異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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521水と光の劇団:虹

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次の日は「水と光の劇団:虹」の講演
終わった後、ブルネリ公爵領に居る知り合いに配るチケットを受け取ったが、残りのチケットが完売しているらしい。

「我儘を聞いて頂き、ありがとうございます。」

エチゴさんがチケットを受け取ると

「とんでもないです。毎年、見に来てくれて本当に有り難いと思っています。
 来年も用意しておきますので是非とも見に来て下さい。」

丁寧な挨拶をされていた。
これだけ売れているとなると、迷惑なお願いだっただろうか。
俺が心配していると、グリムとヤマトが話しかけてくる。

『言うなれば、OZは劇団だけでなく、ロダン侯爵領の恩人でもあるからな。
 その知り合いに、劇を見て欲しいと思っておるのじゃろう。』
『拓は立場による力関係を気にし過ぎじゃ。素直に喜ぶといいにゃ。』

俺の考え過ぎか。俺って性格が捻くれているのかもしれないと思っていると
浩司が、「拓ちゃんの真面目な所好きだな。」そう言って俺の頭に軽く叩いて来るのが嬉しかった。


内輪のイルミネーションは終わり、貴族がやって来る。
俺達はサリナ姫達と屋敷の上からやって来る貴族達を眺めていると、
バラキエ侯爵も陰から貴族を見ているのが見えた。
義手、義足の4人は貴族を迎える為に入口に立って貴族を出迎えている。
パーティの前に義手、義足の説明を行う為、多くの貴族が腕を失っていたり、足を失っている人を連れてきている。
そして、出迎えている4人を見ると握手を求めたりしていた。

「皆、義手や義足に興味を持っているのね。」

「実際、貴族の護衛をする立場で手足を失う人も多いからな。
 皆、何とかしてやりたいと思っているのだろう。」

サリナ姫とヨハン王子がそう言ってはいるが、正直こんなに手足を失った人が来るとは思わなかった。


******(片足を失った冒険者)

貴族の方々が来られる日、ブルネリ公爵から依頼を受けた。

「君達の事を紹介させてもらえないだろうか。
 義手や義足を説明する場は設けているが、事前に実物を見て貰いたいと思っている。
 ただ、晒し者の様な気分になるのであれば、断ってもらっても構わない。」

公爵から直々に言われ断れる訳もないが、それが俺達がここに来た目的なので引き受けた。
結構な数の貴族の方々が、腕を失っていたり、足を失っている人を連れてきている。
普通なら俺達が話す事も無い様な上の方々なのだろう。
その人達が、俺達を見て

「これが、義手、義足か。今日は、宜しく頼む。」

挨拶をされるだけでなく、握手を求めたりする。
手足を失った事がどれだけ大変か俺達は実際に分かっている。
出来れば彼等の生活が良くなって欲しいと思う。
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