異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
593 / 761

593開店2

しおりを挟む
昼からの開店にも関わらず、朝早くから並んでいたお客が店内に雪崩れ込んで直ぐに席が埋まってしまった。
ニックさんだけでなく、パウロさんやヨーゼフさん、ティムさんまで店の手伝いに入ってくれている。
皆、自分の店の準備も有るのに、時間を作って来てくれた。

OZやアーク、クリームは外で待っているお客の整理。
サリナ姫やヨハン王子も変装し、待っているお客にメニュー表を見せたり注文をとったりして手伝ってくれる。
侍女のクリスティーナさんもウェイトレスとして手伝ってくれているのだが、その有能ぶりに他の従業員にこのまま働いて欲しいとお願いされる程だった。


******(ジャン料理長)

カレー料理には自信が有ったけど、こんなにお客が来るとは思わなかった。
ニックさんに言われた通り、初めの2週間は3種類のメニューと飲み物、そして数量限定の果物のシャーベットだけにしたが
これだけでも、大変な状態だ。

「Aセット5つ、Bセット3つ、Cセット6つ追加で。
 デザート2つ出ます。」

絶え間なく、追加の注文が入ってくる。
調理場は戦場だ。

「ジャン、どれだけ宣伝すればこうなるのよ。」
「OZ、アークやクリームの人達も冒険者に話してくれていたみたいだしな。
 大工の人達への食事のサービスも良かったのかもしれない。知り合いに宣伝してくれると言っていたし。」
「それも有るかも知れないけど、どう見ても貴族の方やも来ているみたいなんだけど。」

そう言われて、店内や外で並んでいる人達を覗いてみると、貴族や商人の方々らしき姿が多く見える。

「お陰で、思った以上に、デザートの売れ行きも良いわよ。」

ルミナスの言われて確認するとデザートの注文が思った以上に多い。
料金を高めに設定しているにも関わらず、もう半分は無くなっている。

「理由は分からないが、とにかく この場を乗り切る事だけ考えよう。」

ひたすら作り続けて、終わりが見えたかと思ったら店を閉める時間だった。


「ジャン、私死ぬわ。料理を作りながら死んでしまうわ。」

ルミナスがテーブルにうつ伏せている。
俺もさすがに疲れた。他の従業員も動けずに座っていた。

「皆さん、今日はお疲れ様でした。
 簡単な食事を用意したので食べてください。」

OZの皆さんがサンドイッチを配ってくれ、明日に疲れが残らない様にと拓殿がマッサージをしてくれている。
前に受けた事の有る魔力同調を使ったマッサージだ。
おかげで、従業員の皆も元気を取り戻し、明日の準備に取り掛かってくれる。

そして、ここまで多くの客が来てくれた理由が分かった。

「事前にカレーとデザートの事を宣伝させてもらいましたよ。
 夏に冷たいシャーベットを食べれる機会なんてなかなか有りませんからね。」
「ヨーゼフさんもですか。私も知り合いの貴族の方や商人に宣伝させてもらいました。
 わざわざ、町まで来てくれた方も居ますね。」
「皆さん、同じですか。特に貴族の方々は、この手の情報を欲しがっていますから。
 しかし、デザートが売り切れるとは思いませんでした。」

ヨーゼフさん、パウロさん、ティムさんが手伝いをしてくれながら楽しそうに話していた。
この商人3人の宣伝のおかげで貴族や商人の方々が足を運んでくれたみたいだ。
大きな店を扱っている商人だけあって顔が広い・・・広過ぎる。

2週間は手伝いが入るが、後は自分達だけで店を切り盛りして行く事になる。
今の内に、効率よく動けるように改善をしていかないと。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
 病弱な僕は病院で息を引き取った  お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった  そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した  魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

処理中です...