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420心配

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ハンスさんがAランクの冒険者と名乗り、

「拓達と別行動で薬草採取を行っていました。
 他の仲間は皆さんの受け入れ態勢を整えて頂けるように、先にブルネリ公爵領へ向かっています。
 距離が有りますが、頑張って下さい。」

その言葉だけで、獣人の人達が安心してくれたみたいだ。
獣人達も疲れていたので、その日は移動は早めに止めて、休息時間を長く取る事にした。
ハンスさんの拡張バッグからテントやタープを取り出しセッティングする。
俺のアイテムボックスに入っていたテントとタープも事前に拡張バッグに移しておいたので、獣人全員分の休む場所を確保できた。
俺達もテントに入り、久しぶりに防寒服を脱いで寛いでいる。
長距離の飛行に疲れたのか、浩司とヤマトは直ぐに寝てしまった。

「やはり、Aランクの冒険者は信用されますね。ハンスさんの言葉で、皆 安心していますよ。」

「拓はそういう所は本当に疎いな。
 ブルネリ公爵領で準備している事で安心はしただろうが、信用されたのはお前達の知り合いだからだ。
 この短期間で2人がそれだけの事をやって来たからだよ。
 ラグテルの町でも思ったが、拓も浩司も本当に凄いよな。」

俺が「見直しましたか。」とポーズをつけて答えると、「お前、本当に分かって無いな。」と呆れられてしまった。
何がいけなかったのだろう・・・


途中でアークやブルネリ公爵の兵士の方々と合流でき、無事にブルネリ公爵領まで連れてくることが出来た。

「拓様、浩司様、ハンス様、本当にありがとうございました。
 何か有れば言って下さい。必ず力になります。」

全員に頭を下げられ、逆に困ってしまう。
『情けは人の為ならず』という話しをして俺達から受けた借りは次に回すように伝えて皆と別れた。


ブルネリ公爵邸にはアーク、クリーム、ピース医師にトリス練成術師、そしてOZが全員揃っていた。

「拓、浩司、なかなか楽しい旅行だったみたいだな。お前等の行き先は山だと聞いたんだが。」

いきなりガラにヘッドロックをかけられた。本気ではないが結構痛い。
エチゴさんですら、この状態を見ているだけで助けてくれる気は無いらしい。
それどころか、

「2人だけで行動させるのは本当に危険ですね。
 獣人の方々が助かったのは良かったですが、後でじっくり話しを聞かせてもらえますか。」

静かな怒りを感じる。

「後の事は私に任せて、風呂にでも入って疲れを取ったらどうだ。
 食事を用意するように伝えておく。」

ブルネリ公爵に言われ、風呂に浸かった取った後、OZ、アーク、クリームに今回の事を全て話した。
ハングライダーの話をしない訳にはいかず、空を飛んでいた話をすると
ロウガさんやジークさんが興味を持ったみたいだが、静かに怒っているエチゴさんの手前黙っていた。
話の所々でエチゴさんからプレッシャーを感じたので、町に毒を撒いて下水道を破壊しまくった話は伏せていおいた。
全てを話し終えると、エチゴさんがあきらめ顔で溜息を吐かれてしまった。

「拓さん、浩司さん。お2人の考え方は素晴らしいですが、自分自身の事も考えてください。」

エチゴさんは怒っていたというより、心配してくれていたのか。
かと言って、助けられるかも知れないのに見捨てるという選択肢は選びたくない。
多分、エチゴさんもそれが分かるので、あきらめて溜息を吐いたのだろう。
他の人も、同じことを感じた様で場の空気が軽くなった様に感じる。
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