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605リオン
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土が柔らかい上に、先ほどの雨で歩くと重みで足を取られる。
皆には悪いが、俺と浩司はエアウォークで体を軽くし木の上を移動して周囲の監視を行う。
「しかし、気配を消して移動できると楽だな。魔獣に襲われずに済む。」
ヨハン王子が感心するように、俺達は魔獣に見つからずに移動が出来ている。
多分、周囲に闇の魔力が漂っているのも助かっているのだろう。
しかし、この闇の魔力のせいで、こちらからの探索魔法の効果も下がっている。
更に、相手も気配を消している事も有り魔獣を見つけるのが遅れてしまった。
「右手から強力な魔獣が近付いてきている。構えて。」
既に魔獣の方も俺達に気が付いているみたいだ。
この足を取られている状態で逃げるのは難しいだろう。
『攻撃は待つにゃ。構えたままで待機するにゃ。』
ヤマトの言葉を伝えて、魔獣を見ると子供を連れたリオンだった。
『サリナがいるにゃら、安全第一にゃ。
子供を守る母親の力を見くびってはいけにゃいのにゃ。』
しかし、いきなりBランクの魔物が出て来るとは。
ヤマトの指示に従い、リオンに向けて魔力を放出した。
『先ずは相手に自分達の力を示すにゃ。
絶対に目を逸らしては駄目にゃ。逸らしたら攻撃されるにゃ。」
その後は、アイテムボックスから肉の塊を取り出しゆっくりと置く。
俺が動く時、リオンに緊張が走ったが様子を見続けている。
『ゆっくりと後ろに下がって、体を屈めて様子を見るにゃ。
後ろに下がる時も、相手の目を見続けるにゃ。
体を屈めたら魔力の放出を抑えるにゃ、』
俺達が体を屈めて様子を見ていると、リオンが肉の塊を嗅いで一口食べると吠えた。
俺達の力を認め、獲物を差し出した事で争うのを辞めたらしい。
すると、子供が近寄ってきて肉にかぶり付いた。
子供が食べている間は、親が俺達を警戒している。
こちらを襲う気は無いみたいだが、決して気を許さない。
子供が食べ終えると、一声吠えて残った肉を持って立ち去って行った。
「助かった。出来る限り危険は冒せないからな。
よし、湖に向かって先を急ごう。」
ガラがそう言って先に進むことにした。
しかし、ガラは普段と同じ様子だか何かが気になった。
湖に近づくと、徐々に他の魔獣と遭遇する様になって来た。
初めは、気配を消しているので気付かれなかったが、ダークウルフに気付かれ戦闘になると、その気配に他の魔獣が攻撃に加わる。
OZ、アーク、クリームに分かれて対応し、俺と浩司はサリナ姫とヨハン王子を守りつつ、後方からサポート。
いざという時は、2人を連れてこの場から逃げ出す手はずになっている。
今の所、問題無く対処できているが、泥濘に足が取られる中での戦いで疲れが見え始めて来た。
おまけに、ガラの動きがおかしい。
これでもOZとしてパーティを組んできたので、ガラだけでなくOZのメンバーなら次の行動が感覚的に分かっていたが
今日のガラの動きは合わせ難く気を使わなければならない。
すると、突然 周囲の魔獣の気配が遠のいて行くのが分かった。その代わり
「後ろから強い魔獣の気配。」
背後から近付いて来る、魔獣の気配を感じて離れたみたいだ。
俺達が後方に向けて構えると、現れたのは先程のリオンの親子。
俺達を暫く見ていたが、そのまま湖の方へと歩いて行く。
皆には悪いが、俺と浩司はエアウォークで体を軽くし木の上を移動して周囲の監視を行う。
「しかし、気配を消して移動できると楽だな。魔獣に襲われずに済む。」
ヨハン王子が感心するように、俺達は魔獣に見つからずに移動が出来ている。
多分、周囲に闇の魔力が漂っているのも助かっているのだろう。
しかし、この闇の魔力のせいで、こちらからの探索魔法の効果も下がっている。
更に、相手も気配を消している事も有り魔獣を見つけるのが遅れてしまった。
「右手から強力な魔獣が近付いてきている。構えて。」
既に魔獣の方も俺達に気が付いているみたいだ。
この足を取られている状態で逃げるのは難しいだろう。
『攻撃は待つにゃ。構えたままで待機するにゃ。』
ヤマトの言葉を伝えて、魔獣を見ると子供を連れたリオンだった。
『サリナがいるにゃら、安全第一にゃ。
子供を守る母親の力を見くびってはいけにゃいのにゃ。』
しかし、いきなりBランクの魔物が出て来るとは。
ヤマトの指示に従い、リオンに向けて魔力を放出した。
『先ずは相手に自分達の力を示すにゃ。
絶対に目を逸らしては駄目にゃ。逸らしたら攻撃されるにゃ。」
その後は、アイテムボックスから肉の塊を取り出しゆっくりと置く。
俺が動く時、リオンに緊張が走ったが様子を見続けている。
『ゆっくりと後ろに下がって、体を屈めて様子を見るにゃ。
後ろに下がる時も、相手の目を見続けるにゃ。
体を屈めたら魔力の放出を抑えるにゃ、』
俺達が体を屈めて様子を見ていると、リオンが肉の塊を嗅いで一口食べると吠えた。
俺達の力を認め、獲物を差し出した事で争うのを辞めたらしい。
すると、子供が近寄ってきて肉にかぶり付いた。
子供が食べている間は、親が俺達を警戒している。
こちらを襲う気は無いみたいだが、決して気を許さない。
子供が食べ終えると、一声吠えて残った肉を持って立ち去って行った。
「助かった。出来る限り危険は冒せないからな。
よし、湖に向かって先を急ごう。」
ガラがそう言って先に進むことにした。
しかし、ガラは普段と同じ様子だか何かが気になった。
湖に近づくと、徐々に他の魔獣と遭遇する様になって来た。
初めは、気配を消しているので気付かれなかったが、ダークウルフに気付かれ戦闘になると、その気配に他の魔獣が攻撃に加わる。
OZ、アーク、クリームに分かれて対応し、俺と浩司はサリナ姫とヨハン王子を守りつつ、後方からサポート。
いざという時は、2人を連れてこの場から逃げ出す手はずになっている。
今の所、問題無く対処できているが、泥濘に足が取られる中での戦いで疲れが見え始めて来た。
おまけに、ガラの動きがおかしい。
これでもOZとしてパーティを組んできたので、ガラだけでなくOZのメンバーなら次の行動が感覚的に分かっていたが
今日のガラの動きは合わせ難く気を使わなければならない。
すると、突然 周囲の魔獣の気配が遠のいて行くのが分かった。その代わり
「後ろから強い魔獣の気配。」
背後から近付いて来る、魔獣の気配を感じて離れたみたいだ。
俺達が後方に向けて構えると、現れたのは先程のリオンの親子。
俺達を暫く見ていたが、そのまま湖の方へと歩いて行く。
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