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608抽象画
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サリナ姫とヨハン王子の絵が描き上がり、この話は中断したた。
早速、描き上がった絵を見せてもらうと
「凄いな。ヨハンさんの絵なんてそっくりじゃないですか。
それに比べて、サリナお姉さんの絵は何ていえば良いのか・・・芸術的ですね。」
ヨハン王子の絵は良いのだが、サリナ姫の絵は抽象画の様な顔が描かれていた。
「わっ、私のは良いのよ。ヨハンの絵が有れば問題ないわ。
お待たせしました。遺跡の調査を行いましょう。」
俺が見ていたサリナ姫の絵は取り上げられ、皆が戻ってきた所で遺跡の調査が始まった。
内部の建物は昔の原型を留めており、何かの研究施設の様だった。
闇の魔力は建物の中に充満していて、発生源が何処か判断出来ず順番に部屋を回る事にした。
サリナ姫は間取りを描きながら、部屋の確認を行っている。
絵の才能は独特だが、この様な作業は得意らしく分かり易い図面が出来上がっていく。
昔に盗人が入ったのだろう。部屋は荒らされた痕跡が有り、残骸しか残っていなかった。
『拓、そろそろ一度建物の外に出るんじゃ。
長く高密度の魔力の中に居ると魔力酔いになるぞ』
そう言えば、リッチの居るムハンマの神殿では、濃い闇の魔力の所為で俺と浩司以外は全員魔力酔いで体調不良を起こしていた。
あそこよりは、魔力が薄いが長時間滞在しているのは危険だろう。
ガラに魔力酔いの事を話すと、ガラも同じ事を考えていたらしく、
「一通り部屋を回った所で、建物の外に出よう。
濃い魔力が有る場所で長時間過ごすのは危険だ。」
そう言って、サリナ姫の図面が出来上がった所で一度外に出た。
「部屋は盗みに有って物が取られていやがる。
何も無いのに、何処から闇の魔力が流れ出ているんだ。」
サッパリ分からないという感じで、アルが言う。
何処かに魔力が出ている場所が有ると思うが、建物の中に魔力が充満していて出所が分からなかった。
先ずは様子見で各部屋を回ったが、次は地下室が無いか調べた方が良さそうだな。
そう考えていると、サリナ姫が
「私の知っている遺跡には、隠し扉で塞がれた地下室が有りました。
もしかすると、この遺跡にも地下室が隠されているかも知れません。」
そう言っって、図面上の3つの部屋を指示す。
2部屋は俺も怪しいと思っていた部屋で、残りの1部屋は考えても無かった個室を指していた。
「サリナお姉さん。その2つの部屋は理解できるけど、その個室は何で怪しいと思ったの。」
「遺跡の調査資料にたまに出てくるのよ。
推測だけど、プライベートな実験を行う為の地下設備だと思うわ。
拓ちゃんの好きそうな秘密基地って感じかしら。」
秘密基地か。その説明に何となく納得してしまった。
******(トウ)
俺達は、ガラさんや拓さんが戻って来るまで馬車の警備を行っている。
昼間、バンとジャンと体を鍛えていると、
「精が出るな。俺達も付き合わせて貰っても良いか。」
そう言われて、御者の人達と稽古をしているのだが強い。
この人達の事を只の御者だとおもっていたが、俺達よりも腕は上だ。
こんな人達を馬車の警備に残すと言うのなら、調査に行った人達はどれだけの強さなんだ。
俺達に付き合うというより、俺達に稽古を付けてくれている。
それも、我流で戦って来た俺達に的確なアドバイスをしてくれながらだ。
俺達獣人に、こんな風に教えてくれるなんて本当に有難い事だ。
短期間だが、出来る限りの事を学ばせてもらう。
早速、描き上がった絵を見せてもらうと
「凄いな。ヨハンさんの絵なんてそっくりじゃないですか。
それに比べて、サリナお姉さんの絵は何ていえば良いのか・・・芸術的ですね。」
ヨハン王子の絵は良いのだが、サリナ姫の絵は抽象画の様な顔が描かれていた。
「わっ、私のは良いのよ。ヨハンの絵が有れば問題ないわ。
お待たせしました。遺跡の調査を行いましょう。」
俺が見ていたサリナ姫の絵は取り上げられ、皆が戻ってきた所で遺跡の調査が始まった。
内部の建物は昔の原型を留めており、何かの研究施設の様だった。
闇の魔力は建物の中に充満していて、発生源が何処か判断出来ず順番に部屋を回る事にした。
サリナ姫は間取りを描きながら、部屋の確認を行っている。
絵の才能は独特だが、この様な作業は得意らしく分かり易い図面が出来上がっていく。
昔に盗人が入ったのだろう。部屋は荒らされた痕跡が有り、残骸しか残っていなかった。
『拓、そろそろ一度建物の外に出るんじゃ。
長く高密度の魔力の中に居ると魔力酔いになるぞ』
そう言えば、リッチの居るムハンマの神殿では、濃い闇の魔力の所為で俺と浩司以外は全員魔力酔いで体調不良を起こしていた。
あそこよりは、魔力が薄いが長時間滞在しているのは危険だろう。
ガラに魔力酔いの事を話すと、ガラも同じ事を考えていたらしく、
「一通り部屋を回った所で、建物の外に出よう。
濃い魔力が有る場所で長時間過ごすのは危険だ。」
そう言って、サリナ姫の図面が出来上がった所で一度外に出た。
「部屋は盗みに有って物が取られていやがる。
何も無いのに、何処から闇の魔力が流れ出ているんだ。」
サッパリ分からないという感じで、アルが言う。
何処かに魔力が出ている場所が有ると思うが、建物の中に魔力が充満していて出所が分からなかった。
先ずは様子見で各部屋を回ったが、次は地下室が無いか調べた方が良さそうだな。
そう考えていると、サリナ姫が
「私の知っている遺跡には、隠し扉で塞がれた地下室が有りました。
もしかすると、この遺跡にも地下室が隠されているかも知れません。」
そう言っって、図面上の3つの部屋を指示す。
2部屋は俺も怪しいと思っていた部屋で、残りの1部屋は考えても無かった個室を指していた。
「サリナお姉さん。その2つの部屋は理解できるけど、その個室は何で怪しいと思ったの。」
「遺跡の調査資料にたまに出てくるのよ。
推測だけど、プライベートな実験を行う為の地下設備だと思うわ。
拓ちゃんの好きそうな秘密基地って感じかしら。」
秘密基地か。その説明に何となく納得してしまった。
******(トウ)
俺達は、ガラさんや拓さんが戻って来るまで馬車の警備を行っている。
昼間、バンとジャンと体を鍛えていると、
「精が出るな。俺達も付き合わせて貰っても良いか。」
そう言われて、御者の人達と稽古をしているのだが強い。
この人達の事を只の御者だとおもっていたが、俺達よりも腕は上だ。
こんな人達を馬車の警備に残すと言うのなら、調査に行った人達はどれだけの強さなんだ。
俺達に付き合うというより、俺達に稽古を付けてくれている。
それも、我流で戦って来た俺達に的確なアドバイスをしてくれながらだ。
俺達獣人に、こんな風に教えてくれるなんて本当に有難い事だ。
短期間だが、出来る限りの事を学ばせてもらう。
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