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416盗賊

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俺は犬族の男に尋ねた。

「こちらに向かってくる集団が居ますね。追って来ているのは何者ですか。」
「盗賊だ。村を襲い、俺達を無理やり俺達を何処かに連れて行こうとした。隙を見て逃げ出したが、やはり追って来たか。」

嘘は付いていないみたいだ。

「この中で、戦える人は居ますか。」

代表で話していた犬族の男と、もう一人の熊族の男が手を上げた。

「俺はカイン、熊族の男はベック。2人で冒険者をしていた。ランクはDだ。」

俺はソリに載せておいた剣を2人に渡した。

「俺達が先に攻撃を仕掛けます。カインさんとベックさんは、漏れた敵の対応をお願いします。
 それから、他の人達は出来る限りあちらに向かって進んで下さい。歩いて数日掛りますが、それでも一番近い町が在ります。」

俺は、町が在る方向を指差して他の獣人達に少しでも先に歩かせ、ここから離れてもらう。
向かってくる奴等のオーラがどす黒い。正直、オーラを確認するまでも無く見た目でNGだ。

「拓ちゃん、派手に行くか。」
「いや、面倒だから、こちらを風上にして微風を発生させてくれるか。」

浩司が発生させた微風に、気化した無味無臭の毒を乗せる。所が、

「毒が撒かれている。散開しろ。」

相手に毒を巻いた事を気付かれ、魔法を放って来た。
毒で倒せたのは3人。後は問題無いみたいだ。
俺は攻撃してきた魔法をシールドで防ぎ、レイアローによる相手の目へのピンポイント攻撃
間を開けずに、浩司からライトニングが放たれ殆どを倒した。
残った相手に対し、浩司が正面から攻撃を仕掛け、俺は気配を周囲に同化させて側面からの攻撃・・・
敵は俺の気配を全く気付く事が出来ずに簡単に倒す事が出来た。

「ガゼルス将軍には効果が無かったけど、この相手なら俺の気配を消す技術は有効なのか。」

『何じゃ、初見でガゼルス将軍に見破られたのを気にしておるのか。
 あの男の実力はバラン将軍と並ぶんじゃないか。
 こんな雑魚を同じレベルで見ないほうが良いじゃろう。』

敵の見た目は、ジークさんと同じくらい厳つい感じだが、中身は雲泥の差だ。
戦いが終わった所にカインさんとベックさんがやって来た。

「これだけの人数を簡単に倒すとは凄い。」

多分、敵が見掛け倒しなのだろう。
全員に無理やり痺れ薬を飲ませ声を出せなくした後、武器を取り上げ手を後ろに縛り上げる。
2,3日はまともに声を出だせず、魔法は使えない。
盗賊の中の1人が腕に魔道具らしきリングをはめていたので調べてみると

『毒や呪いを感知する魔道具じゃな。これで初めに撒いた毒を感知したのじゃろう。』

実際に毒を掛けてみると、リングが赤くなり、少し熱を持った。
シンプルだが、使えそうな魔道具だ。
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