異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
506 / 759

506身の程を知る

しおりを挟む
「楽しい祭りだったな。」
「本当に楽しかった。屋台の料理も美味しかったし。」

それよりも、浩司と一緒に回れたのが一番楽しかった。
浩司が俺をかまう様になってから、女性が遠慮して2人だけで楽しめた。

『吾輩としては、もっと食べたかったにゃ。面白い味付けも有って楽しめたにゃ。』

『レオとルドルフ料理長が教えた料理を色々と発展させておるみたいじゃな。
 1年で、なかなか面白い事になっているじゃないか。』

2人だけでなく、グリムとヤマトが一緒だったが…

部屋に戻り浩司と風呂に浸かりながら祭りの感想を話していた。
ヤマトも、風呂の淵に前足を掛けて浸かっている。
それにしても、恋人と一緒にライトアップされた湖や城を見ながらの風呂って色んな意味で良いな。

残り2日のリゾートライフも終わり、明日は帰宅だ。
俺達が絵を描いたマグカップも出来上がり、食後に自分達のマグカップを使ってお茶を飲んでいる。
皆、自分の絵の出来に満足しているみたいだ。

サリナ姫とヨハン王子の関係は、少しは進んだみたいだが先は長いのかな。
頑張れ、ヨハン王子。

その日の夜、ヨギ魔道師が俺の泊っているコテージにやって来た。

「遅くに悪いな。どうしてもロダン侯爵領の復活に助力してくれた事に礼を言いたくてな。」

そう言って、ヨギ魔道師はアイテムボックスから雷と氷の魔道結晶を取り出した。

「ここまでしてれくたお礼だ。受け取って欲しい。」

俺が対応に困っていると

「受け取るだけの十分な事をしている。それに、私が持っているより有効な使い方をするだろう。」

雷の魔道結晶はヤマトの放出する雷を収束させる魔道具に使えるので助かるが、氷の魔道結晶は何もイメージが思い浮かばない。
浩司の魔法の強化も良いが、リッチから貰った光と闇の魔法強化程の魔法陣は俺に描く事も出来ない。
何か有効な魔道具を考え付くまで、アイテムボックスの肥やしになるだけだな。

しかし、何故ヨギ魔道師はここまでロダン侯爵領の事を気にするのだろうか。

「私が、ロダン侯爵領の事を気にするのが不思議か。」

何時もの事ながら、考えていた事が顔に出ていたみたいだ。

「グリム大魔導師を目指し、無茶をして死にそうになった所を先々代の侯爵に命を助けられた。
 子供のころから神童と呼ばれ、自分の力を過信し過ぎたんだな。
 怪我が癒えるまでここで世話になり、身の程を知った私は宮廷魔導師になったんだよ。
 以前、宮廷魔導師を勧めてしまったが、2人ならグリム大魔導師を目指せるぞ。
 その気になったら言ってくれ。助力は惜しまん。」

身の程を知って、宮廷魔道師か。いったいこの人の中でグリムの立ち位置はどうなっているのだろう。
グリム大魔導師を目指して、その道の先は何処に続いているのか考えているのだろうか。
俺のアイテムボックスの中で、その本人が

『どちらかではなく、2人に我が名を継がせるのも良いかも知れんな。』

と迷惑な事を言い始めているし・・・名を継ぐなら、もっと安全な名前にして欲しい。
陰ながら支えるので、この師匠の名前は浩司に譲りたい。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

筋トレ民が魔法だらけの異世界に転移した結果

kuron
ファンタジー
いつもの様にジムでトレーニングに励む主人公。 自身の記録を更新した直後に目の前が真っ白になる、そして気づいた時には異世界転移していた。 魔法の世界で魔力無しチート無し?己の身体(筋肉)を駆使して異世界を生き残れ!

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

異世界を服従して征く俺の物語!!

ネコのうた
ファンタジー
日本のとある高校生たちが異世界に召喚されました。 高1で15歳の主人公は弱キャラだったものの、ある存在と融合して力を得ます。 様々なスキルや魔法を用いて、人族や魔族を時に服従させ時に殲滅していく、といったストーリーです。 なかには一筋縄ではいかない強敵たちもいて・・・・?

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...