異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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ジャポの町を取り囲む外壁が見えて来た。
遺跡は更に離れた場所に在るので、ジャポの町で数日過ごしてから遺跡の見学を行う予定だ。

「エチゴさん、先ずは醤油を見に行きましょう。」
「拓さん、先ずは宿に向かいましょう。馬車を預けてからでも醤油は逃げませんよ。」

エチゴさんの言う通りだ。先ずは宿が先だな。

しかし、町の宿を訪ねてみたが24名が泊れる場所は無かった。
唯一開いていたのはギルド会館に併設されている宿。
駆け出しの冒険者も泊れるように安いが、寝床は堅く、汚い。

「我々は、見張りを兼ねて馬車で寝泊まりをします。」

そう言うのは、護衛の兵士4名。
馬車に設置した椅子を倒すと、この辺の宿よりも数段寝心地の良いベットになる。
兵士4名は皆から見られると、あからさまに視線を逸らしていた。
完全に、ベット狙いの申し出だろう。

「まぁ、気持ちは分かるけどな。
 こうなったら、空き地にテントを張るか。
 拓、数日泊るから、天幕を出してもらっても良いか。」

仕方がないので、ガラの言う通り町の外れの広場に泊る事にし、男性用に2つと女性用に1つ天幕を用意した。
簡易ベットをセットし、タープで風呂やトイレも用意する。

「俺と浩司は馬車に泊っても良いかな。
 せっかくだから、長期の旅でも寝泊まりしやすい様にもう少し改造してみたい。」

俺がそう言うと、エチゴさんからは「やり過ぎない様に」と一言いわれ
クリスティーナさんには、「まぁ、まぁ、流石ですね。」と何が流石なのか分からないが、とても嬉しそうだ。
サリナ姫が何か変な事を言ってのではないだろうかと疑ってしまう。

残りの馬車2台には護衛の兵士4人が寝泊まりすると言う。
先程言った事を気にしなくても良いと思うが、危険な人が近付いてこないか見張るのに都合が良いらしい。
荷物の整理を行ったら、早速ジャポの町の散策だ。

護衛の4人が残ってくれると言うので、俺達全員で行かせてもらう。
ジャバの町は獣人に対する偏見も無く、レオやアルが一緒でも問題ない。
それが普通の事だと思いながらも、ここは良い町だと思う。

真っ先に向かったのは醤油工場。
エチゴさんのお陰で醤油が広まったと言われ、工場の案内までしてくれた。

「それにしても、醤油の良い香りだな。」

建物周辺が、醤油の香りで充満している。
大量に醤油を購入させてもらい、清酒、みりんの工場を案内してもらった後、他の調味料や食材を見ていると

「やっぱり有ったよ。味噌だよ、味噌。」

発酵食品を作っているのなら、有るのではないかと期待していた。
皆、見た目の色に引いていたが、俺は味見をさせてもらい懐かしい味に感動。
その場で、大量に購入させてもらった。
後は昆布と鰹節が有れば、美味い味噌汁が出来るのだが…
その辺について話を伺うと、この地方で取れる木の実を見せてくれた。

「ハクレンの実と言いまして、これを煮出して味噌を加えます。」

店の好意で、煮出した汁を飲ませてもらうと、一番だしの旨味。
売っている店を教えて貰い、店を回ってハクレンの実を買い漁って来た。
店を回っているといると、藁に包まれた大好きな食材も発見。
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