異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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538同一人物?

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ヨハン王子の体も問題なく、俺も浩司もヤマトも魔力の使い過ぎで疲れていた為、この場で助けが来るまで休むことにした。
2人とも普段と同じ態度で居るが、サリナ姫の手が震えて顔色も悪い。
誘拐されて怖くないはずがない。
誘拐されていた時の話を聞きたかったが、そんなのは後でも良い。
とりあえず温かい飲み物を渡し、少しでも落ち着いてもらうことにした。
今回の後始末のことを考えていると

「拓ちゃん、どうした。ハイオーガの事が気になるのか。」

浩司が俺を見て声を掛けてくる。

「ハイオーガもそうだけど、今回の件は目撃者も多いから報告はどうしたものかと思って。
 華麗でカッコいい正義の味方が2人を救出し、黙って立ち去ったという案を考えていた。」

何故、全員が呆れた様な視線を俺に向けるのだろう。


救出は思ったより早く来た。
その頃にはサリナ姫も落ち着いたみたいで、誘拐時の話をしてくれていた。しかし

「貴方は私の最後を知っているのかしら。
 私をどうやって倒したのか答えなさい。」

という、ナターシャの言葉の意味については誰も分からなかった。

「同一人物でありながら別の人間の様な感じで話していたわ。」

実際に話していたサリナ姫の感想。
転生の魔法陣を使った訳ではなさそうだ。
勇者の時代に生きていたムーサーと全く同じ顔をした女。
何者かは気になるが、これ以上考えようにも情報が足らな過ぎる。

バラン将軍、ガゼルス将軍に2人を預けた後、オリバー隊長と数名の騎士を連れてハイオーガが居た場所まで案内したが、既にハイオーガの姿は無く周囲にもその気配は無かった。
俺達は、道を塞いでいた土の壁を壊し、1度マクニス王国へと戻る事にした。

バラン将軍の騎士団の寄宿舎にはOZとクリームが揃っていた。

「街道で王族の馬車が魔獣に襲われたと聞いて俺達が来た。
 アークにはブルネリ公爵の護衛として残ってもらっている。
 拓も浩司も無事でよかった。」

ガラがほっとした感じで、俺の頭を撫でている。
サリナ姫とヨハン王子は既に城に戻り、バラン将軍とガゼルス将軍も同行している。
先ずは俺の方から、今回の誘拐について簡単に説明させてもらった。
魔獣に襲われた所は大勢の人に見られているが、その後の誘拐については見られていない為、国民への報告はされていない。
国の上の方には、サリナ姫とヨハン王子が自力で敵の手から逃げ出したと言う事になっている。
正義のヒーロー、剣君と斧ちゃんの案は使われることは無かった。

そして、ナターシャが生きていた事と、魔道師の話をすると

「やはり、ナターシャは生きていたのか。
 魔道師は以前 遺跡に集まっていた貴族達を逃がした2人組の1人だろう。
 しかし、拓と浩司の2人と同時に渡りあえるとは一体何者だ。」

ジークさんが俺の話を聞いて考え込んでしまった。
その後、俺達が追跡に当たり今回の街道を選んだのかを説明すると

「拓殿は、街道の先に在る遺跡に向かっていたと考えているのですね。
 明日、部隊を編成し遺跡に向かいます。
 出来れば、拓殿と浩司殿にも同行願えますか。」

オリバー隊長の提案に同意し同行する事にした。
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