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472秘密裏
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俺の言葉にバラン将軍は困った様な顔をしている。
「拓殿、我々がOZと初めて会い、4本指の組織の名前を聞いてから捜査を行っていた。
情けない話、組織の尻尾も掴めなかったが、それなりに当たりは付けていた。
そして、今回の遺跡の話を聞いて、今までの捜査での情報が1つに繋がった。
全てOZが情報を提供してくれた結果で情けないが、我々も秘かに動いていたんだ。」
バラン将軍達に対して、失礼な見方をしていたな。
「しかし、肝心の幹部を捕まえられなかった。」
悔しいのか、バラン将軍が拳を強く握りしめている。
「所で、中心になっていた仮面の女はナターシャだと思いますか。」
「その可能性は高いな。あの時2つの遺体が有ったが、2つとも。替え玉だったと思う。」
普通ならバラン将軍の言う通りだが、今までも彼女が俺達を攻撃していたとすると違和感を感じる。
何度も不自然に魔獣に襲われ、操られた盗賊にも攻撃を受けた。
あれにナターシャは係わっていたのだろうか。
俺達と戦ったというのに、あの程度の攻撃はないだろう。
レッドタイガー3体との遭遇が人為的だとすると、そこはナターシャが関わっているのかも知れない。
理屈が通った考えが全く思い浮かばない。
おまけに、アークとクリームの攻撃に対抗できる剣士と魔道師なんて面倒だな。
それだけの力を持っていて何をしたいのだろう。
「拓ちゃん、俺達が勇者の遺跡の謎を解こうとすると、ぶつかるかもしれないな。
それ以前に、もう俺達目を付けられているか。」
浩司の言う通り、既に目を付けられているんだよな。
最後にナターシャからの攻撃を受けた時、目を付けられていたのは俺と浩司の2人。
「おい拓、お前が俺達に見切りを付けたのなら仕方が無いが、
4本指なんかの為にOZを辞めるなんて言うなよ。
俺達が強くなれば良いだけだろ。その為に何か作ってたんじゃないのか。」
そう言ってガラが俺を見てくる。他のOZのメンバーも俺の事を見ている。
本当にこのメンバーには困ってしまう。浩司を見ると、笑っていた。
ブルネリ公爵が部屋に居たメイド達に部屋の外に出る様に指示を出した。
俺達だけになった所で、アイテムボックスから指輪型の魔道具を取り出す。
「今行っている魔力操作の特訓の効果は理解しているよね。
現状に慣れたから、魔力の流れを更に強力に抑える魔道具を用意した。
今付けているのと交換してくれる。」
OZだけでなくバラン将軍とオリバー隊長の分も用意してある。
オリバー隊長には明日渡すとして、全員が指輪を付け代えると
「キツイな。」「ここまで影響が有るとは。」「これは中々凄いですね。」「これで更に強くなれるのか。楽しみだぜ。」
それぞれが辛そうにしているが、バラン将軍は大丈夫そうだ。
そこで、もう一段上の最大の効果がある指輪を渡す。
「これは、なかなか。魔力の流れを常に意識する必要があるな。」
この指輪でも魔力を意識するだけで普通に動けるとは。
「大丈夫なんですね。その指輪が最上級の魔道具です。
ガラ達も今のに慣れたら最上級のに代えるから頑張って。
1日付けていれば慣れると思う。そうしたら特訓を開始しようか。」
俺も自分の訓練を行う必要がある。
ブルネリ公爵にお願いして、屋敷の兵士やメイドの方を相手に魔力同調の練習をさせてもらう事にした。
勘違いしていた自分の実力を上げないと話にならない。
ただ、残念なのは浩司には完全な魔力同調が出来るが、逆にずらせない。
肝心な恋人には兵士達が呻き声を出す様な状態を楽しめなかった。
浩司は「愛の力」なんて言っているが、完全に魔力が一致するのは異世界から来たからか、同時に体を再生されたからか他に理由が有るのだろう。
面白い現象だが、他に例が無いので解明は出来ない。
お互いに、魔力の受け渡しが出来て便利なので問題ないが、つまらない。
ポトリ教授達は、ガラ達とは別にブルネリ公爵邸に向かっているそうなので、皆が着くまで屋敷にお世話になる事にした。
「拓殿、我々がOZと初めて会い、4本指の組織の名前を聞いてから捜査を行っていた。
情けない話、組織の尻尾も掴めなかったが、それなりに当たりは付けていた。
そして、今回の遺跡の話を聞いて、今までの捜査での情報が1つに繋がった。
全てOZが情報を提供してくれた結果で情けないが、我々も秘かに動いていたんだ。」
バラン将軍達に対して、失礼な見方をしていたな。
「しかし、肝心の幹部を捕まえられなかった。」
悔しいのか、バラン将軍が拳を強く握りしめている。
「所で、中心になっていた仮面の女はナターシャだと思いますか。」
「その可能性は高いな。あの時2つの遺体が有ったが、2つとも。替え玉だったと思う。」
普通ならバラン将軍の言う通りだが、今までも彼女が俺達を攻撃していたとすると違和感を感じる。
何度も不自然に魔獣に襲われ、操られた盗賊にも攻撃を受けた。
あれにナターシャは係わっていたのだろうか。
俺達と戦ったというのに、あの程度の攻撃はないだろう。
レッドタイガー3体との遭遇が人為的だとすると、そこはナターシャが関わっているのかも知れない。
理屈が通った考えが全く思い浮かばない。
おまけに、アークとクリームの攻撃に対抗できる剣士と魔道師なんて面倒だな。
それだけの力を持っていて何をしたいのだろう。
「拓ちゃん、俺達が勇者の遺跡の謎を解こうとすると、ぶつかるかもしれないな。
それ以前に、もう俺達目を付けられているか。」
浩司の言う通り、既に目を付けられているんだよな。
最後にナターシャからの攻撃を受けた時、目を付けられていたのは俺と浩司の2人。
「おい拓、お前が俺達に見切りを付けたのなら仕方が無いが、
4本指なんかの為にOZを辞めるなんて言うなよ。
俺達が強くなれば良いだけだろ。その為に何か作ってたんじゃないのか。」
そう言ってガラが俺を見てくる。他のOZのメンバーも俺の事を見ている。
本当にこのメンバーには困ってしまう。浩司を見ると、笑っていた。
ブルネリ公爵が部屋に居たメイド達に部屋の外に出る様に指示を出した。
俺達だけになった所で、アイテムボックスから指輪型の魔道具を取り出す。
「今行っている魔力操作の特訓の効果は理解しているよね。
現状に慣れたから、魔力の流れを更に強力に抑える魔道具を用意した。
今付けているのと交換してくれる。」
OZだけでなくバラン将軍とオリバー隊長の分も用意してある。
オリバー隊長には明日渡すとして、全員が指輪を付け代えると
「キツイな。」「ここまで影響が有るとは。」「これは中々凄いですね。」「これで更に強くなれるのか。楽しみだぜ。」
それぞれが辛そうにしているが、バラン将軍は大丈夫そうだ。
そこで、もう一段上の最大の効果がある指輪を渡す。
「これは、なかなか。魔力の流れを常に意識する必要があるな。」
この指輪でも魔力を意識するだけで普通に動けるとは。
「大丈夫なんですね。その指輪が最上級の魔道具です。
ガラ達も今のに慣れたら最上級のに代えるから頑張って。
1日付けていれば慣れると思う。そうしたら特訓を開始しようか。」
俺も自分の訓練を行う必要がある。
ブルネリ公爵にお願いして、屋敷の兵士やメイドの方を相手に魔力同調の練習をさせてもらう事にした。
勘違いしていた自分の実力を上げないと話にならない。
ただ、残念なのは浩司には完全な魔力同調が出来るが、逆にずらせない。
肝心な恋人には兵士達が呻き声を出す様な状態を楽しめなかった。
浩司は「愛の力」なんて言っているが、完全に魔力が一致するのは異世界から来たからか、同時に体を再生されたからか他に理由が有るのだろう。
面白い現象だが、他に例が無いので解明は出来ない。
お互いに、魔力の受け渡しが出来て便利なので問題ないが、つまらない。
ポトリ教授達は、ガラ達とは別にブルネリ公爵邸に向かっているそうなので、皆が着くまで屋敷にお世話になる事にした。
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