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509公開

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「今回は貴族間の騒動に巻き込んでしまって申し訳なかった。」

魔力を使い過ぎて、寝ていた浩司と俺が起きると、ブルネリ公爵が謝罪した。

「今回の件は、ブルネリ公爵の所為では有りません。
 それに、全員無傷で相手を倒す事が出来ましたので。」

ガラがOZ代表として対応した。
自分の所為では無いと分かっていても、死ぬ可能性もあった事を気にしているみたいだ。
だとしたら、1つお願いをして帳消しにしてもらうのが良いだろう。皆に許可を貰い、俺が話をする。

「それなら、もし良ければ貴族の方々に技術を公開をして頂けないでしょうか。
 手足を失った人の為に義手や義足という物を開発しました。
 出来れば、広める手伝いをして頂ければ助かります。」

そして、簡単に義手と義足の説明をした。
ブルネリ公爵は少し考え理由を問う。

「作ってはみましたが、商売にはならないと考えています。
 手や足を失うのは冒険者に多く、多くの冒険者はそれほど裕福では有りません。
 せめて貴族の方々に技術を広めておかないと廃れてしまうでしょうから。
 それに、多くの人が係われば何か良い案が出てくる可能性も有ります。」

以前にトリス練成術師とも話し合っているが、先ずは技術を広める事に賛成してくれた。
そう言うことであればと、今度のイルミネーションの時に貴族への公開の場を設けてくれる事になった。

「説明はどうする。拓殿が行うのか。」

俺の代わりに、トリス練成術師に説明をしてもらう。
名前が売れている技術者が行った方が貴族への受け入れられ方も良いだろう。
義手や義足をしている人達にブルネリ公爵領に来てもらいたいと考えているが、見世物の様な状態を嫌がられる可能性もある。
その時は、義手や義足だけを動かして、イメージしてもらう予定だ。

「確かにトリスが行った方が受け入れ易いと思うが、拓殿はそれで良いのか?」
「私は技術が広まればそれで良いですから。」

ブルネリ公爵は、それ以上は言うのを止め義手、義足について詳しい話を聞くことにした。


それ以降、特に問題も無く移動し、無事にマクニス王国に辿りついた。
サリナ姫が、カイやレム、トーマスに気を使ってくれ子供達も襲われた事に対する精神的な後遺症はないみたいだ。
少しすればブルネリ公爵領でのイルミネーションが始まるが、義手や義足の話、カレー工場や果樹園の状態も気になるので、一度ラグテルの町に戻る。

「では、イルミネーションで、また会いましょう。」

マクニス王国の手前で、サリナ姫達とは別れて別行動になる。
未だ、マクニス王国の入出時の検問は厳しく時間が掛るので、俺達は王国を通らず迂回して直接ラグテルの町に戻った。
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