597 / 745
597萌え
しおりを挟む
もうじきマクニス王国で、犯罪を犯した貴族の死刑が実施される。
ブルネリ公爵が帰ってからは周囲に異常は無いが、念のためサリナ姫やヨハン王子にはラグテルの町から離れてもらう事にして俺達はジャポの町に向かっている。
サリナ姫とヨハン王子には死刑の事は伝えていない。
「拓ちゃんは嬉しそうね。」
サリナ姫に言われるほど、顔に出ていただろうか。
「新しい遺跡を見れるのも有りますが、醤油を作っている町ですからね。
きっと、他の発酵食材にも出会えますよ。
そう言う、サリナお姉さんも楽しそうですよ。」
ジャポの町は遺跡の他に何も無い辺境の地になるが、醤油の入手先だ。
醤油が有るなら、味噌も有るかもしれない。
食材に遺跡、嫌でも期待が膨らむ。
「未だ見た事のない遺跡を見るんだもの。当り前じゃない。
これから行く遺跡は、湖の遺跡とも賢者の遺跡とも言われているわ。
湖の中に浮かぶ島に有って、大戦争が始まる前は賢者が住んでいたという逸話が有るのよ。
まぁ、私も資料を見ただけだけど。」
さすがサリナ姫だ。遺跡の勉強をされているだけの事はある。
しかし、伝説の賢者か・・・グリムみたいな人では無いと思いたい。
「ただ、遺跡は神聖視されているわ。
立ち入り禁止のはずよ。確か、島にも渡る事は許されていないはずだったわ。
今回は、湖畔から遺跡を眺めるだけになるわね。」
中に入れないのは残念だが、仕方がないだろう。
OZ、アーク、クリームの他にサリナ姫達の護衛を含めて全24名。
危険が伴うので、カイはカレー専門店のお客の整理をお願いした。
大型の馬車を3台での大所帯になっている。
馬車を引く魔獣はレンタルだが、馬車そのものははニックさんが購入したものだ。
俺の方で、座り心地の良いシートを取り付けている。
出発前に、皆にはポーチを渡した。
中にはポーションや携帯食料、風邪薬や保温シート、1日だけ水を固める薬を入れてある。
災害時の緊急バッグみたいな物だ。
移動の時に持っていれば、少しは安心出来るだろう。
今夜は街道脇の広場で宿泊。
天幕を張りたい所だが、他にも人が居るので広場の隅にテントとタープで宿泊場所を作る。
馬車とテントで目隠しをし、普段通りの料理を食べ、タープの1つは風呂として使っている。
「本当に、優雅な旅よね。
馬車に備え付けた椅子も座り心地も良いし、お風呂に料理。」
サリナ姫も気に入っているみたいだ。
「それに、十分な明りも有りますので、勉強も出来ます。
さぁ、姫様。そろそろ勉強の時間ですよ。」
サリナ姫は侍女のクリスティーナさんにタープの方へ連行されていった。
そんな恨めしそうな目で見られても、王女として頑張ってもらうしかないだろう。
サリナ姫が連れて行かれた所で、俺は魔道具作りを開始した。
******(クリスティーヌ)
本当に凄い旅です。
サリナ姫が嬉しがるのも分かりますが、これ以上勉強を疎かにする訳にはいきません。
しかし、私が今まで拓様を見ていて気になったのですが
「所で姫様。もしかして拓様の好きな方というのは浩司様の事でしょうか。」
つい伺ってしまいました。
侍女として興味本位で質問してしまうとは。「余計な事を詮索し、失礼しました。」直ぐに謝りました。
「あら、今まで気が付いていなかったの。流石のクリスティーヌでも恋愛は苦手みたいね。」
何ですって、本当に2人が付き合っていたのですね。
少年と大男のカップルなんて萌えます。
正直、少年と美青年の方が好きなのですが、厳つい男同士よりずっと良いです。
「どうしたのクリスティーヌ。
私達、2人の付き合いを応援しているの。
出来れば貴方にも応援してほしいけど、嫌う事だけはしないでね。」
私の態度を、違った風に捉えてしまったみたいです。
「姫様、安心してください。えぇ、私も2人の恋を応援させてもらいますとも。」
こんな美味しいシチュエーションを駄目になんてさせるものですか。
この旅、本当に楽しくなってきました。
ブルネリ公爵が帰ってからは周囲に異常は無いが、念のためサリナ姫やヨハン王子にはラグテルの町から離れてもらう事にして俺達はジャポの町に向かっている。
サリナ姫とヨハン王子には死刑の事は伝えていない。
「拓ちゃんは嬉しそうね。」
サリナ姫に言われるほど、顔に出ていただろうか。
「新しい遺跡を見れるのも有りますが、醤油を作っている町ですからね。
きっと、他の発酵食材にも出会えますよ。
そう言う、サリナお姉さんも楽しそうですよ。」
ジャポの町は遺跡の他に何も無い辺境の地になるが、醤油の入手先だ。
醤油が有るなら、味噌も有るかもしれない。
食材に遺跡、嫌でも期待が膨らむ。
「未だ見た事のない遺跡を見るんだもの。当り前じゃない。
これから行く遺跡は、湖の遺跡とも賢者の遺跡とも言われているわ。
湖の中に浮かぶ島に有って、大戦争が始まる前は賢者が住んでいたという逸話が有るのよ。
まぁ、私も資料を見ただけだけど。」
さすがサリナ姫だ。遺跡の勉強をされているだけの事はある。
しかし、伝説の賢者か・・・グリムみたいな人では無いと思いたい。
「ただ、遺跡は神聖視されているわ。
立ち入り禁止のはずよ。確か、島にも渡る事は許されていないはずだったわ。
今回は、湖畔から遺跡を眺めるだけになるわね。」
中に入れないのは残念だが、仕方がないだろう。
OZ、アーク、クリームの他にサリナ姫達の護衛を含めて全24名。
危険が伴うので、カイはカレー専門店のお客の整理をお願いした。
大型の馬車を3台での大所帯になっている。
馬車を引く魔獣はレンタルだが、馬車そのものははニックさんが購入したものだ。
俺の方で、座り心地の良いシートを取り付けている。
出発前に、皆にはポーチを渡した。
中にはポーションや携帯食料、風邪薬や保温シート、1日だけ水を固める薬を入れてある。
災害時の緊急バッグみたいな物だ。
移動の時に持っていれば、少しは安心出来るだろう。
今夜は街道脇の広場で宿泊。
天幕を張りたい所だが、他にも人が居るので広場の隅にテントとタープで宿泊場所を作る。
馬車とテントで目隠しをし、普段通りの料理を食べ、タープの1つは風呂として使っている。
「本当に、優雅な旅よね。
馬車に備え付けた椅子も座り心地も良いし、お風呂に料理。」
サリナ姫も気に入っているみたいだ。
「それに、十分な明りも有りますので、勉強も出来ます。
さぁ、姫様。そろそろ勉強の時間ですよ。」
サリナ姫は侍女のクリスティーナさんにタープの方へ連行されていった。
そんな恨めしそうな目で見られても、王女として頑張ってもらうしかないだろう。
サリナ姫が連れて行かれた所で、俺は魔道具作りを開始した。
******(クリスティーヌ)
本当に凄い旅です。
サリナ姫が嬉しがるのも分かりますが、これ以上勉強を疎かにする訳にはいきません。
しかし、私が今まで拓様を見ていて気になったのですが
「所で姫様。もしかして拓様の好きな方というのは浩司様の事でしょうか。」
つい伺ってしまいました。
侍女として興味本位で質問してしまうとは。「余計な事を詮索し、失礼しました。」直ぐに謝りました。
「あら、今まで気が付いていなかったの。流石のクリスティーヌでも恋愛は苦手みたいね。」
何ですって、本当に2人が付き合っていたのですね。
少年と大男のカップルなんて萌えます。
正直、少年と美青年の方が好きなのですが、厳つい男同士よりずっと良いです。
「どうしたのクリスティーヌ。
私達、2人の付き合いを応援しているの。
出来れば貴方にも応援してほしいけど、嫌う事だけはしないでね。」
私の態度を、違った風に捉えてしまったみたいです。
「姫様、安心してください。えぇ、私も2人の恋を応援させてもらいますとも。」
こんな美味しいシチュエーションを駄目になんてさせるものですか。
この旅、本当に楽しくなってきました。
2
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説
お布団から始まる異世界転生 ~寝ればたちまちスキルアップ、しかも回復機能付き!?~
雨杜屋敷
ファンタジー
目覚めるとそこは異世界で、俺は道端でお布団にくるまっていた
思わぬ″状態″で、異世界転生してしまった俺こと倉井礼二。
だがしかし!
そう、俺には″お布団″がある。
いや、お布団″しか″ねーじゃん!
と思っていたら、とあるスキルと組み合わせる事で
とんだチートアイテムになると気づき、
しかも一緒に寝た相手にもその効果が発生すると判明してしまい…。
スキル次第で何者にでもなれる世界で、
ファンタジー好きの”元おじさん”が、
①個性的な住人たちと紡ぐ平穏(?)な日々
②生活費の為に、お仕事を頑張る日々
③お布団と睡眠スキルを駆使して経験値稼ぎの日々
④たしなむ程度の冒険者としての日々
⑤元おじさんの成長 等を綴っていきます。
そんな物語です。
(※カクヨムにて重複掲載中です)
はずれスキル『模倣』で廃村スローライフ!
さとう
ファンタジー
異世界にクラス丸ごと召喚され、一人一つずつスキルを与えられたけど……俺、有馬慧(ありまけい)のスキルは『模倣』でした。おかげで、クラスのカースト上位連中が持つ『勇者』や『聖女』や『賢者』をコピーしまくったが……自分たちが活躍できないとの理由でカースト上位連中にハメられ、なんと追放されてしまう。
しかも、追放先はとっくの昔に滅んだ廃村……しかもしかも、せっかくコピーしたスキルは初期化されてしまった。
とりあえず、廃村でしばらく暮らすことを決意したのだが、俺に前に『女神の遣い』とかいう猫が現れこう言った。
『女神様、あんたに頼みたいことあるんだって』
これは……異世界召喚の真実を知った俺、有馬慧が送る廃村スローライフ。そして、魔王討伐とかやってるクラスメイトたちがいかに小さいことで騒いでいるのかを知る物語。
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
おいでませ異世界!アラフォーのオッサンが異世界の主神の気まぐれで異世界へ。
ゴンべえ
ファンタジー
独身生活を謳歌していた井手口孝介は異世界の主神リュシーファの出来心で個人的に恥ずかしい死を遂げた。
全面的な非を認めて謝罪するリュシーファによって異世界転生したエルロンド(井手口孝介)は伯爵家の五男として生まれ変わる。
もちろん負い目を感じるリュシーファに様々な要求を通した上で。
貴族に転生した井手口孝介はエルロンドとして新たな人生を歩み、現代の知識を用いて異世界に様々な改革をもたらす!かもしれない。
思いつきで適当に書いてます。
不定期更新です。
気がついたら異世界に転生していた。
みみっく
ファンタジー
社畜として会社に愛されこき使われ日々のストレスとムリが原因で深夜の休憩中に死んでしまい。
気がついたら異世界に転生していた。
普通に愛情を受けて育てられ、普通に育ち屋敷を抜け出して子供達が集まる広場へ遊びに行くと自分の異常な身体能力に気が付き始めた・・・
冒険がメインでは無く、冒険とほのぼのとした感じの日常と恋愛を書いていけたらと思って書いています。
戦闘もありますが少しだけです。
前世の記憶で異世界を発展させます!~のんびり開発で世界最強~
櫻木零
ファンタジー
20XX年。特にこれといった長所もない主人公『朝比奈陽翔』は二人の幼なじみと充実した毎日をおくっていた。しかしある日、朝起きてみるとそこは異世界だった!?異世界アリストタパスでは陽翔はグランと名付けられ、生活をおくっていた。陽翔として住んでいた日本より生活水準が低く、人々は充実した生活をおくっていたが元の日本の暮らしを知っている陽翔は耐えられなかった。「生活水準が低いなら前世の知識で発展させよう!」グランは異世界にはなかったものをチートともいえる能力をつかい世に送り出していく。そんなこの物語はまあまあ地頭のいい少年グランの異世界建国?冒険譚である。小説家になろう様、カクヨム様、ノベマ様、ツギクル様でも掲載させていただいております。そちらもよろしくお願いします。
せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー
ジミー凌我
ファンタジー
日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。
仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。
そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。
そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。
忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。
生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。
ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。
この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。
冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。
なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる