異世界遺跡巡り ～ロマンを求めて異世界冒険～

635噂

準備が終わった所で、人数が多い為３部隊に分かれて出発する。
初めにアークが出発し、次にサリナ姫達が変装する考古学者一向とその護衛に着くＯＺ。
そして、最後にクリームが着いて来る。
宿泊場所は申し合わせて有るので問題は無い。

俺が改造した馬車に乗ったバラン将軍が

「これは、拓殿が改造したのか。
　それにしても凄い物だな。私の部屋より居心地が良いのではないか。
　サリナ様もこの馬車で色々と回っていたのですよね。」

面白そうに、馬車の中を見ていると、
サリナ姫が冷蔵庫や椅子を倒してベットにしたりと設備の説明を始めた。
しかし、何時もならドヤ顔で話しそうなのに、今回は聞かれたから答えている様な状態。
バラン将軍もサリナ姫に気を使って声を掛けたみたいだが、今回は逆効果になってしまったみたいだ。

一通り設備の内容が分かった所で、ＯＺはサリナ姫達と同じ馬車に乗り込む。
人数が多いので俺とガラが運転し、サリナ姫の侍女、クリスティーナさんはクリームと同じ馬車だ。


マクニス王国を出ようとした時、

「拓にガラさんじゃない。馬車に乗ってどうしたの。」
「アニスじゃないか。マクニス王国で合うなんて思わなかったよ。」

誰かと思えば、Ｃ級冒険者の試験で一緒になった僕っ子キャラのアニスだ。
相変わらず、ソロで冒険者をしているのか。

「俺達は、考古学者の護衛。
　詳しくは教えられないけど、ガラがＡランクの冒険者になって、依頼を受けられる様になったんだ。」
「そうか、やっぱりＡランクの冒険者がいるパーティは違うよね。」
「アニスはギルドの依頼？」
「僕はマクニス王国を離れようと思って。余り良い噂を聞かないからね。」
「噂って？」
「元貴族を処刑しようとしたとき、攻撃を受けたじゃない。
　敵をやっつけたと聞いているけど、王国の騎士団がかなりやられたらしいよ。
　ここだけの話し、バラン将軍が居なければ全滅の恐れが有ったとか。」

そんな噂が流れていたのか。
もしかすると、その噂も有ってバラン将軍を護衛から外す様に圧力を掛けたのかもしれないな。

「依頼、頑張って。またね。」

相変わらず、あっさりした女の子だ。
逆に、ソロ冒険者はそうでなければやっていけないのだろう。


俺達もマクニス王国を出国したのだが、馬車の中が暗い。
状況が状況だけに、明るくとは言い辛いがこのままなのも嫌だな。

「ガラ、このままラグテルの町に向かうのは止めて寄り道でもしない。」
「その方が良さそうだな。何処か良い所は有るか。」
「そうだな、暑いから川下りなんてどう。馬車は兵士の方に任せて、ノンビリ２、３日掛けて下るとか。」
「それは良いな。今夜にでも、皆に相談してみるか。」

今夜の宿泊場所で、全員が揃った所で川下りの提案をしてみると
サリナ姫とヨハン王子以外は賛成だった。