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460海賊

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最後の島を出港したが、途中海流が良くないらしく予定とは異なる航路を取る事になった。

「この辺は島が多く、海流が安定していない。
 こうして航路を変える事が良くある。
 安全の為、少し遠回りをする事になるが3,4日遅れる位で問題ない。」

カミーラ船長が俺達に説明をしてくれた。
本当なら遺跡発見に時間が掛かり、休みを入れる予定だった。
しかし、遺跡は直ぐに見つかり、俺の魔力同調を兼ねたマッサージで休みを取る必要もなく、遠回りをしても予定より早いそうだ。

所々で、海に渦が出来ているのが見える。
渦を避けながら島を迂回していると、探索魔法に大きな気配を感じたので、

「島影に嫌な気配がします。」

直ぐに近くにいた船員に報告した。
この船と同じサイズの船があり、乗っている人達から黒いオーラを感じる。

『これは完全に、海賊船の類じゃな。
 レオとアルの特訓の成果を確認するのに丁度良いかもしれん。』

グリムはレオとアルを中心に海賊退治をしろと言っているのか。
船は舵を切ったが、直ぐに島影から海賊船が追い掛けてきた。

「戦闘配備。攻撃魔法に備えろ。」

海賊船の方がスピードが速い。
直ぐに横に並ばれ、攻撃魔法を放って来た。
俺は攻撃をシールドで防ぎながらOZのメンバーを呼ぶ。

「全員、魔力の流れを抑える指輪を外して。
 レオとアルは、俺と浩司と一緒に海賊船に乗り込む。
 ガラとエチゴさんはここで魔法攻撃を防いで下さい。
 ヤマトは浩司の気配を隠してくれ。」

船には40人程の海賊が乗っている。
グリムは丁度良いと言うが、本当にレオとアルだけで大丈夫だろうか。
気配を消すと俺と浩司は、レオとアルと一緒にエアウォークで海賊船の船首に乗り込んだ。

「レイアロー」

突然船首に現れ、レイアロー放った俺達に驚きはしたものの、直ぐに海賊のが向かって来る。

「行くぞ、アル。特訓の成果を見せるぞ。」
「勿論だ。こんな奴等に負けてる訳にはいかねぇからな。」

2人は大剣と斧を構えて海賊を迎えた。
攻撃魔法は体術で避け、強化魔法で体力を上げた海賊の攻撃にも十分な対応が出来ている。

『拓、後方からの魔法攻撃は全て防ぐんじゃ。
 浩司、攻撃魔法を放つ奴等は倒しておけ。
 しかし止めを刺すんじゃないぞ。後で有効利用するからな。』

有効利用の意味は分からないが、グリムが碌な事を考えていない事だけは理解した。
とりあえず、俺が攻撃を防いでいる間に、浩司がフレイムアローで仕留める。
ヤマトが闇の魔力でフレイムアローを隠している事もあり、海賊は避けられずに倒れていく。

『拓、レオとアルには攻撃を紙一重で避けさせるんじゃ。
 あの程度の見きりでは特訓にならんぞ。次の動きまでの無駄も多過ぎる。
 怪我をしても拓が居るから大丈夫じゃ。』

この状況でそこまで要求するのか。
しかし、グリムの言葉を伝えると攻撃がかする程度で避け始め、徐々に動きが良くなっていく。
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