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565契約

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******(ヨーゼフ)

「有り難い話ですが、何故、私共の商会に話をして頂けるのでしょうか。」

あれは大きな売上になるだけでなく、何よりも貴族との繋がりを作ることが出来る。
私の商会もそれなりに大きいが、同レベルなら他にも有るだろう。
競わせれば、更に多くの儲けが得られるはずだ。

「そうだな。簡単に言ってしまえば
 商会の規模と、港町までの販路を確保出来ること。
 そして何より、OZの考えに理解が有ると言う所だろうか。
 それに、今回の販売を見させてもらったが、実に良い商売をしている。」

「お褒めに預かり、ありがとうございます。」

既に、私達の事は調べてあるのだろう。
ニック殿とカレー工場に関わった時点で、詳細に調べられているのは当然か。

「あまり遅くなるのは困るが、この場で結論を出す必要は無い。
 行う意思が有るなら、後日 契約について詳細を詰めたいと思う。」

「ありがとうございます。我が商会で取り扱わせて頂きたいと思います。」

「そうか、それは助かる。後程、打ち合わせの場を設定しよう。
 しかし、ラグテルに居る間は商人ブルネリとして扱ってくれるように頼む。」

そう言って、自分のテントに戻られた。
強い繋がりを作りたいと考えていたが、想像以上の以上の成果を得られた。
しかし、ゼリーにもOZが係わっていたのか。
普通にデザートとして提供してくれたので、そうではないかと思ってはいたが・・・


次の日の朝、レオ殿達が朝食にパンケーキを焼き、サリナ姫達が飾り付けをしてくれているのだが
パンケーキの上に山の様に盛られたのは

「これは、生クリームですか?」

「そうなんですよ。
 サリナお姉さんが任せてと言って作ってくれましたが、朝から凄いですよね。
 一応あっさりした甘さにして有りますが、普通の朝ごはんに代えましょうか。」

運んで来てくれた拓殿が私の様子を見て、皿を下げようとするが

「いえ、こちらを食べさせて下さい。」

拓殿が言っている意味は分かるが、この場合そういう事では無い。
こんな移動途中での野外の食事に大量の生クリームを使った料理が出るなんて有り得ないだろう。
パーティでOZがケーキを用意してくれた以外でも何度か食べたことはあるが、こんな風に出てくる料理ではない。
トッピングに使っている果物もカラフルでとても綺麗だ。
夏や秋に取れるのが多く混ざっているが、拓殿のアイテムボックスだろうか。
しかし、アイテムボックスで果物を保管するだろうか?
・・・もう気にするのは止めておこう。

しかし、全員が当たり前のように受け取っている。
王族や貴族の方々はともかく、冒険者まで。
一瞬、自分の感覚に自信が無くなり隣の部下を見たが、この料理に驚いている。
私は一般的な感覚を持っている。大丈夫だ。多分、大丈夫だろう。
とにかく、頂くことにしよう。

「美味い。」

こんな美味しいパンケーキに出会えるとは思わなかった。
生クリームの甘さも控えめで、トッピングされた果物の甘みと酸味が良いアクセントになっている。
あっという間に食べ終わってしまったが、拓殿が我々の分まで追加を作ってくれる。
もちろん、生クリームは大盛りだ。
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