終わっていた。
「退却する。静かに森へ移動するぞ。」
バラン将軍の指示で森へと移動すると、バルクさんとゴルゴに夜中の案内を頼み俺は最後の仕上げだ。
エアウォークで空へ駆け上がると、倒れている兵士に液体を掛け森の中に身を隠した。
******(ジレット王国兵士)
いつの間にか寝てしまったみたいだ。
何かがおかしい。自分の状態を見ると武器も防具も無い。
見晴らしが良いと思うと、テントも荷物も何も無い。
どなり声が聞え、そちらを見ると裸の将軍や貴族達の姿があった。
一体どうなっているんだ。俺達は眠らさせ全ての荷物を奪われたと言うのか。
しかし、この臭いは何だ。
「獣寄せの実の汁だ。俺達、獣寄せの実の汁が掛けられてるぞ。」
「どうなっているんだよ。俺は死にたくない。」
「川だ、川に浸かって臭いを落すんだ。」
叫びが聞え、1人が走りだすと、全員が我先に川に向かって逃げ出した。
こんな所で、武器も防具も無い状態で魔獣に襲われたらどうしようもない。
裸の将軍や貴族が叫んでいるが知った事では無い。俺も皆と一緒に川に向かって走り出した。
こんな所で、死んでたまるか。
******
叫んだ兵士達はバラン将軍の部下だ。
眠った兵士達の中に混じって逃げ出す様に誘導してもらった。
敵兵が走り出した所で、俺が姿を消して仲間の兵士3人連れ出す。
「もっと、俺にしっかり抱き付いてください。」
逞しい裸の兵士に抱き付いてもらう。
服を着ていると、どこかで不自然さが有ると危険と言うことで裸になってもらっている。決して俺の趣味ではない。
両側に2人と背中に1人。
俺は両側の兵士の腰に手を回して力いっぱい抱きしめる。
ここまでしっかりと抱き付かせる必要はないが、完全密着で姿を隠しエアウォークで皆の元へ脱出・・・
自分で言うのも何だが、抱き付く兵士の尻を撫でない自制心は流石だと思う。
静かに素早く確実にお願いします。」
俺の小さな掛け声に、ジレット王国兵を襲撃した。
ジレット王国の野営をしている兵士達は、見張りを含め全員眠っていた。
手分けをして武器や鎧を回収し、家で使っていたミスリル製の拡張ボックスに放り込む。
俺とヨギ魔道師は食料やテント等のかさばる物からアイテムボックスに収納していく。
更に、俺の必殺技
「ザッストリッパー」
着ている服だけをアイテムボックスに収納し相手を裸にする。
アイテムボックスに収納するには、収納する物を闇の魔力で覆い白磁鉱石が内包する空間へ移動させる。
毎晩、浩司相手に訓練を続けて出来る様になった新技だ。グリムには
『欲望が成せる業じゃな。拓は変態じゃが、平和な考えの持ち主で良かった。』
と言われて笑われたが、人生何が役に立つかは分からないものだ。
残念ながら、服を着た状態で下着だけの収納は出来なかった。
服の下や閉じた箱の中だけを収納するのは不可能なのかも知れない。
俺は、陣の中心に居る地位の高い人間から裸にしていく。
無駄に高級な装備の人が多い。
裸にしても楽しむ時間も無く、機械的に行う。
半分以上裸にした頃には、他の兵士達の武器や防具の回収が終わっていた。
「退却する。静かに森へ移動するぞ。」
バラン将軍の指示で森へと移動すると、バルクさんとゴルゴに夜中の案内を頼み俺は最後の仕上げだ。
エアウォークで空へ駆け上がると、倒れている兵士に液体を掛け森の中に身を隠した。
******(ジレット王国兵士)
いつの間にか寝てしまったみたいだ。
何かがおかしい。自分の状態を見ると武器も防具も無い。
見晴らしが良いと思うと、テントも荷物も何も無い。
どなり声が聞え、そちらを見ると裸の将軍や貴族達の姿があった。
一体どうなっているんだ。俺達は眠らさせ全ての荷物を奪われたと言うのか。
しかし、この臭いは何だ。
「獣寄せの実の汁だ。俺達、獣寄せの実の汁が掛けられてるぞ。」
「どうなっているんだよ。俺は死にたくない。」
「川だ、川に浸かって臭いを落すんだ。」
叫びが聞え、1人が走りだすと、全員が我先に川に向かって逃げ出した。
こんな所で、武器も防具も無い状態で魔獣に襲われたらどうしようもない。
裸の将軍や貴族が叫んでいるが知った事では無い。俺も皆と一緒に川に向かって走り出した。
こんな所で、死んでたまるか。
******
叫んだ兵士達はバラン将軍の部下だ。
眠った兵士達の中に混じって逃げ出す様に誘導してもらった。
敵兵が走り出した所で、俺が姿を消して仲間の兵士3人連れ出す。
「もっと、俺にしっかり抱き付いてください。」
逞しい裸の兵士に抱き付いてもらう。
服を着ていると、どこかで不自然さが有ると危険と言うことで裸になってもらっている。決して俺の趣味ではない。
両側に2人と背中に1人。
俺は両側の兵士の腰に手を回して力いっぱい抱きしめる。
ここまでしっかりと抱き付かせる必要はないが、完全密着で姿を隠しエアウォークで皆の元へ脱出・・・
自分で言うのも何だが、抱き付く兵士の尻を撫でない自制心は流石だと思う。
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