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******(ソード)
俺とバックラはカレー工場の警備で雇われたのだが、ここ暫くの間は、カレー専門店での客対応をしている。
オープン時ほどでは無いが、昼や夕方になると行列が出来てる。
殆どの客は礼儀正しいのだが、中には問題を起そうとする奴等もいるので、俺達が睨みを利かせるわけだ。
昼の客がはけた所で、汚れた格好の子供6人が列の後ろに並んだ。
「バックラ、あそこの子供達はどう対応すれば良いと思う。」
「孤児なんだろうな。しかし、あの格好で飲食店に入れる訳にはいかないだろう。」
「それは分かっているが。」
「拓殿なら、断らずに何か手段を考えるだろうな。
俺1人で対応しているから、店の人達と相談してこいよ。」
警備をバックラに任せて、従業員に相談すると対応方法を考えてくれた。
直ぐに、子供たちの所へ行き
「少し良いだろうか。」
出来る限りの笑顔で話しかけたが、とても怯えた様子で
「あの、僕達、きちんとお金は持っています。」
この反応・・・こんなデカイ体の大人が話しかけられたら仕方が無いのかも知れないが少し傷つく。
「そうではない。問題はその格好なんだ。
申し訳ないが飲食店だから、店に入れる訳にはいかない。」
本当に残念そうにする子供達。
自分達でも分かっていたのだろう。それで時間をずらして並んだとは思うが仕方がない。
「庭に臨時で席を用意するが、それでも良いだろうか。
その代わり、飲み物をサービスとして付けさせてもらう。
店の中ほどではないが、天気も良いし気に入ってもらえると思う。」
子供達が賛同してくれたので、準備をするために店に戻ろうとすると
「店の人、少し良いかな。私達もその子達と庭で食事をさせてもらえないだろうか。勿論、サービスは必要ない。」
中年の男性が声を掛けてきた
体格が良いので冒険者だと思っていたが、変装しているだけこの方は貴族だ。
男性と女性の警護を2名連れている。俺が答えに困っていると
「どうかな。君達の席に私達を同席させてもらえないだろうか。
そのお礼に、デザートをご馳走させてもらおう。何でも特別なデザートが有るらしいぞ。」
と子供達に話しかけ、それを聞いた子供達が喜んでいた。
流石に、ここで断るわけにはいかないだろう。
「分かりました。庭の方に席を用意させて頂きます。」
直ぐに店に戻り状況を説明すると、仕方がないと受け入れてくれた。
店の裏には小さいながらも庭があり、従業員が休憩出来るようにと感じよく整っている。
出来るだけ良い場所にテーブルをセッティングすると、給仕の女性がテーブルの上に飾りの小物を置いてくれる。
俺が礼を言うと
「礼なんて要らないわよ。オーナーなら、こうしていたと思うわ。
それにジャン料理長やルミナスさんも賛成してくれてたし。
その子達も、喜んでくれると良いわね。」
当たり前のことの様に言ってくれる。
店の中の装飾には及ばないが、これなら十分に楽しんでもらえるだろう。
順番が来て、子供達と貴族を庭の方へ案内すると
「なかなか、良いじゃないか。
君達のお陰で、今日は楽しい食事が出来そうだ。ありがとう。」
公爵が嬉しそうに子供達に話しかけるのを見て、警備に戻らせてもらった。
俺とバックラはカレー工場の警備で雇われたのだが、ここ暫くの間は、カレー専門店での客対応をしている。
オープン時ほどでは無いが、昼や夕方になると行列が出来てる。
殆どの客は礼儀正しいのだが、中には問題を起そうとする奴等もいるので、俺達が睨みを利かせるわけだ。
昼の客がはけた所で、汚れた格好の子供6人が列の後ろに並んだ。
「バックラ、あそこの子供達はどう対応すれば良いと思う。」
「孤児なんだろうな。しかし、あの格好で飲食店に入れる訳にはいかないだろう。」
「それは分かっているが。」
「拓殿なら、断らずに何か手段を考えるだろうな。
俺1人で対応しているから、店の人達と相談してこいよ。」
警備をバックラに任せて、従業員に相談すると対応方法を考えてくれた。
直ぐに、子供たちの所へ行き
「少し良いだろうか。」
出来る限りの笑顔で話しかけたが、とても怯えた様子で
「あの、僕達、きちんとお金は持っています。」
この反応・・・こんなデカイ体の大人が話しかけられたら仕方が無いのかも知れないが少し傷つく。
「そうではない。問題はその格好なんだ。
申し訳ないが飲食店だから、店に入れる訳にはいかない。」
本当に残念そうにする子供達。
自分達でも分かっていたのだろう。それで時間をずらして並んだとは思うが仕方がない。
「庭に臨時で席を用意するが、それでも良いだろうか。
その代わり、飲み物をサービスとして付けさせてもらう。
店の中ほどではないが、天気も良いし気に入ってもらえると思う。」
子供達が賛同してくれたので、準備をするために店に戻ろうとすると
「店の人、少し良いかな。私達もその子達と庭で食事をさせてもらえないだろうか。勿論、サービスは必要ない。」
中年の男性が声を掛けてきた
体格が良いので冒険者だと思っていたが、変装しているだけこの方は貴族だ。
男性と女性の警護を2名連れている。俺が答えに困っていると
「どうかな。君達の席に私達を同席させてもらえないだろうか。
そのお礼に、デザートをご馳走させてもらおう。何でも特別なデザートが有るらしいぞ。」
と子供達に話しかけ、それを聞いた子供達が喜んでいた。
流石に、ここで断るわけにはいかないだろう。
「分かりました。庭の方に席を用意させて頂きます。」
直ぐに店に戻り状況を説明すると、仕方がないと受け入れてくれた。
店の裏には小さいながらも庭があり、従業員が休憩出来るようにと感じよく整っている。
出来るだけ良い場所にテーブルをセッティングすると、給仕の女性がテーブルの上に飾りの小物を置いてくれる。
俺が礼を言うと
「礼なんて要らないわよ。オーナーなら、こうしていたと思うわ。
それにジャン料理長やルミナスさんも賛成してくれてたし。
その子達も、喜んでくれると良いわね。」
当たり前のことの様に言ってくれる。
店の中の装飾には及ばないが、これなら十分に楽しんでもらえるだろう。
順番が来て、子供達と貴族を庭の方へ案内すると
「なかなか、良いじゃないか。
君達のお陰で、今日は楽しい食事が出来そうだ。ありがとう。」
公爵が嬉しそうに子供達に話しかけるのを見て、警備に戻らせてもらった。
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