異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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438ルドフル料理長の妄想

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******(ルドルフ料理長)

ブルネリ公爵からOZがカレー工場を作る事を聞いて面白いと思った。
ブルネリ公爵領にやって来た難民を受け入れる為と言うのもOZらしい。

しかし、この話にジャンが飛び付いて来た時は驚いたが、納得もした。
俺に頭を下げて独立させて欲しいと言われ、断る事が出来なかった。
レオ殿にカレー粉を頂いてから、熱心にスパイスについて勉強をしていたからな。

OZが来る事を知り、指示を出した。

「今夜の料理は、ジャン お前が指示を出せ。
 メニューは分かっているな。納得できる物を作って見せろ。出来るな。」
「はい。」

良い返事だ。一品、一品、料理を作り上げる手に迷が無い。

「料理長、味見をお願いします。」

差し出されたスープの味見を行うが問題ない。
他の料理も問題ない出来だ。


今日の料理の出来に全員が満足してくれたみたいだ。
ブルネリ公爵より紹介して頂き、明日 店で出す料理を作る事になった。

「ジャン、明日は失敗は許されないぞ。
 失敗したからと言って、ここで働き続ける事が出来ると思うなよ。
 料理は素材に左右される。
 どこまで技術でカバーできるのか、とことん追求してみろ。」
「はい。」

ジャンから、威勢の良い返事が返って来る。

暫くしてレオ殿、浩司殿、拓殿が料理場にやって来た。
ジャンの作業の邪魔にならない様に、調理場を観察して何かを書き留め、3人で話し合っていた。
話が終わった後も、ジャンの調理をしている動作を確認してから部屋に戻った。

拓殿はジャンを採用する事を前提で新しい店の調理場を検討しているのだろう。
俺の方もジャンが使いやすい様に調理場の改善点や、アイディアを提案させてもらうか。

拓殿の作る厨房か。
ジャンが不採用だったら、ここをジャンに任せて俺が行くのも有りか。
それより、俺もOZに入れて貰い世界を旅するというのはどうだろうか。
世界中の食材、料理との出会いか。拓殿による新たな料理にも立ち会えるかも知れない。
レオ殿と夜通し料理の話を語り合うのも楽しそうだ。

「・・・理長、調理長。」
「おっ、おう、何だ。」

ジャンが呼んでいるのに気が付かなかった。
明日出す料理の味見をする。

「なかなか良いな。しかし、もう少し味に深みを出せるんじゃないか。」
「はい。」

変な想像に浸らず、こいつが受かる様に応援するか。
合格したら、集中的にジャンに俺の技術を叩きこむ。
こいつが抜けた分は、新しく料理人を雇う必要もあるのか。
やる事は、未だ未だ有りそうだな。
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