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627出会い
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「小島さん、小島さん、起きてください。」
うつらうつらとしていた俺は同僚に肩を叩かれていた。
しまった、仕事中に寝てしまったみたいだ。
「何か、平和だよな。」
「何を言っているんです。試作品の報告資料の提出は今日中ですよ。」
いつの間にか46歳、仕事では色々とあるが独身生活を謳歌している。
今日の仕事を終えた後は、同僚からの飲みに行く誘いを断って行きつけのバーへ
「いらっしゃい。」
ママが俺のボトルを出して、ハイボールを作ってくれる。
「ちょっと聞いてる、ヨシキに恋人が出来たんですってよ。」
「ヨシキって、あの万年独りの鬼畜ヨシキに?」
「そうよ、これで独り者は拓だけよ。
あんた、それなりに声はかかるのに選び過ぎなのよ。」
ママとの気楽な会話。
ここは、ゲイバー。同姓が好きな男だけが集まり、色恋話が好きな人が多い。
当然、ママと言っているが男だ。
それにしても、独り者仲間のヨシキに恋人が出来てしまうとは・・・
「いらっしゃい。あら、噂をすればね。ここの席にどうぞ。」
やって来たのは、今話していたヨシキと連れが2人。
「拓ちゃん、紹介するわね。今度付き合い始めたハジメ。
こっちは、20年位の腐れ縁の拓。」
ハジメは20才位だろうか。色白でぽっちゃりしていて、ヨシキの好きなタイプだ。
それにしても、若いな。ハジメと軽く挨拶をした後
「それから、こっちはハジメの友達の浩司。
現役ラガーマン。カッコいいだろ。」
もう一人を紹介されたのだが、
「あれ、何処かであった事ある?」
短髪で人懐っこい顔をした大男。初めて会った気がしない。
「えっと、多分初めてだと思います。」
他人のそら似なのかもしれない。それよりも
「拓ちゃんが年下を口説こうとするなんて珍しい。」
「いやだ、『何処かで会った事ある?』よ。いったい何時の時代なのよ。」
「手相を見てあげるとか言って手を触り始めたりして。」
「寒いわ、寒いけど若い子には新鮮かもしれないわよね。」
人の事で大笑いしているヨシキとママが鬱陶しい
「初めてなのにごめんなさいね。拓が、こんな風に若い子に声を掛けるなんて初めてで。
せっかくだから、浩司君は拓の隣にでも座って。
私、この店のママをしているカツラです。宜しくお願いします。」
ママが直ぐにお酒を出すと
「改めて紹介するわね。こちら拓ちゃん。
趣味はカメラと料理。後、街道歩きとかしているのよね。
恋人いない暦・・・5年、もっと長かったかしら。でも10年は経ってないわよね。」
「ママ、余計な事は言わない。」
「でも、もてない訳ではないのよ。」
それ、フォローになっているのか。すると浩司がすかさずフォロー
「拓さんなら、もてると思います。」
こんな年下からもフォローを入れてもらう俺って大丈夫か。
余計なことを言うママだが、お陰で浩司と話が弾み連絡先の交換をした。
うつらうつらとしていた俺は同僚に肩を叩かれていた。
しまった、仕事中に寝てしまったみたいだ。
「何か、平和だよな。」
「何を言っているんです。試作品の報告資料の提出は今日中ですよ。」
いつの間にか46歳、仕事では色々とあるが独身生活を謳歌している。
今日の仕事を終えた後は、同僚からの飲みに行く誘いを断って行きつけのバーへ
「いらっしゃい。」
ママが俺のボトルを出して、ハイボールを作ってくれる。
「ちょっと聞いてる、ヨシキに恋人が出来たんですってよ。」
「ヨシキって、あの万年独りの鬼畜ヨシキに?」
「そうよ、これで独り者は拓だけよ。
あんた、それなりに声はかかるのに選び過ぎなのよ。」
ママとの気楽な会話。
ここは、ゲイバー。同姓が好きな男だけが集まり、色恋話が好きな人が多い。
当然、ママと言っているが男だ。
それにしても、独り者仲間のヨシキに恋人が出来てしまうとは・・・
「いらっしゃい。あら、噂をすればね。ここの席にどうぞ。」
やって来たのは、今話していたヨシキと連れが2人。
「拓ちゃん、紹介するわね。今度付き合い始めたハジメ。
こっちは、20年位の腐れ縁の拓。」
ハジメは20才位だろうか。色白でぽっちゃりしていて、ヨシキの好きなタイプだ。
それにしても、若いな。ハジメと軽く挨拶をした後
「それから、こっちはハジメの友達の浩司。
現役ラガーマン。カッコいいだろ。」
もう一人を紹介されたのだが、
「あれ、何処かであった事ある?」
短髪で人懐っこい顔をした大男。初めて会った気がしない。
「えっと、多分初めてだと思います。」
他人のそら似なのかもしれない。それよりも
「拓ちゃんが年下を口説こうとするなんて珍しい。」
「いやだ、『何処かで会った事ある?』よ。いったい何時の時代なのよ。」
「手相を見てあげるとか言って手を触り始めたりして。」
「寒いわ、寒いけど若い子には新鮮かもしれないわよね。」
人の事で大笑いしているヨシキとママが鬱陶しい
「初めてなのにごめんなさいね。拓が、こんな風に若い子に声を掛けるなんて初めてで。
せっかくだから、浩司君は拓の隣にでも座って。
私、この店のママをしているカツラです。宜しくお願いします。」
ママが直ぐにお酒を出すと
「改めて紹介するわね。こちら拓ちゃん。
趣味はカメラと料理。後、街道歩きとかしているのよね。
恋人いない暦・・・5年、もっと長かったかしら。でも10年は経ってないわよね。」
「ママ、余計な事は言わない。」
「でも、もてない訳ではないのよ。」
それ、フォローになっているのか。すると浩司がすかさずフォロー
「拓さんなら、もてると思います。」
こんな年下からもフォローを入れてもらう俺って大丈夫か。
余計なことを言うママだが、お陰で浩司と話が弾み連絡先の交換をした。
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