異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
407 / 759

407人脈

しおりを挟む
サリナ姫、バラン将軍が屋敷を出て行くのを見送った後、俺達も帰る事にした。
クロイツ伯爵も帰るそうだが、貴族用の出入り口を使うので、ここで別れることになる。


「ヨーゼフさん、今日は宜しくお願い致します。
 こちらは一緒に行動するヨギさん、ハンさん、ガゼルスさんです。」

ガラが3人を紹介すると

「もしかして、宮廷魔道師長のヨギ様でしょうか。」
「私の事を知っているのか。しかし、今は宮廷魔道師を辞めている。ここに居るのは、ただのヨギだ。呼び名に様も付けないで欲しい。
 乗せて頂く礼と言う訳ではないが、レオとルドルフに料理を作ってもらったので昼食は期待してくれ。」
「そうですか。ヨギ殿、楽しみにさせて頂きます。」

ヨギ魔道師は顔が広いな・・・俺は知らなかったけど。
俺は馬車の前に座らせてもらい、周囲の景色を眺めていると貴族の馬車が近付いてきた。
馬車を脇に寄せて、貴族の馬車を先に行かせようとすると窓から手を振るトーマスの姿。
そろそろ昼が近くなったので、広場に馬車を寄せて皆で昼食にする事にした。

ヨーゼフさんにクロイツ伯爵を紹介して、昼食の準備をする。
準備と言っても、風も無く天気も良いので外に椅子とテーブルを用意し、ヨギ魔道師にアイテムボックスに保管してもらった料理を出してもらうだけだが。

「皆さんと合流させてもらって本当に良かった。移動中に素晴らしい食事を食べれるとは思わなかった。」

クロイツ伯爵、ロゼ夫人、トーマスも俺達と一緒にテーブルを囲んで食事をしている。
時間に余裕があるので、食後はケーキと紅茶で少しゆっくりした。

「そう言えば、拓殿は果物の木について調べていましたが、果樹園でも始めるつもりなのですか。」

クロイツ伯爵が俺に聞いてくる。

「いえ、数種類の木を購入を考えているだけです。費用を出すので孤児院の庭に植えさせてもらえないか検討してもらおうかと思っています。」
「OZの皆さんと付き合いの有る孤児院ですか。
 成程、それでも十分に自分達が楽しめる量は採れそうですね。植えるとすると何にするつもりですか?」
「欲しい果物としては、桃、梨、葡萄、ビワ、イチジク、リンゴ、ミカン、オレンジ。
 木ではありませんが、ブルーベリー、ラズベリーも良いですね。」
「おいおい、果物によっては素人では対応できないぞ。それに子供達に作業を依頼するにしても難しいだろう。」

俺が上げた果物を聞いて、ハンさんが言ってくる。

「最終的には素人でも育てられる木になりますね。時間が無くて、そこまで調べきれなかったんですよ。」
「拓殿。そう言う事でしたら、私の方で力になれますよ。
 私は食料をメインに扱っている商人ですから、農家とも繋がりが有ります。
 皆さんには、お世話になっていますから、その位は調べさせて頂きますよ。
 しかし、孤児院の土地は岩場が一般的ですので、土地の確認もした方が良いですね。」

ヨーゼフさんの提案に礼を言って、お願いする事にした。
ハンさんは、他にも自分が見て来た果物に付いて教えてくれた。

「剣の腕だけでなく植物の知識も豊富なんてハンさんは凄いですね。」

トーマスが感心していると

「色々と町を見て回っているからな。トーマスより少しだけ物を知っているだけだよ。」

そう言いながらも、嬉しそうだ。


******(ヨーゼフ)

全くOZはどれだけの人脈を持っているんだ。
ブルネリ公爵と店に来ただけでも驚いたと言うのに、ヨギ魔道師に、クロイツ伯爵。
このタイミングでブルネリ公爵の館に居たと言う事はサリナ姫とも面識が有るのだろう。
しかし、貴族や宮廷魔道師を相手にしていて何故普通に接していられる。
本当に友人として接しているみたいだ。

この件については、他言無用だ。
今回は信頼できる部下だけを連れてきて良かった。
念のため、後でしっかり言っておこう。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~

ファンタジー
 高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。 見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。 確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!? ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・ 気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。 誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!? 女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話 保険でR15 タイトル変更の可能性あり

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

筋トレ民が魔法だらけの異世界に転移した結果

kuron
ファンタジー
いつもの様にジムでトレーニングに励む主人公。 自身の記録を更新した直後に目の前が真っ白になる、そして気づいた時には異世界転移していた。 魔法の世界で魔力無しチート無し?己の身体(筋肉)を駆使して異世界を生き残れ!

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

処理中です...