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411誕生日
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俺達は皆と別れ、ソリを使って一気にラグテルの町に帰って来た。
孤児院の院長に木を植える話をすると了解して頂けたので、庭を調べてみると岩だらけというだけでなく、その下に大きな厚みのある一枚岩が埋まっている。
「まいったな。このままでは木を植えられないよ。」
「どうする、拓。土魔法で岩を壊しちまうか。」
アルの言う通り、土魔法で岩を粉砕するのが正解だろう。
アルが土魔法ロックブレイクで岩を粉砕し、俺がアイテムボックスで粉砕した岩を運びだす。
「アル、お疲れ様。これだけの量を一人で破壊するなんて土魔法の使い方が上達したね。」
「当たり前だ。魔道具を使いこなせなけりゃ、拓に用意してもらった意味がねぇからな。
それに、土魔法を使う良い訓練になったと思う。しかし、もう限界だ。わりぃが少し休ませてくれ。」
アルは掘った穴から這い上がり、そのまま座り込んでしまった。
後は粉砕した岩を町の外に捨て、代わりに森から集めた土で穴を埋める。
町の外と中を何度も往復していると怪しまれるので気配を消し、エアウォークで町を覆う塀の上から出入りさせてもらった。
その日の内に準備が終わり、アルと盛り上がった土を見て満足感から笑いあった。
今年の俺は完璧だ。
木を植える準備も終わり、ロダン侯爵に渡す光の魔道具も、年末にエチゴ屋で売る食器も作り終わった。
そして、今日はいよいよ、俺の14歳の誕生日。
この世界では成人として扱われる歳になった。
「おはよう拓ちゃん。誕生日おめでとう。」
朝起きると、いきなり浩司に抱きしめられた。
しばらく、そうしていたが、そろそろ皆が起き出す時間なので1階に移動する。
「おっ、起きて来たな。拓、誕生日おめでとう。」
「おめでとう、拓ちゃん。」「拓さん、本当におめでとうございます。」「拓も今日から成人だな。」
ガラを始め、皆が声を掛けてくれる。食事が終わると
「今日は、孤児院で誕生日会を開くからな。俺達は先に行くから、後から遅れずに来いよ。浩司はエスコート宜しく。」
ガラがそう言うと、皆で孤児院に行ってしまった。
改めて浩司と2人だけで家に居ると思うと緊張してきた。浩司が俺の肩に手を置いた時
『にゃんで、今回の拓の誕生日をここまで祝うのにゃ。』
合わせたようなタイミングで声を掛けられる。
ヤマトが家に居るのを忘れていた。不思議そうにしているヤマトを見て浩司と笑ってしまった。
「お茶でも飲むか。俺が入れるから、拓ちゃんは座ってなよ。」
浩司が用意してくれている間、ヤマトに14歳は人間の世界では大人の仲間入りする事を教えたが、
『元々、拓は独り立ちしているにゃ。何故いまさら、そんな事を祝うにゃ。』
魔獣の世界では、独り立ちしている事が大人と言う事なのだろう。
俺の説明では、ヤマトに納得させるのは難しい。
年齢で大人と子供を分けるのは人間位か。
結局、色気は無くなったが、これはこれで心地良い雰囲気だな。
孤児院の院長に木を植える話をすると了解して頂けたので、庭を調べてみると岩だらけというだけでなく、その下に大きな厚みのある一枚岩が埋まっている。
「まいったな。このままでは木を植えられないよ。」
「どうする、拓。土魔法で岩を壊しちまうか。」
アルの言う通り、土魔法で岩を粉砕するのが正解だろう。
アルが土魔法ロックブレイクで岩を粉砕し、俺がアイテムボックスで粉砕した岩を運びだす。
「アル、お疲れ様。これだけの量を一人で破壊するなんて土魔法の使い方が上達したね。」
「当たり前だ。魔道具を使いこなせなけりゃ、拓に用意してもらった意味がねぇからな。
それに、土魔法を使う良い訓練になったと思う。しかし、もう限界だ。わりぃが少し休ませてくれ。」
アルは掘った穴から這い上がり、そのまま座り込んでしまった。
後は粉砕した岩を町の外に捨て、代わりに森から集めた土で穴を埋める。
町の外と中を何度も往復していると怪しまれるので気配を消し、エアウォークで町を覆う塀の上から出入りさせてもらった。
その日の内に準備が終わり、アルと盛り上がった土を見て満足感から笑いあった。
今年の俺は完璧だ。
木を植える準備も終わり、ロダン侯爵に渡す光の魔道具も、年末にエチゴ屋で売る食器も作り終わった。
そして、今日はいよいよ、俺の14歳の誕生日。
この世界では成人として扱われる歳になった。
「おはよう拓ちゃん。誕生日おめでとう。」
朝起きると、いきなり浩司に抱きしめられた。
しばらく、そうしていたが、そろそろ皆が起き出す時間なので1階に移動する。
「おっ、起きて来たな。拓、誕生日おめでとう。」
「おめでとう、拓ちゃん。」「拓さん、本当におめでとうございます。」「拓も今日から成人だな。」
ガラを始め、皆が声を掛けてくれる。食事が終わると
「今日は、孤児院で誕生日会を開くからな。俺達は先に行くから、後から遅れずに来いよ。浩司はエスコート宜しく。」
ガラがそう言うと、皆で孤児院に行ってしまった。
改めて浩司と2人だけで家に居ると思うと緊張してきた。浩司が俺の肩に手を置いた時
『にゃんで、今回の拓の誕生日をここまで祝うのにゃ。』
合わせたようなタイミングで声を掛けられる。
ヤマトが家に居るのを忘れていた。不思議そうにしているヤマトを見て浩司と笑ってしまった。
「お茶でも飲むか。俺が入れるから、拓ちゃんは座ってなよ。」
浩司が用意してくれている間、ヤマトに14歳は人間の世界では大人の仲間入りする事を教えたが、
『元々、拓は独り立ちしているにゃ。何故いまさら、そんな事を祝うにゃ。』
魔獣の世界では、独り立ちしている事が大人と言う事なのだろう。
俺の説明では、ヤマトに納得させるのは難しい。
年齢で大人と子供を分けるのは人間位か。
結局、色気は無くなったが、これはこれで心地良い雰囲気だな。
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