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557説明員

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******(トリス練成術士)

ラグテルの町に戻ってきて、直ぐに義手、義足を付けている元冒険者の所に伺った。
今日、ここに伺ったのは、状況の確認と新しく作る魔道具の工房について話をしたかったからだ。
ニック殿や拓殿からも簡単な話を伝えて貰っているが、詳しいことは私から話す事になっている。
ダリアにも同席してもらい、貴族の方々から多くの製造依頼が来た事を話し
ラグテルの町に義手、義足を作る工房を作る事から説明した。

「皆さんには、義手、義足を使う方々に指導員として働いて欲しいと考えています。
 工房にポーションを作る場所を併設するので、普段は今まで通り仕事をしてもらい
 お客様が来られた時、サポートをして頂けないでしょうか。
 期間としては2,3年間を見ています。」

指導をしてもらう間の賃金等の説明をする前だと言うのに

「この仕事、受けます。」「俺も受けます。」「当然俺もだ。」・・・

全員が受け入れてくれると言ってくれる。すると、今まで黙っていたダリアが

「あんた達、やる気が有るのは良い事だ。
 だけど、新しい義手を使いこなせなきゃ、手伝いなんて出来ないよ。」

貴族の方々から義手、義足の製造依頼を受けた際
現在3本指の義手を5本指にして手袋を嵌めれば見た目を分からない様にして欲しいと要望を受けた。
先に戻る拓殿にお願いし、稼動部を増やした試作品を配っておいてもらっているのだが

「申し訳ありません。
 拓さんに渡されてから練習を続けていますが、まだ使いこなせていません。」

拓殿も一度に稼動部を増やすと対応が難しいと考え、稼動部が3箇所の物まで用意してくれたのだが
未だ稼動部が3箇所のを訓練している。
作った拓殿は

「義手を腕の延長だと思えば、思い通りに動かせるはずなんですけどね。
 操作しながら、色々と説明をしてみましたが、感覚的な事を伝えるのは難しくて。」

と話しながら稼働部が5箇所の義手を器用に操作していたが、拓殿の感覚で言われては一般人には難しいだろう。

拓殿が説明をする時にはダリアも同席し、一緒に義手の操作を行ってみると何とか動かせたそうだ。
拓殿が上手く説明できず深みにはまっていくのを見て、仕方がないとダリアも説明をしてみたが上手くいかないらしい。

「動かせる事は分かっているんだ。
 後は、そこまでの道のりを自分達で探し出すしかない。
 いいかい。あんた達は、これから義手を付ける人達に教える立場になるんだ。
 今、動かすために苦労している行為は、説明する相手にとって有り難い経験になる。
 大変だと思うけど、頑張るしかないよ。」

「「「はい」」」

ダリアが5箇所の稼動部のある義手を操りながら、最後に〆てくれた。
私も稼動部が3つ位なら問題ないと思っていたので、少し感覚がずれているみたいだ。
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