上 下
450 / 744

450海中デート

しおりを挟む
次の日は島の探索と海中の探索に分かれて行動している。
俺達は船で海中の遺跡の探索に参加だ。
海中に危険な魔獣が居ない事を確認すると、船倉から持って来たのは

「それって、潜水服ですか。」

酸素ボンベは付いてなく、海上とホースが繋がれ風の魔道具で空気を送る形だった。
それが3つあり、ポトリ教授、助手の男性、船員がそれぞれ着こみ海に潜っていく。
ボートの上から見ていた浩司が何か思いついたみたいで

「拓ちゃん、俺達も行ってみようぜ。服を脱いで海に飛び込むぞ。」

浩司に急かされるままに、水着になって海に飛び込むと

「俺達の姿を消してくれるか。いくぞマニピュレイト。」

俺達は球体の水の壁に覆われ海の中に沈んで行く。

「マニピュレイトで水の壁を作ってみた。
 このまま海の中を移動できるから海底散歩をしようぜ。
 しかし、やってみると面白いな。」

この海底散策は面白い。
見つからない様に、ポトリ教授達から少し離れた所を移動する。

「このマニュピュレイト、水の中に手を差し込めるように出来ないか。」

「周りの水圧に潰されない様に壁を作っているから無理言うなよ。
 それに、この状態を維持するのも大変なんだぞ。」

確かに海水を押さえ続けるのは大変だろう。
浩司に感謝して、海底遺跡の探索を続けた。

「結構、色々な彫刻が転がっているな。」

浩司の言う通り、崩れているが大量の彫刻が散らばっている。
元々は美術館かも知れない。浩司と美術館デートか。

「拓ちゃん、顔がニヤ付いてるぞ。
 でも、これも美術館デートみたいで良いな。」

浩司も同じことを思ったみたいだ。

『そろそろ、酸素が薄くなる頃じゃ。
 水中デートも良いが、少し安全に注意を払った方が良いぞ。』

グリムの言う通り、この空間だけの酸素だと長くは潜っていられないか。
水上に上がり、船の所へ戻ると

『にゃんで吾輩を連れて行かないのにゃ。
 自分達だけで楽しむなんて酷いのにゃ。』

とヤマトが拗ねていた。
仕方が無いので、浩司には頑張ってもらいOZのメンバー全員で水中から直接遺跡を眺める事に。
大きな空間を維持するのは大変で、数分しか潜ってられなかったが十分楽しめたみたいだ。

「浩司、お疲れ様。海底散歩、楽しかったよ。ありがとう。」

船の上で休んでいる浩司に飲み物と甘いクッキーを渡す。
俺も浩司の横に座り海底から引き上げられる彫刻を見ていた。

「凄い事なんだろうけど、あのテンションにはついて行けないよな。」

浩司の視線の先には、ポトリ教授の助手達が居る。
彼等は新しい石像が上がる度に興奮して声を上げて喜んでいた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます

無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので

sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。 早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。 なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。 ※魔法と剣の世界です。 ※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。 父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。 わー、凄いテンプレ展開ですね! ふふふ、私はこの時を待っていた! いざ行かん、正義の旅へ! え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。 でも……美味しいは正義、ですよね? 2021/02/19 第一部完結 2021/02/21 第二部連載開始 2021/05/05 第二部完結

最強の男ギルドから引退勧告を受ける

たぬまる
ファンタジー
 ハンターギルド最強の男ブラウンが突如の引退勧告を受け  あっさり辞めてしまう  最強の男を失ったギルドは?切欠を作った者は?  結末は?  

追放シーフの成り上がり

白銀六花
ファンタジー
王都のギルドでSS級まで上り詰めた冒険者パーティー【オリオン】の一員として日々活躍するディーノ。 前衛のシーフとしてモンスターを翻弄し、回避しながらダメージを蓄積させていき、最後はパーティー全員でトドメを刺す。 これがディーノの所属するオリオンの戦い方だ。 ところが、SS級モンスター相手に命がけで戦うディーノに対し、ほぼ無傷で戦闘を終えるパーティーメンバー。 ディーノのスキル【ギフト】によってパーティーメンバーのステータスを上昇させ、パーティー内でも誰よりも戦闘に貢献していたはずなのに…… 「お前、俺達の実力についてこれなくなってるんじゃねぇの?」とパーティーを追放される。 ディーノを追放し、新たな仲間とパーティーを再結成した元仲間達。 新生パーティー【ブレイブ】でクエストに出るも、以前とは違い命がけの戦闘を繰り広げ、クエストには失敗を繰り返す。 理由もわからず怒りに震え、新入りを役立たずと怒鳴りちらす元仲間達。 そしてソロの冒険者として活動し始めるとディーノは、自分のスキルを見直す事となり、S級冒険者として活躍していく事となる。 ディーノもまさか、パーティーに所属していた事で弱くなっていたなどと気付く事もなかったのだ。 それと同じく、自分がパーティーに所属していた事で仲間を弱いままにしてしまった事にも気付いてしまう。 自由気ままなソロ冒険者生活を楽しむディーノ。 そこに元仲間が会いに来て「戻って来い」? 戻る気などさらさら無いディーノはあっさりと断り、一人自由な生活を……と、思えば何故かブレイブの新人が頼って来た。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

処理中です...