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592開店1
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トリス練成術師の工房が動き始めた。
材料を運ぶのを手伝うという名目で少し覗かせてもらうと、全員やる気に満ち溢れている。
改めて義手や義足の構造、コアに描かれた魔方陣の説明を受けてから作業に取り掛かったのだが
魔力使い続けられる作業時間が短いのは仕方が無いが、個人の技術力の差が大きい。
ブルネリ公爵領にある工房から来た人と、トリス練成術士が丁寧に教えているが、3人は製品作りの戦力としては厳しい気がする。
邪魔にならない様に一通り見学させてもらい、家に帰ってきて魔道具作りをしていると
「改めて他の人を見ると、本当に拓ちゃんの技術って別次元なんだな。」
浩司が俺の作業を見て感心している。
「ごめん、浩司。良く聞こえなかった。本当に俺が何だって。」
もう一度聞こうとしたが、溜息を吐きながら
「拓ちゃんって、凄いのに残念キャラだよな。」
何だか、酷いもの言いだ。
おまけに、グリムとヤマトが思いっきり笑っているし・・・
『しかし、ブルネリ公爵領の工房から来たのを除いて、即戦力になるのは6人じゃな。
3人は見習いといった所じゃろう。
どうやら、技術者を育てるつもりみたいじゃな。』
やはりグリムも、そんな風に感じたか。
新しい事を始めるだけでも大変なのに、新人の教育まで行うなんて凄いな。
「拓ちゃんは、練成術の教育はしないのか。」
浩司はそう言うが
「それは難しいかな。俺達って無詠唱で魔法を使っているから本格的な教育は難しいよ。
それに俺の考えはトリス練成術師だから理解してもらえていると思う。」
それに、うっかり元の世界の技術を教えてしまうと面倒な事になりそうで怖い。
「それよりも、明日のカレー工場オープンでのオーナーとしての挨拶を練習するから付き合ってくれない。」
一応、挨拶の原稿もカンペも作ってある。
既に何度も練習をして問題ないと思うが、落ち着かず浩司を相手に練習させてもらった。
こういう時は、あっという間に時間が過ぎてしまう。
カレー専門店の開店前の締めとして、オーナーからの挨拶になった。
「皆さん、この一ヶ月間、このカレー専門店の開店に向けての訓練お疲れ様でした。
いよいよ、今日から本番です。
暫くは目新しさで大勢のお客様が来られると思いますが
料理、接客にどちらかが欠けては、お客様に再び来店して頂けないでしょう。
皆さんは十分に技術は持っています。
後は気持ちです。常に心からの笑顔でお客様を迎えてください。
宜しくお願いします。
では、カレー専門店をオープンします。
行くぞ!」
「「「お~っ!」」」
俺の掛け声に従業員が応じてくれ、店の扉が開かれた。
材料を運ぶのを手伝うという名目で少し覗かせてもらうと、全員やる気に満ち溢れている。
改めて義手や義足の構造、コアに描かれた魔方陣の説明を受けてから作業に取り掛かったのだが
魔力使い続けられる作業時間が短いのは仕方が無いが、個人の技術力の差が大きい。
ブルネリ公爵領にある工房から来た人と、トリス練成術士が丁寧に教えているが、3人は製品作りの戦力としては厳しい気がする。
邪魔にならない様に一通り見学させてもらい、家に帰ってきて魔道具作りをしていると
「改めて他の人を見ると、本当に拓ちゃんの技術って別次元なんだな。」
浩司が俺の作業を見て感心している。
「ごめん、浩司。良く聞こえなかった。本当に俺が何だって。」
もう一度聞こうとしたが、溜息を吐きながら
「拓ちゃんって、凄いのに残念キャラだよな。」
何だか、酷いもの言いだ。
おまけに、グリムとヤマトが思いっきり笑っているし・・・
『しかし、ブルネリ公爵領の工房から来たのを除いて、即戦力になるのは6人じゃな。
3人は見習いといった所じゃろう。
どうやら、技術者を育てるつもりみたいじゃな。』
やはりグリムも、そんな風に感じたか。
新しい事を始めるだけでも大変なのに、新人の教育まで行うなんて凄いな。
「拓ちゃんは、練成術の教育はしないのか。」
浩司はそう言うが
「それは難しいかな。俺達って無詠唱で魔法を使っているから本格的な教育は難しいよ。
それに俺の考えはトリス練成術師だから理解してもらえていると思う。」
それに、うっかり元の世界の技術を教えてしまうと面倒な事になりそうで怖い。
「それよりも、明日のカレー工場オープンでのオーナーとしての挨拶を練習するから付き合ってくれない。」
一応、挨拶の原稿もカンペも作ってある。
既に何度も練習をして問題ないと思うが、落ち着かず浩司を相手に練習させてもらった。
こういう時は、あっという間に時間が過ぎてしまう。
カレー専門店の開店前の締めとして、オーナーからの挨拶になった。
「皆さん、この一ヶ月間、このカレー専門店の開店に向けての訓練お疲れ様でした。
いよいよ、今日から本番です。
暫くは目新しさで大勢のお客様が来られると思いますが
料理、接客にどちらかが欠けては、お客様に再び来店して頂けないでしょう。
皆さんは十分に技術は持っています。
後は気持ちです。常に心からの笑顔でお客様を迎えてください。
宜しくお願いします。
では、カレー専門店をオープンします。
行くぞ!」
「「「お~っ!」」」
俺の掛け声に従業員が応じてくれ、店の扉が開かれた。
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